おれは今、KONAMIの音楽ゲーム「pop’n music」ばかりプレイしているけど、学生の頃は「beatmania IIDX」「jubeat」「REFLEC BEAT」「GUITARFREAKS」などなど、さまざまな音ゲー魅入られてプレイしていた。数々のタイトルをハシゴしているうちに、アーケード音楽ゲーム「BEMANI」シリーズのファンになっていた。そうなると周りに布教したくなる。

ことあるごとに音ゲー未経験者や他社音ゲー好きの友人にBEMANIシリーズを布教をしてきたが、その結果はあまり芳しくなかった。

BEMANIシリーズをプレイしない理由で印象に残った意見は「知っている曲が少なくて選曲しづらい」だった。

うーん、たしかになあ。音楽とゲームのどちらも楽しめないと「音楽ゲーム」の魅力は感じづらい。たとえ「ゲーム」部分に興味を持ってくれたとしても、知っている「音楽」がほとんどなければプレイする意欲が湧いてこないだろう。

JPOPやボカロ系、東方アレンジ系などの版権楽曲も多数収録されているが、自社オリジナル楽曲が売りのBEMANIシリーズは、他社の音ゲーと比べて版権楽曲は少なめ(というよりもセガの音ゲーは版権楽曲がめちゃ多い)。

ましてや慣れないアーケードゲームだ。膨大な楽曲数の中から知っている楽曲を探すだけで一苦労。そうこうしているうちにタイムアップが迫ってきて、知らない楽曲の自分には不釣り合いな難易度でスタートしてしまい、あれよあれよという間にSTAGE FAILED……。そんな苦い経験をした人は少なくないだろう。

経験者は「そういう偶然の出会いが楽曲を知るキッカケに~」とフォローしてくれるだろうけど、音ゲーをはじめるなら収録楽曲を知っているに越したことはない。

そんなハードル高めなBEMANIシリーズの入門にぴったりな楽曲、もとい作品が「ひなビタ♪」にございます……。

ひなビタ♪がBEMANIシリーズ入門に向いている理由

ひなビタ♪は、BEMANIシリーズでサウンドディレクターを歴任していたコンポーザー、TOMOSUKE氏が監修するメディアミックス企画作品だ。

ストーリーを要約すると、「ひなびた地元の商店街をバンドで盛り上げて町おこしをしよう!」と立ち上がった5人の少女が、紆余曲折を経ながら個性豊かな楽曲で街を元気にしていく……というもの。

メディアミックスというだけあって、BEMANIシリーズへの楽曲提供にとどまらない。楽曲制作に至るまでのキッカケをキャラクターがFacebookで投稿したり、楽曲のバックボーンを説明してくれるラジオ動画をYouTubeで配信、さらにはグッズ販売など、さまざまな媒体でコンテンツが展開されている。

ひなビタ♪放送局 第一回

近年ではひなビタ♪の舞台のモデルになった鳥取県倉吉市とのコラボが盛んで、いわゆる聖地巡礼の地としてすっかり地元に根付いている。最終的なメディアミックス先が日本の都市なの、カッコよくないですか?

そんなひなビタ♪がなぜBEMANIシリーズの入門にぴったりなのか。要因は3つあると考えています。

推せるキャラや曲が見つけやすい

ひなビタ♪のキャラはそれぞれ「好きな音楽ジャンル」がある。もはや「音楽ジャンルの擬人化」と言ってもいいくらい、雰囲気や印象と好きな音楽ジャンルが密接に関係している。

音楽ジャンルはポップやアニソン、ロックに加えメタルに電波ソングなどと幅広く、自分の好みに合う曲を見つけやすい。楽曲を聞くだけで「この女の子はこんな雰囲気なんだな」となんとなく知ることができる作りになっている。

それだけでも十分に楽しめるんだけど、もっと深く知りたくなったら、情報がまとまった公式サイト、前述したFacebookの投稿、YouTubeのラジオ動画で制作風景や経緯を見ることで、きっともう「本当にこの子たちは存在するのでは?」と錯覚することになるでしょう。

最終的には鳥取県倉吉市への聖地巡礼をすれば……いや、すみません、これ以上はスペースが足りないのでやめておきます。引かないで。

聖地である倉吉の白壁土蔵群周辺にはこんな感じの等身大パネルが至るところに配置されている。かなり枚数があるのでスタンプラリーがめちゃ楽しい。芽兎めうははんこ屋の娘だしね
作中で幾度となく登場する「ちくわパフェ」は、春日咲子さんの実家のモデルになった喫茶店で実際に食べられるのだ。鳥取県の郷土料理「とうふちくわ」が使われていて、ちょっとした塩気がパフェに意外と合ってビビる(これら2枚は2019年撮影)

ほぼすべてのBEMANIシリーズに収録されている

BEMANIシリーズはギターやドラム、ピアノにDJと、楽器を模したデザインの筐体を使ってプレイすることが多い。収録楽曲も、主役となる楽器が演奏するのに適したものが制作される。そのため、複数のBEMANIシリーズにまたがって同じ曲が収録されていることはまれだ。

「どこかでふと聞いたあのBEMANI楽曲、自分のやりたいゲームに入っていない!」となることは往々にして起こる。

その点、ひなビタ♪楽曲は“ほぼ”すべてのBEMANIシリーズでプレイできる(プレイ可能なBEMANIシリーズと楽曲の一覧はこちら)。どのBEMANIシリーズが好きになっても、聞き慣れたひなビタ♪楽曲が迎えてくれる。

しかし……「DANCERUSH STARDOM」とbeatmania IIDXを遊びたいと考えてる方、すみません。その2タイトルだけは、ひなビタ♪楽曲が収録されていません。

DANCERUSH STARDOMはBEMANIシリーズの中でも比較的新しいタイトルなので、これから収録される可能性もあるんですが、IIDXプレイヤーは……IMPLANTATIONをプレイして耐えてください。

音楽ストリーミングサービスで気軽に聞ける

BEMANIシリーズの楽曲は、基本的にサウンドトラックのCDかデジタル配信版でしか聞けず、記事執筆時点では音楽ストリーミングサービスで配信されていない。

2019年から配信している「beatmania IIDX ULTIMATE MOBILE」……言うなれば「スマートフォン版beatmania IIDX」内の楽曲再生機能「MUSIC PLAYER」であれば、BEMANIシリーズ楽曲を聞ける。しかし全曲再生できる特典は月額980円のコースにしか入ってないんで、流石に音ゲー布教に用いるにはハードルが高い……。

一方、ひなビタ♪はApple MusicやSpotify、YouTube Music、LINE MUSICなどの音楽ストリーミングサービスのラインナップに入っている。格段に聞きやすい! これくらい聞きやすいと、「なにか最近おすすめの曲ない?」といった日常会話の中すら、自然な仕草で音ゲーを忍ばせられる。

おれならそういうとき「日向美ビタースイーツ♪ BEST」というベストアルバムを選ぶ。BESTを冠しているだけあって主要楽曲は網羅されており、作品初期・後期の成長具合も楽しめます。今すぐ聞いてほしい。

ひなビタ♪だけでもかなりの曲数があるんだけど、実はライバルキャラの双子アイドルユニット「ここなつ」や、姉妹コンテンツの「バンめし♪」の楽曲も絶賛配信中で………いや、すみません、これ以上はスペースが足りないのでやめておきます。

BEMANIを布教してるんだかひなビタ♪を布教してるんだかわからなくなっちゃったけど、とにかく楽曲を聞いてみて! そして気に入ったらお好みの音ゲーでプレイしてみてください。

もし、あなたがBEMANIにもひなビタ♪にもドハマリして、「日向美ビタースイーツ♪ BEST」のラストトラック「メンバー紹介っ!」で、震えるくらいエモくなれるような逸材に育ってくれたとしたら、この上ない喜びです。絶対呑みにいきましょうね。