「Apex Legends(以下、Apex)」の競技シーンで、「GTS Black」として数々の大会で好成績を収めてきたのが、Cabbagest選手(@Cabbagest_)、AvadoN選手(@avadonfps)、Brasidian選手(@redkickbrasil)です。3選手は10月から新たに発足したプロチームMeteor(ミーティア=@Meteor_OA)として、プロリーグであるApex Legends Global Series(ALGS)のAPAC North(北アジア太平洋)地域に参加しています。強豪チームの新たな船出までの波乱の数カ月間と、それでも揺るがないチームの絆に迫りました。

オファーが3日遅かったらバラバラになっていたFA期間

──まずはそれぞれ自己紹介をお願いします。

Cabbagest(敬称略) この度Meteorに所属することになりました、Cabbagest(キャベジスト)と申します。最近競技シーンで使っているレジェンドはクリプトとローバで、ヴァルキリーを使うことも増えました。次は誰かな、こういうの順番決まってないよね。

AvadoN そうだね(笑)。僕は安全地帯の予測やオーダーをやっています、AvadoN(アバドン)です。今はヴァルキリーを使っていますね。

Brasidian Brasidian(ブラジリアン)です。みんなからは「ブラジル」って呼ばれています。オーダーをしていたこともあるんですけど、今は完全に火力の方に振ってジブラルタルを使っています。

──現在のメンバーはどのような経緯で集まったのでしょうか。

AvadoN 僕がある人に「チームを組もう」と誘われて、そこでブラジルも誘ったんです。その後に最初の1人が辞めてしまって、以前同じチームだったCabbagestを誘いました。そこからずっと一緒にやっていますね。もう1年以上経つかな?

Brasidian 僕は昔やってたゲームでキャベさん(Cabbagest選手)の動画を観ていたいち視聴者だったので、すぐに馴染めましたね。

──そこから「GTS Black」として数々の大会に出場し、ALGSのAPAC North地域ではウィンターサーキットで3位の成績を残しました。しかし、その後ルールの変更もあってFA(フリーエージェント)の状態でプロリーグ予選に参戦することになりました。

Brasidian チームが解散することになって、自分とキャベさんは競技を続けるために他チームのトライアウトを受けていましたね。

──予選は見事に1位で通過し、プロリーグ出場権を獲得しました。その直後にMeteor設立・加入が発表されましたが、加入の話が動き始めたのはいつ頃だったのでしょうか。

AvadoN 動きがあったのは発表の1カ月前ぐらいですかね。GTSのオーナーから「会わせたい人がいる」と呼ばれたんです。既に他のチームとも話をしていたんですが、話だけでも聞いてみて欲しいと激推しする勢いだったので、いったん話してみようかと。そこで出会ったのが現オーナーの相澤さんでした。

──今日はMeteorオーナーの相澤利春さんにもお越しいただいているので、当時を振り返って頂いてもよろしいでしょうか。

チームオーナーの相澤さん(右)とMeteorのメンバー

相澤 そうですね。以前からチーム運営には興味があって、GTSのスタッフさんとも仲良くさせて頂いていたんです。選手は3人とも「誰だろう」と思ったでしょうけど、僕は「Apex」が大好きなので皆さんのことはよく知っていましたし、実際に話してみても伺っていた通りの印象ですごく安心しましたね。

──そこから僅か1カでチームの発足まで至ったんですね。

相澤 この3人の力になれるのであればと、とにかく最速でチーム作りを進めました。本当に急いでいたので集合写真を撮影したタイミングにユニフォームが間に合いませんでしたね(笑)。

──それほど急な出来事だったんですね。予選を戦いながらのチーム探しでしたが、選手の皆さんはFA期間を振り返ってみていかがでしょうか。

Cabbagest 空中分解の危機からまた同じメンバーで続けてやれることになって良かったですね。3人バラバラになっても全然おかしくなかったので。

AvadoN 僕も同じ気持ちですね。「この3人でやれないなら選手を辞めよう」と思っていたので、相澤さんには本当に感謝しています。

Brasidian 自分は競技を続けたくてトライアウトを受けていたんですが、どのチームでやってもこの2人とのチームにはちょっと勝てないなっていう、友情じゃないですけどそんな感覚があったんです。だから自分から「またこのメンバーでやりませんか?」ってLINEを送って、色んな話し合いを経てMeteorに所属させてもらえることになりました。やっぱりこの3人が一番落ち着きますね。

AvadoN 多分、相澤さんからのお話があと1週間、いえ3日くらい遅ければ2人は別のチームに行って僕は選手を辞めていたと思います。トライアウトを途中で蹴ってまでこっちを選んでくれたのは嬉しかったですね。

Cabbagest 僕自身もまた3人でやれるなら良いなと思っていましたし、加入に向けての話し合いの場は不安を全部解消してくれるくらい良い雰囲気だったので、本当に素晴らしいお話を頂けたと思います。

ネガティブさも笑いに変えるチームワーク

──メンバーそれぞれについてお話を聞いてみたいのですが、まずAvadoN選手はおふたりから見てどんなプレイヤーでしょうか。

AvadoN選手

Brasidian AvadoNさんには今オーダーをお願いしているんですけど、チームのために作戦を考えてくれるし瞬時の判断が上手いので非常に助かっています。自由な時間を使って安全地帯の傾向を勉強したり、やりたい構成を提案してくれてたりと、オーダーでチームを引っ張れる賢いプレイヤーだなと思いますね。あと明るい人なんで、ムードメーカーって感じもありますね。

AvadoN ニヤニヤしちゃうわ。

Brasidian 僕もオーダーをやっていたことがあるんですけど、自分とは全然違いますね(笑)。

Cabbagest ずっと「チームの頭脳」的な存在ですね。あと何かと「言い出しっぺ」になってくれて、試したい構成を出してきては僕とブラジルとも話し合って修正点やアイデアを出しあうことが多いです。今めっちゃ褒めてますよ。

Brasidian ああ、それだ。頭脳系だね。

Cabbagest もちろん個人スキルにおいても非常に優秀なプレイヤーで、今はキーボード・マウス操作の選手は「Apex」では希少な存在になっていますけど、本当にめちゃくちゃ強いプレイヤーだと思っています。

──かなりのべた褒めですね。ではBrasidian選手についてはどうでしょうか。

Brasidian選手

Brasidian 怖いな~。

AvadoN ブラジルはもうエイムがとにかく強いんで、ずっと前に出させていますね。サブオーダーとして僕が困っている時に提案してくれるのもありがたいです。あと優しいですね、初対面の時から話しやすかったです。

Cabbagest 最初の頃は率先してオーダーをしてくれていて、とっさの判断がめちゃくちゃ上手いです。ブラジルの瞬時の判断に全員で着いて行ったら結構勝ててる印象がありますね。ミスや反省点を恐れずにちゃんと指摘できるところも助けになっていますし。あと身長がデカいです。

Brasidian 188cmありますからね(笑)。

Cabbagest選手

AvadoN 最後はキャベさんですね。キャベさんはクリプトを使っていたこともあって索敵が上手くて、この中でも一番周りがよく見えていると思います。性格的に結構ネガティブになることがあるんですけど、僕とブラジルはそれが面白くて笑いに変えて盛り上がっちゃうんで良いキャラだなって。

Brasidian 似たような内容になっちゃうんですけど、キャベさんは喋りが上手いので試合中の報告も細かくて助かっていますね。色んな人に「上手いよね」って言われているのが僕の耳にも入ってくるくらいのプレイヤーです。人柄もTwitterを見てもらえば分かるように面白いですから、チームメイトとしてやっていて楽しいですね。

Cabbagest ちょっと待って、僕だけプレイが褒められてなくない?

AvadoN カバーめっちゃうまいですね、カバー。

Cabbagest 取ってつけたようなのもちょっと、自信なくなる。

Brasidian 印象の話だからね(笑)。

AvadoN プレイでは長距離武器が上手いんで、いつも持たせてますね。

Cabbagest そうですね、長物ならだいたいダメージ出せます。

──構成と言えば、Meteorの皆さんはヴァルキリーを競技シーンでもいち早く採用してプレイしていたのが印象的です。

AvadoN 僕たちのムーブは「先に安全地帯に入る」こと優先です。後から入ってくる敵を撃ってポイントを稼ぐ狙いですね。だから一番早く移動できる構成を考えてヴァルキリーを入れましたね。最初の頃はヴァルキリーのアルティメットで敵のいる家に突っ込むような失敗もあったんですけど、修正できたのでもうアクシデントはないと思います(笑)。

──そうしたアイデアもAvadoNさん発信だったのでしょうか。

AvadoN 僕らは「とりあえず使ってみる」って感じですね。基本的には先に中心へと寄っていく方針で建物が確保できたら戦績は安定するんですが、最近は全チームが同じような狙いになってきているので、常に修正していかないといけません。

ウィンターサーキットの悔しさを胸に世界大会へ

──今までこのメンバーで戦ってきて、一番印象に残っているシーンやベストゲームをひとつ挙げていただけますか?

Brasidian 自分はやっぱりウィンターサーキットのプレイオフでチャンピオンをとった試合ですね。「ここから勝ってドラマを作ろうぜ」みたいなノリから始まって、キャベさんの台パンもありつつ、本当に勝てたあの試合が一番の思い出ですかね。

Cabbagest あの試合は僕も覚えていて、終盤に安全地帯から外れた瞬間に入れそうな家を見つけて「あの下が空いてる!」って叫んだんです。そこからはもうほとんど怒鳴り合いながら、僕はドローンを飛ばして一階が空いていることを確認して、ほぼ同時にブラジルはポータルを繋いで、上手く家に突っ込んで家を確保できました。

瞬時の判断で侵入した僅かなスペースからチャンピオンへと繋げることに成功

──この3人ならではのスムーズな連携が瞬間的に行なわれたんですね。

Cabbagest そうですね。台パンした記憶はないですけど。都合の悪いことは忘れました。

Brasidian あはは(笑)。

──Cabbagest選手の思い出に残ってる試合は?

Cabbagest そうですね。ブラジルの挙げた試合よりかなり前、予選の試合が印象に残っています。僕らはラバシティに降りていたんですが、1チーム被っていたんです。予選での降下地点被りって初動で負けてしまう可能性もあって、ポイントを伸ばせないリスクがめちゃくちゃ高いんですよね。そこでAvadoNとブラジルがやられちゃったんですが、自分が1vs3から勝って逆転できたんです。

──ご自身のベストプレイですね。

Cabbagest 僕の中で大会の最初の1試合はその後の勢いが決まってしまうので結構大事な位置づけなんです。あの試合に勝てたのが今の自信に繋がっていると思います。多分2人は覚えていないですけど。

Brasidian 覚えてるよ。「やばい、やってる!」って言ったやつね。

AvadoN 僕はブラジルと一緒で、ウィンターサーキットでチャンピオンをとった試合ですね。それまで真ん中ぐらいの順位にいたんですが、その試合でチャンピオンになってかなり上位に食い込んだんです。次の試合もチャンピオンを取れれば全体1位だったんですが、結局2位で終わっちゃいました。ラスト2部隊で僕が1vs3の状況になって、最後1vs1まで粘って、その1人もかなり削ったんですがマスティフが上手く当たらなくて……1位取れたなぁっていうのがめっちゃ悔しかったですね。

──ALGSでは強豪チームとの試合が続いていますが、序盤戦を終えての手応えはいかがですか。

Cabbagest やっぱり1カ月前の予選とはまた違った展開になりましたね。僕らは最初の数分間がめちゃくちゃ大事な動きをするんですけど、その数分間の生存率が格段に低くなったような気がします。

Brasidian 難しそうなリーグにはなっていますけど、自分たちのスタイルを貫き通したいです。頑張って安全地帯に入って敵をはじくような動きをして、勝ち上がりたいですね。

──では最後にALGSを、そしてチームを応援してくださる皆さんにメッセージをお願いします。

AvadoN 僕たちは物資も弱くて人気のないランドスライドに降りていますが、ここから上位に食い込むので見ていてください!

Brasidian ランドスライドから世界大会、行きます。

Cabbagest もう言いたいこと全部言ったんですけど、本当に何もない状態から何かを得られるのが僕らの持ち味なんです。どのチームよりも被弾しない撃ち合いを見てください!