私がFF14にハマったのは、22歳のとき。上京して一人暮らしをはじめ、FF14の世界によりハマっていった。経緯は以前のコラムにて。「ラムウ」のことをFF14のモーグリーたちが「らむうちゃま」と呼ぶことから、飼い猫を「むうちゃま」と名付けるくらいまでになった。

FF14では昨年12月7日に拡張パッケージ「暁月のフィナーレ」が実装。今年1月4日にはパッチ6.05としてレイドダンジョン「万魔殿パンデモニウム零式:辺獄編」も実装され、FF14プレイヤー「光の戦士」にとってアツい期間が続いている。

零式のPT募集の種類

「零式」とは8人のパーティー(PT)で敵に挑むバトルコンテンツだ。高難易度の、いわゆるエンドコンテンツである。PT全員が自分の役割をしっかりこなさなければならず、誰か1人がミスをするとクリアが難しくなるようなコンテンツである。

そこで「零式」をクリアするために、PT募集をする光の戦士が多い。PT募集にもいろいろな条件があるが、今回は大まかに3つに分類して述べていきたい。

パーティ募集の画面

まずは「見学PT」。これは「せっかく零式が実装されたし、見学でもいっとく?」くらいの軽い気持ちで募集しているPTで、「まだこのコンテンツよくわかってないけど……」という理解度でも参加可能な募集である。「予習なしでOK」などと書かれている場合も多い。

というのも、次の段階に「練習PT(予習あり)」があるのだ。これは攻略動画が各所にアップされ始めた時期によく見る募集文言で、攻略方法を予習して、ある程度自分の役割を理解してから参加するPTである。

だた、予習をしていても難しい場面はある。そこを何度も挑戦して失敗しながら覚えていく。そのための「練習PT」だと私は捉えている。

そしてもちろん、「クリ目PT(クリア目的のPT)」もある。しっかりと練習はした。あとはクリアするだけ! 自分の動きを把握して役割をこなせるようになった人が入るようなPTである。

ここにはたまに「時間切れ見た人」「時間切れ経験者」などと書かれている場合がある。これは文字通り、攻略最後のフェーズまでいく実力はあるが、惜しくも時間切れとなった人だけを対象とした募集である。

PT募集の「ギスギス」って?

「見学PT」「練習PT」「クリ目PT」とPTの種類をざっくり分けたが、より細かな募集文言がいくつも存在する。その中でも私が一番驚いたのが「ギスギス」という項目。

ギスギス。この言葉をWeblio辞書で引くと……。

「円滑さがなく、硬い、または堅苦しいさまなどを意味する表現。人間関係が親密でなくコミュニケーションが円滑に取れないさまなどを表す」

良いことなんて全くもって書かれていない。

じゃあ「ギスギス」なんてない方がいいに決まっているじゃないか! そう思い、私も零式に挑戦し始めたころは、「ギスギス×」のPT募集にばっかり入っていた。「ギスギス×」PTは、辞書で引いたようなことが起きそうな発言は控える。仲良くゲームすることが第一! そんなPTである。

ただ、いろんな零式を攻略していきプレイ時間を重ねていくと、FF14での「ギスギス」のニュアンスが辞書と少し違っていることがわかってきた。

あくまで私の感覚だが、FF14での「ギスギス」は「しっかりとPT内で意見を言い合って、その結果もしかしたら悪い空気になっちゃうかもしれないけど、間違っていることは指摘してクリアを目指そう!」というニュアンスだと思う。

では「ギスギス×」PTは意見を言ったりしないのか、というとそうではない。クリアを目指して、零式コンテンツに挑戦しているプレイヤーがほとんどだ。いろんな声かけをしながら協力してチャレンジしている。

しかし私はあえて「ギスギス〇」と書いてあるPT募集に参加するようになっていった(最近ではあまり見かけなくなったが)。

なぜか。

「仲良し<攻略」という独特の雰囲気がある「ギスギス〇」PT。自分にあえてプレッシャーをかけて、ゲームをするのが心地いいと感じ始めたのだ。

涙の東京ゲームショウ

というのも、私は「東京ゲームショウ」で毎年プレッシャーのかかる試合をしているのだ。「東京ゲームショウ2018」スクウェア・エニックスブースに出展されたFF14の「極リオレウス狩猟戦」で、プレッシャーを乗り越えたことは今も鮮明に記憶に残っている。

極リオレウス討伐戦は「モンスターハンター:ワールド」とのコラボコンテンツで、イベントで勝利した人には限定のTシャツがプレゼントされた。私はFF14のTシャツを求め、東京ゲームショウがオフラインで開催されていた頃は毎年始発で向かっていた。それでもなかなか参加権はゲットできず、2018年も例年のごとくキャンセル待ちをしていると……。

東京ゲームショウ2018当日の写真

「上級者のお客様に向けてお知らせです。『極リオレウス』のキャンセルが出ましたので、急遽募集します!」とスタッフさんからのアナウンスが。

待ちに待ったキャンセル待ち。2018年のTシャツチャレンジは、東京ゲームショウFF14ブース史上最高の難易度ではないか……と言われていた。だからこその「上級者のお客様」というアナウンス。でも、このプレッシャーに負けるわけにはいかない。果敢に挑んでいった白魔道士の私。

極リオレウスに挑む三浦優奈さん

いざ本番。その一戦のために練習してきたからこそ、プレッシャーも半端じゃない。しかもバトル内容はモニターに映し出され多数の光の戦士たちに見守られている。スタッフさんの「上級者」の言葉もさらにプレッシャーをかけてくる。心臓があんなにもうるさかったのは後にも先にもこの瞬間だけ。

自分の足を思いっきり踏むアナログなやり方で、無理やりにでも自分を落ち着かせた。コントローラーを手汗でぐちゃぐちゃにした後、涙で顔がぐちゃぐちゃになりながら勝利を喜んだことを今でも鮮明に覚えている。

勝利した瞬間、一緒にプレイしていた光の戦士たちとのハイタッチ。さっきまで知らない人たちだったとは思えない団結力。一緒に喜んでいる光景。私がゲームの力を一番強く感じたのはこの瞬間だ。

「極リオレウス狩猟戦」が始まる前、PTメンバーとの作戦会議

また、モニターを見ている光の戦士たちの言葉も鮮明に覚えている。「あの白やるな」「ナイスヒール」というほめ言葉。同じゲーマー、同じ光の戦士に褒められることはこんなにも嬉しいのか。緊張感のある試合の中で周りの言葉が聞こえていた自分にも驚きだが(笑)。

振り返ると、「極リオレウス狩猟戦」は零式に比べたら全然難しいコンテンツではない。だがプレッシャーを乗り越えた先の勝利の気持ちよさは格別だ。もしかしたらそこから、適度なプレッシャーが癖になったのかもしれない。

そんな私だからこそ「ギスギス〇」というPTが合っているのかもしれないが、決してプレイヤー全員に「ギスギス〇」を勧めているわけではない。

自分に合うレベルで、自分に合うPTで、自分が楽しいと思える環境を見つけてほしい。無理な背伸びはしてほしくない。そこで「つまらない!」と思ってほしくないから。

ゲームであんな体験ができたのは、本当に貴重だったと思う。

こう綴っていくうちに自分でも気付いたことがある。私は「プレッシャーのかかるゲームが好き」だが、「プレッシャーには人一倍弱い」ということ。東京ゲームショウでプレッシャーに押しつぶされそうになりながら戦ったからこそ、涙が出たのだと思う。ただ、泣いていたのは私一人だけ……(笑)。

TシャツGETの興奮が醒めない中、涙目で写真撮影

人一倍プレッシャーを感じ、人一倍プレッシャーに弱いからこそ、プレッシャーを乗り越えて勝てた時、人一倍達成感を味わうことができたのだろう。

ゲームって、自分の知らなかった一面を教えてくれるし、急に人との距離感を縮めてくれるし、本当にまだ私の知らない面がたくさんある不思議なコンテンツだ。だからこそ私は、そんなゲームに魅了されてしまったゲーマーであり続けるのだろう。

東京ゲームショウFF14ブースでのTシャツコレクション

****

GAMEクロスさんでのコラムは、今回が最後になります。

私は「ただのゲーム好き」です。ゲームのプロ選手でもなければ、ゲーム開発者でもない。ただただゲームが好き。そんな私にコラムというチャレンジする場をくださったGAMEクロスさんに改めて感謝申し上げます。

文章にすることで気付くこともたくさんあり、貴重な体験をさせていただきました。そして、そんなゲーム好きの情熱だけで書き綴ったコラムを読んでくださった読者の皆様には感謝してもしきれません。

私は自分の担当しているラジオ番組で「ゲームをポジティブに」をモットーに喋っています。これからもその気持ちは変わりませんし、発信し続けてまいります。

これからも三浦優奈をよろしくお願いします!

【著者紹介】三浦優奈

みうら・ゆうな ラジオパーソナリティー/リポーター。ファイナルファンタジーXIVから本格的にゲーミング機器を集め出し、東京・名古屋の二重生活では3キロのゲーミングノートPCを持ち歩く。「ゲームをポジティブなイメージに」をモットーに、担当するラジオ番組では、ゲーム・アニメなどのサブカルチャーからeスポーツシーンについて取り上げている。スプラトゥーン2、クラッシュ・ロワイヤル、DbDなどもプレイ。最近ではApex Legendsにも参戦している。

■現在のレギュラー番組
日本テレビ「ZIP!」特集リポーター
中京テレビ「PUSH!」
CBCラジオ「ドラ魂キング(水)」
CBCラジオ「ゆるよる(火)」
FM AICHI「BUZZ STATION」
渋谷のラジオ(87.6MHz)「渋谷のラジオの惑星」(担当:水曜21:00〜21:50)
GAMEクロスの倉田健志・共同編集長とのコラボ放送「渋谷のeスポーツ改」を月1回放送中。
■アカウント
Twitter:@miurayuna
Instagram:@yuna_miura
LINEBLOG:三浦優奈オフィシャルブログ