ソニーグループが開発した人工知能(AI)が、家庭用ゲーム機プレイステーション4(PS4)の自動車ゲーム「グランツーリスモSPORT(GTS)」で、世界トップ級の日本人選手4人とレースし、勝利したとする論文が、10日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表された。複数の車を相手に、接触を避けながら追い抜くという難しい操縦で、公道での自動運転に応用できる可能性がある。

 GTSは、世界中のプレーヤーがネット対戦する「eスポーツ」でも人気の自動車ゲーム。実在する車がリアルに再現され、美しい映像と本物さながらの運転が体験できる。国際自動車連盟(FIA)の公認大会にも採用されている。

 ソニーグループの子会社ソニーAIが開発したAI「GTソフィー」は、10~20台のPS4を操作。大量のデータで経験を積む深層強化学習という手法で、効率のいいアクセルやブレーキ、相手に進路をふさがれた時の対応などを学んだ。

 その後、2021年に都内で開かれたレースで、世界大会優勝経験者ら4人の日本人プレーヤーと対戦。世界3大レースの一つ「ルマン24時間レース」が戦われるフランスの「サルト・サーキット」(1周13・629キロ)など3コースで、時速300キロ超という架空のレーシングカー「レッドブル X2019 Competition」などを使って人間とAIが4台ずつ参加するレースを行い、いずれもAIが勝利したという。(小堀龍之)=朝日新聞デジタル掲載2022.02.10

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