OTPってご存知ですか?強よりも「愛」を優先する姿にシビれる!あこがれる!

こんにちは、GAMEクロスリポーターのハル飯田です。
皆さん、「OTP」ってご存知ですか? OTPとは「One Trick Pony」の略で、直訳すると「ひとつの芸当しかできない子馬」という意味です。「得意なことがひとつしかない」と、ちょっとネガティブなニュアンスで使われることが多い言葉ですね。
ただ、そんなOTPも、ゲームの世界では悪いことばかりではないと思います。今回は私が憧れる「専門家としてのOTP」についてお話させてください。
OTPはゲームの世界だと「ひとつのキャラばかり使っている人」や「同じ戦術ばかりの人」のことを指し、やっぱりあんまり良い意味では使われません。それでも、OTPと呼ばれてもめげず、信念を貫き通す人たちは存在します。
彼らは同じキャラや戦術を続けることで不利とされるマッチアップも跳ね返すほどの技術を身につけたり、他のプレイヤーが知らない知識を持っていたりします。そうしてひとつの分野を極めつつある職人たちの努力によって、段々とOTPは「専門家」的な、リスペクトを込めた意味で使われることも増えてきました。「持ちキャラ」を巧みに使いこなす格闘ゲームのプロ選手は、その代表例ですよね。
「いやいや、対戦ゲームの多くはバランスや環境が変化していくから、パッチに応じて幅広くなんでもできる万能なプレイヤーが最強でしょ!」
確かに、私もそう思います。どちらかと言えば、私も普段は強いキャラを使い分けたいタイプです。
でも、環境に左右されず、アップデートにも揺るがず、執念にも似たプレイングを見せるOTPには個人的にすごく憧れがあるんですよね。「League of Legends(以下、LoL)」で同じチャンピオンばかり使い続けている方や、「ぷよぷよ」で同じ土台ばかり使う方の配信を、いつも尊敬の気持ちで眺めています。
そんな好きならやってみよう。
ということで、自分でも実際にOTPらしい遊び方にチャレンジしてみることに。具体的には、まず「Apex Legends(以下、Apex)」で「ランパートしか選ばないプレイヤー」になりました。
それ以前からランパートのキャラクター性が好きで頻繁に使用していたのですが、ちょうどスーパーレジェンド武器が登場したタイミングだったので、もう盾植え職人になろうと決意したわけです。
「Apex」プレイヤーの皆さんならご存知かと思いますが、正直に言ってランパートはあまり「強い」とは思われていないレジェンドです(期間限定モードでは重宝されたりするのですが)。そのおかげか、野良でプレイしていてもランパートを先に取られたことは一度もありませんでした。
使い込んでみると新たな良いところもたくさん見つかるもの。盾の置き方ひとつにしても細かなテクニックがありますし、レアなキャラだけにあまり警戒されておらず上手くいくことも多かったです。ただ、その魅力を生かせる状況がやや限定的なので、チーム戦の「Apex」では味方に負担をかけてしまうケースが多いのも事実。真の使い手として活躍するまでは茨の道になりそうです。
なんとかもう少し手軽にOTPできる舞台はないかと、次に辿り着いたゲームが「チームファイト タクティクス」でした。個人戦なので味方に迷惑をかけることもありませんし、グッドタイミングで自分の好きな「ラックス」というチャンピオンが登場していたので、ここで「ラックス構成OTP」に挑戦してみることに。
結論から言いますと、これもめっちゃ大変でした……。
やってることは勝手な縛りプレイなので、勝っている時は「好きなキャラで勝てて嬉しい!」ぐらいなものなんですが、負けがかさむと「あのキャラの方が強くないか?」と浮気心が止まらないわけです。
それでも、OTPの強みである理解力の高さを求めてひたすら試合を繰り返すこと、約400戦。ランダム性があるので毎回とはいかなかったのですが、可能な限りラックス構成を繰り返すことで明らかに理解力と対応力が高まっているのが自分でもわかります。
そして、ついには大型連勝を迎えて自己最高ランクへと到達。いやー、やってみるものですね。OTP!
なんとなく「OTPって職人っぽくてかっこいいよな!」と思って実践してみたのですが、数カ月単位でも普通に飽きがきますし、デメリットも受け入れてやり通すのは大変でした。
そう思うと、僕が「LoL」や「オーバーウォッチ」でこれまでに出会ってきたOTPを貫きながら高レート帯まで到達している猛者たちは、本当にすごいメンタルと技術の持ち主だったんでしょう。頭があがりません。
OTPに対しては「もっと柔軟にプレイしてくれよ!」と感じた経験のある人も多いはずですし、実際それはごもっとも。なので「皆もOTPになろうぜ!」とはさすがに申しません。しかし、キャラが多いゲームではひとつのキャラに専念することが「初心者が上達するための方法」のひとつに挙げられることもあり、ゲームへのアプローチの仕方のひとつではあるのです。
思えば、自分は大変有難いことに、GAMEクロスにて本当にたくさんのタイトルに携わらせていただきました。そんなOTPとは真逆な活動だからこそ、ゲームの中ではOTPに憧れる……のかもしれません。今後も色んなゲームに関わることは止めないと思いますが、色んな角度から「あまり野良でも迷惑にならないOTP」を目指してみたいと思います。
皆さんも素敵なOTPに出会った時は、その人の情熱と茨の道を歩んできた背景を察して、リスペクトの心で接してもらえると嬉しいです!
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