対戦格闘ゲーム「ストリートファイターV チャンピオンエディション」の国内プロリーグ「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021」。国内最高峰のプレイヤーたちが4人1組のチームを組む大会です。

リーグの本節には8チームが参加。1月28日に行われたグランドファイナルには、リーグ本節とプレイオフを勝ち抜いた上位3チームが進出しました。

グランドファイナルに進出した3チーム

グランドファイナルでは、まずプレイオフを勝ち抜いた「Mildom Beast」と「v6プラス FAV Rohto Z!」が準決勝で戦い、その勝者がリーグ本節を1位通過した「Good 8 Squad」の待つ決勝へと駒を進めます。

また、リーグ本節とプレイオフは共にオンライン開催でしたが、グランドファイナルはオフライン環境で行われる点も注目です。同じ会場に集まった選手たちのチーム内でのコミュニケーションや試合後の表情なども、今大会の見どころのひとつです。

因縁のウメハラ対ときど、白熱の3連戦!

準決勝で相まみえたのは、ウメハラ選手率いる「Mildom Beast」と、sako選手率いる「v6プラス FAV Rohto Z!」です。

「Mildom Beast」はウメハラ選手とふ~ど選手のベテラン2名が安定した勝率でチームを支え、YHC-餅選手、もると選手のキャラ職人2名が良いアクセントとなってここまで勝ち抜いてきたチームです。最終順位3位で本節を通過後、プレイオフを見事1位で終えており、かなりの仕上がりを見せています。

左からウメハラ選手、ふ~ど選手、YHC-餅選手、もると選手

対する「v6プラス FAV Rohto Z!」はリーグ開始前から優勝候補筆頭と目されていたチーム。長きにわたって国際大会で結果を残し続けるsako選手、ときど選手、ボンちゃん選手に、若手の中でも特に有望視されているりゅうせい選手が加わった今大会屈指のドリームチームです。

左からSako選手、りゅうせい選手、ときど選手、ボンちゃん選手

この2チームの戦いで特に注目されたのが、ウメハラ選手vsときど選手のカードです。長年日本の格闘ゲームのトップを走り続け、過去に「獣道」で長期戦を戦った経験もある両名。互いに互いを知り尽くした2人の戦いは、毎度どちらが勝つか分かりません。

そんな両者がまず衝突したのは2巡目の大将戦でした。この時点でチームの点差は2-4で「v6プラス FAV Rohto Z!」がリードしており、ウメハラ選手はチームの巻き返しのためにもなんとしてでも勝ちたい一戦です。

試合が始まると、ウメハラ選手のガイルがソニックブームを使って画面をコントロールし、ときど選手のユリアンが歩きガードでそれに対応する展開となります。ときど選手の歩きガードは非常に精度が高く、ウメハラ選手が画面端に追い詰められる場面も多くありましたが、ウメハラ選手は位置を入れ替えるめくりジャンプやダッシュで上手く画面端を切り抜けているのが印象的でした。

対峙するウメハラ選手(奥)とときど選手(手前)

またウメハラ選手は後半の守りも非常に固く、エイジスリフレクターの連携で一気に逆転されるような展開もあまりありませんでした。対するときど選手はコンボ選択でミスをしてしまう場面などもあり、その動きから緊張が伝わってきました。堅実な立ち回りが功を奏し、この試合はウメハラ選手に軍配が上がります。

しかしこの2人の対戦はここでは終わりません。続く第3巡の大将戦も、ウメハラvsときどの再戦になります。この時点での点差は6-4で「Mildom Beast」がリードしており、この試合に勝てば勝ち点7に到達しチームが勝利となる状況です。反対にときど選手からすれば、チームのためにも絶対に負けられない一戦です。

この試合でもウメハラ選手は積極的にソニックブームを撃って試合の流れをコントロールしようとしますが、先ほどの試合で弾撃ちのペースを掴んだか、今回はときど選手のジャンプ攻撃やバイオレンスニードロップがうまく噛み合う場面が多くみられました。結果として、ときど選手が先ほどのリベンジを果たし見事勝利、チーム点差は6-6となり勝敗は4巡目の先鋒戦に託されました。

スタンするウメハラガイル(左)とときどユリアン(右)

そして運命の先鋒戦、対戦カードはまたもやウメハラ選手vsときど選手になります。準決勝で同じカードが3回も組まれるという異例の事態に、会場と配信も大いに盛り上がりました。

先ほどの試合でときど選手が上手くジャンプを通していたためか、この試合でウメハラ選手は思うように飛び道具を撃てていませんでした。そんな中ときど選手の歩きガードと通常技の当て勘が光り、試合はときど選手のペースで進んでいきました。

ウメハラ選手も要所で歩きやダッシュを通そうとしますが、ときど選手はこれらに対する反応も速く、ウメハラ選手は大きなダメージを奪えません。こういった駆け引きは、オフライン対戦ならではといえるでしょう。

そして最後にはときど選手が画面端での猛攻を見せます。チャリオットタックルで画面端に追い詰めてから投げを2回通し、そして次の起き上がりで遅らせ打撃を使ってウメハラ選手をスタンさせ、クリティカルアーツを絡めたコンボで一気に体力を奪いました。

クリティカルアーツを決めるときどユリアン

この試合をときど選手が制したことによって、準決勝は「v6プラス FAV Rohto Z!」の勝利となり、「Good 8 Squad」の待つ決勝へと駒を進めました。

◆グランドファイナル 準決勝の結果:https://sf.esports.capcom.com/schedule/sfl2021/semifinal/

決勝戦、「v6プラス FAV Rohto Z!」が大逆転劇を見せた!

「v6プラス FAV Rohto Z!」を決勝で待ち構えていたのは「Good 8 Squad」、リーグ本節を圧倒的なバランス感覚で1位通過した若手揃いのチームです。カプコンカップ優勝経験のあるリーダーのガチくん選手を筆頭に、カワノ選手、ぷげら選手、キチパ選手と優秀な若手選手が揃い、本節では全員が安定した勝率を保持していました。

左から、ガチくん選手、カワノ選手、ぷげら選手、キチパ選手

試合が始まるとやはり「Good 8 Squad」の面々は強く、一方的な展開で次々と「v6プラス FAV Rohto Z!」の選手を下していきます。2巡目が終了した時点で、なんと両チームの点差は6-2と大差。「v6プラス FAV Rohto Z!」は勝つためには5連勝しなければいけない、崖っぷちの状態に追い込まれてしまいます。

しかしそんな状況においても「v6プラス FAV Rohto Z!」の選手たちは全く諦めません。3巡目先鋒戦ではバルログをピックしてきたカワノ選手に対し、ボンちゃん選手が冷静な立ち回りでこれを制します。続く中堅戦はぷげら選手vsりゅうせい選手の対戦になりますが、ここでもりゅうせい選手が持ち前の攻めの姿勢を生かして勝利します。

スサキさん提供、再利用時は要確認
ぷげら選手(左)とりゅうせい選手(右)

「v6プラス FAV Rohto Z!」はひとつでも負ければ敗退というプレッシャーの中、チームのボイスチャットで互いに励まし合い、着々と点差を縮めていきます。そして迎えた3巡目の大将戦、対戦カードはガチくん選手vsときど選手となります。

この時点での点差は6-4、「Good 8 Squad」は依然として勝利目前ですが、この試合を「v6プラス FAV Rohto Z!」が勝てば、両者のポイントは同点となる、非常に重要な試合です。ときど選手のユリアンに対し、ガチくん選手は長年使い続けるラシードをピック。両チームの選手たちは固唾を飲んで試合の行方を見守ります。

試合がはじまると、ガチくん選手はラシードの機動力を生かし、緩急のある攻めを展開します。地上戦に多く意識を割いているときど選手に対し、空中からの攻めは非常に有効に機能しており、ときど選手は対空をあまり出せていない様子でした。また地上戦でもラシードのしゃがみ大パンチのヒット率が非常に高く、ガチくん選手の当て勘の良さが発揮されていました。

ガチくん選手に2ゲーム先取され後がなくなったときど選手でしたが、ここから反撃の狼煙を上げます。近距離戦で果敢に投げの駆け引きを仕掛けていき、ゼロ距離でリスクのあるしゃがみ大パンチを撃つなど強気の行動も通していき、なんとかペースを奪い返します。

お互いがマッチポイントで迎えた第5ゲーム、緊迫した雰囲気の中、ときど選手は勢いのある攻めで少しづつガチくん選手を追い込みます。そして最後には画面中央で投げを2回通し、起き攻めのクォーラルパンチが持続ヒットとなって、見事ときど選手が勝利します。

この試合によって両チームの点差は6-6の同点になり、勝敗の行方はまたもや4巡目の先鋒戦に託されました。

スサキさん提供、再利用時は要確認
ときど選手(右上)の表情に注目

最終決戦はガチくんVSときど!

全てを決する先鋒戦は、両チームの選出の結果なんとガチくん選手vsときど選手の再戦になりました。優勝をかけた大一番に、見守る選手たちの表情も緊張に強張ります。

トロフィー越しのガチくん選手(左)とときど選手(右)

ガチくん選手は依然として序盤に地上や空中から果敢に攻めて体力リードを奪い、後半は堅牢な立ち回りで守り切るという戦法でときど選手に迫ります。ときど選手も地上の技には垂直ジャンプ、相手のジャンプには空対空と対応しますが、第1ゲームはガチくん選手に軍配が上がります。

後がなくなったときど選手でしたが、続く第2ゲームではガチくん選手の攻めを上手く捌き、徐々に試合展開を有利に持っていきます。途中にはガチくん選手の無敵技暴れを読んでガードしているシーンもあり、緊迫した状況の中、徐々にときど選手がペースを掴んでいる印象がありました。

スサキさん提供、再利用時は要確認
ときど選手の冷静なガード

そして迎えた最終ゲーム、これまでのジリジリした展開から変わり、ときど選手が一気に勝負を決めようかとでもいうように、ガチくん選手にプレッシャーをかけます。画面端に追い込むと投げと打撃でどんどんダメージを奪い、ガチくん選手を追い詰めます。

大きな体力リードを奪ったときど選手に対して、ガチくん選手はなんとか画面端を逃れますが、ときど選手は攻撃の手を緩めません。ガチくん選手が跳び上がったところにジャンプ中パンチで空対空を決め、落下先にあらかじめ設置してあったエイジスリフレクターがコンボになり、これが決まり手となってときど選手が勝利しました。

◆グランドファイナル 決勝の結果:https://sf.esports.capcom.com/schedule/sfl2021/final/

勝ったのはときど選手
うなだれるガチくん選手(奥)とときど選手(手前)

優勝後、感想を求められたときど選手は涙を浮かべながら「チームメイトが最後の試合を自分に託してくれて、またそれを自分が勝つことができて本当によかった。今日は素晴らしい一日でした」と語りました。

涙ながらに感想を語るときど選手

約4カ月間にわたって開催され、数多くの名場面を残した「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021」は「v6プラス FAV Rohto Z!」の優勝で幕を閉じました。大会の様子は、2月5日午後6時からYouTubeTwitchMildomのCapcom Fighters JP公式チャンネルで無料配信されます。

ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2021 グランドファイナル

大会の最後には来シーズンの開催も予告されました。興味を持った方はぜひ来シーズンのリーグも観戦してみてください。