こんにちは、漫画や文字を書き、自らの魂を救済しています。ナクヤムパンリエッタです。名前が長く覚えにくいですが、特に意味はないので覚えないでも大丈夫です。

突然ですが、まだ外には出づらい今日このごろ……皆さんは何をして過ごしていますか? 戸惑いのまま、部屋で1人この時間達を持て余している方も多いのではないでしょうか。かく言う自分もそのひとりで、狭い部屋で1人何をするでもなく、なんのやる気も出ないままボーッと布団にくるまる日々を送っていました。

そんな自分が出会った楽しみ……それがeスポーツ観戦だったのです。

昔からゲームは大好きだった

元々根っからのインドア人間だったため、本当に運動が苦手でした。

マラソン大会は毎年必ず仮病で欠席し、バドミントンの補習では「とりあえず10回ラリーが続けば進級」とハードルが低い条件を出される始末。エイムアシスト付きでなんとか進級することができました。

祖母は野球が大好きだったのですが、テレビに向かって血管が千切れないか心配になる程叫ぶ祖母を見て、「す、スポーツって怖い…」と怯えたものです。その後もスポーツは苦手なままだったので、「面白そうだけど、スポーツと観戦の良さだけはわからないままだろう……」と半ば諦めていたのでした。

そんな自分は昔からゲームが大好き!

アクション系が得意ではなく、ADVやストーリー重視のものを一人で楽しんでいたのですが、コロナ渦で触るゲームの幅も増え、対人ゲームをいくつかプレイするようになりました。その一環で、プレイ動画などもちらほら観るようになり……実際にプレイするまでは観てもよくわからなかったのですが、知ってる状態で観る上手な人のプレイ動画ってすごいんですよね。

「なんでそれが当たる!?」「後ろに目がついてるのかな」「もう脳波でコントローラー操ってるだろ……」

ルールがわかっていると、細かい読み合いやなんとなく出る技術の練度、そして単純な「映え」もあって、めちゃくちゃ面白い! もちろん自分のプレイの参考になることも多く、気がつくと作業中などもほとんどゲームの動画を流すようになっていました。

たまたま大会を観戦

そんなある日、たまたまやっていた大会の生放送が目に留まりました。

「おっ、このゲームって大会やってるんだ。ルールはあんまり知らんけど、プレイのきっかけになるかもしれないし観てみようかな」

大会をやっていたゲームの名前は「VALORANT」。

当時はゲームリリースから少し時間が経ったくらい。自分も少し触ってみたものの、「コントローラー(パッド)でできないし、すぐ死んで難しいし、よくわからん!」とすぐにプレイを諦めたタイトルでした。

簡単に説明すると、このゲームは5対5で、攻撃側と守備側に分かれて戦います。攻撃側は「守備側の陣地に入り爆弾を設置し、爆発させればラウンド取得」。対する守備側は「死なずに陣地を守りきるか、設置された爆弾を解除すればラウンド取得」というのがVALORANTの大まかなルールです。

大会もしっかり実況・解説を据えてあり、これならちょっと対人ゲーをかじった今ならわかるかもしれない……と配信を観始めたのでした。

なんで????????????????

たとえば皆さんが射撃名人だとして、1対3の状況だとします。

もちろん名人なので、前からきた1人を完璧に倒すことができました! しかし同時に、もうひとりの敵が後ろから襲ってくる。そうすると、もう死ぬしかなくないですか………?

なぜかというと、銃を持っている腕は一本しかないので、同時に攻撃されてもこちらは一人ずつしか対応できず、もう一人の相手に確実にキルされてしまうから……。

でも、とんでもないエイム力と読み合い、状況判断、反応、そして人的エラー……様々な要因により、この「本番」の場ではそれが覆されることがある。

しかも観戦視点だと、どちらの陣営の動きもわかる、いわゆる「神の視点」で観ることになるので、「そ、そっちにいったら危ない!!!」みたいなのが手に取るようにわかり、それもまた白熱するんですよね。

eスポーツ観戦、スポーツ観戦じゃん……!

注:いろんな試合の印象的なシーンを集めており、丸々この通りの試合があった訳ではありません。でも、毎試合本当に「こんな感じ」だから……

その後も試合は続き、トンデモ人間大集合みたいな高度なプレイの応酬は続きます。

このゲームにはアビリティ(フラッシュで目眩しをしたり、敵がこっちを見れる斜線を遮ったり。キャラクターによって使えるアビリティが違う)があり、使い方によっては戦況を大きく変えることができるのです。

とんでもないアビリティの使い方に思わず画面の前ではオタクスマイルが飛び出します。他にも、フェイクを入れたり、駆け引きがあったり、もちろん人がプレイしているのでミスがあったりもして……。

リアルタイムの出来事なので、こちらも手に汗握り見守ってしまう。

そこ顔出したらヤバい! 相手角待ちショットガンだって!!
えっ!? なんでそれ生き残ったの?
とんでもないプレイだ……。
このラウンド取られたらすごい不利になるのに武器がメチャクチャ弱い! でもなんか勝った!!!(なんで?)
一進一退で延長戦じゃん!!
とんでもなさすぎる!!
この試合……どうなっちゃうんだ……!?
一体……どっちが勝つんだ……!?
あれ?
これ……。
eスポーツ観戦って……。

”””スポーツ観戦”””じゃん……!!!!!!!

頭痛が痛いみたいになっちゃっていますが、もう本当に稲妻みたいに、この言葉が俺の脳髄から脊髄をブチ抜いて、それはもう驚いてしまいました。「eスポーツ」って言葉をなんとなく使っていたけど、本当にスポーツじゃん! 俺、いま、憧れのスポーツ観戦をしているんだ……!

目の前で繰り広げられるのは、選手たちの「リアル」そのもの。

今までの練習、研究、読み合い……そういうものが積み重なって、リアルタイムで出力される結果、それを固唾をのんで見守る体験。絶対につく勝ち負けに、人生がかかっている。

緊迫した局面で自分のことのように緊張したり、理解できない技術に驚いたり……。

リアルタイムの「リアル」は、その時間を共有する視聴者に直接響き渡るのです。それは想像以上の臨場感と楽しみで、あっという間にシーンにのめり込むことになりました。

しかもこれ、すごいことなんですけど、意外と初心者でもなんとなくわかるんですよね。もちろん、わからないこともいっぱいあります。細かい駆け引きの内容だったり、とても高度なことをやっているはずの、「高度さ加減」がわからなかったり。

しかし、「今重要な局面で、1vs1だから勝った方が有利になる!」とか、「すごい反応速度でヒーローみたいなプレイをした!」とか以外とわかりやすいシーンが多くって、全部を把握していなくても全然楽しめる。

そんな中で、好きなチームや選手ができればその人を応援したり、大会がある日は用事を早く切り上げて観戦に備えたり……。

それはまさに、自分の知らなかった「スポーツとスポーツファンとの関係」であり、新しく増えた人生の充実そのもの。やがてeスポーツ観戦は、コロナ禍の自分の大きな心の支えになり、たのしみの大部分を占め、そして自分はいつの祖母のように、クソでかい叫び声をあげる獣になったのでした。

ちなみに、大会からゲームに興味を持って少しやってみようと思ったらいつの間にかこんなことになっていた。でも楽しいからオッケーです。無理のある課金には気をつけよう!

※完全無料のゲームで、スキンなどを買わないかぎり一切お金はかかりません。でも金をかけると銃がクソでっけえドラゴンになって火を吹いたりする。じゃあ課金するしかなくないか? もちろん武器の性能は一切変わりません……。

(文 ナクヤムパンリエッタ/構成 ノオト)

【著者】ナクヤムパンリエッタ

漫画や文字を描き、自らの魂の救済をしている。ゲームが好きだがあまり上手くはない。もっぱらADVや奇ゲーを漁る学生時代だったが、ここ数年で対人ゲーの面白さを知ってしまった。ついに140hzのモニターを買い、「あ〜やっぱヌルヌルで全然違うわ! 60fpsにはもう絶対戻れないな〜!」とことあるごとに発言していたが、半年後にグラボの設定を変えておらず60fpsでプレイしていたことが判明した。