ソースコードの正確な入力に挑戦

ソースコードの入力に全員がチャレンジ

ぷよぷよプログラミング」は「ぷよぷよ」を展開するセガが開発した学習教材です。英数字の列であるソースコードを正確に入力していくことで、「ぷよ」が実際に動き、「ぷよぷよ」が完成する過程を体験できる教材です。基礎、初級、中級、上級と入力量に応じてレベルが分かれており、気軽にHTMLやJavaScriptでプログラミングを学べることが特徴です。親しみやすい「ゲーム」を使って学びに生かす試みとして、教育現場での活用が始まっています。

ぐんま国際アカデミーは小学校・中学校・高校の12年間を一貫教育で行っている私立校です。「英語イマージョン教育」として、全体の約7割をすべて英語で授業展開しています。この日授業を受けた中等部7年生の生徒たちは、全員が一人1台のノートパソコンを持っています。ただ、授業でプログラミングを扱うのはこの先の予定で、多くの生徒にとっては初めてソースコードに触れる機会となりました。

授業で説明するぴぽにあ選手

講師を務めたぴぽにあ選手はシステムエンジニアの経験があります。さらに、10月に開かれたプロ大会「チャンピオンシップ SEASON4 STAGE2」で優勝。現役トッププロであるぴぽにあ選手が授業の冒頭で11連鎖を軽々と披露すると、拍手がわき起こりました。

カラーコードをもとにオリジナルの色を表現

背景色をカスタマイズをした様子(右側)

授業では、まず「『ぷよ』が落ちてくる」「『ぷよ』を左右に動かす」といった簡単な課題からスタートします。一部のソースコードが未入力になっており、指示を与えるソースコードを穴埋めする形で入力していきます。普段からキーボードを触っている生徒たちとはいえ、すべて正しく入力するのは一苦労です。ただ、「間違える」プロセスを経験することもプログラミングを学ぶうえでは、大切なポイントです。

さらに、「背景の色を変える」といった「改編」にもチャレンジしました。生徒たちにはカラーコード表を配布。色の仕組みを考えながら、オリジナルの色を作成していました。

また、「連鎖ボイス」を改編できるのも「ぷよぷよプログラミング」のポイントです。まずは生徒たちの声を録音し、ゲームに組み込みます。連鎖が発生すると、「イチ、ニイ」というオリジナルの音声が教室に響きました。

ぴぽにあ選手(奥)の説明をもとに入力する生徒たち

これもセガが関わる教材だからこそできる内容です。生徒たちは集中して画面に向かい、さらに隣同士で教え合う姿も見られました。「プロeスポーツ選手」についても興味津々で、授業の終盤にはぴぽにあ選手に対する質問タイムも。授業後は多くの生徒がサインを求めていました。

普段味わえない授業だった

ぴぽにあ選手のアドバイスを受けながら入力する生徒たち

「ぷよぷよ」を知っている生徒が多かったこともあり、2コマの授業は楽しい時間となりました。阿部怜君は「ゲームに関連する授業という普段の学校では味わえない体験ができてよかったです」。さらに、「ぷよぷよ」は普段からプレイしていたこともあり、「日常的にプレイしていたゲームを自分で作ることができて、感動しました」と話しました。

大津里穂さんは「『ぷよ』が落ちるスピードを変えたり、背景を変えたり、お互いの画面を見せあったりした。友だちがプレイしているのを応援し、楽しいね、と話しながらできました」。仲間同士で課題に取り組んだことが印象に残った様子でした。

新しい感覚をつかんだ

ぴぽにあ選手から直接手ほどきを受ける生徒

好奇心も大いに刺激しました。長岡未来さんは、ソースコードをカスタマイズして、オリジナルの色を作ることに興味を持った様子。「赤や黄色の簡単な色ではなく、いろんな色が混ざった色ができたので、自分らしさが結構出たと思います」と話しました。

カラーコードを見ながら入力する生徒たち

スクラッチでプログラミングの経験があった江口和樹君はこの日の授業を受けて、「(ソースコード)を一つ一つ打っているとき、自分でゲームを作っているんだなという不思議な感覚になりました。新しい感覚をつかめて、良い機会でした」と話します。入力をして、それによって変化が生じることについては「作るって面白いな、と改めて思う機会になりました」。さらに「(プログラミングを)もっとやりたいという興味が沸いてきた。ゲームを作るソフトウェアを買う予定でしたが、それをやりたいという意識が『バーン』と強くなりました」と語りました。

ものづくりの楽しさを伝える手応え

授業後、サインに応じるぴぽにあ選手

ぴぽにあ選手は生徒たちの意欲的な姿勢に、教える側としての手応えを感じた様子です。「プログラミングに興味を持ち、楽しい、と思ってくれた生徒が多かったようでうれしい。とにかく楽しさを伝えたいと思っているので、伝えられてよかったです」と授業を振り返りました。

プログラミングについては、「材料を削ったり、切ったりすることが文字を打つことに変わっただけで、コンピューター上での『ものづくり』」と説明します。そのうえで、今回の授業を通じて「ものづくり」の実感を持った生徒がいたことについては「こうした経験をしておくことで、勉強することに価値があるなと感じてくれると思います」と話しました。

興味を持たなかった生徒はゼロ

オリジナルの「連鎖ボイス」にチャレンジ

授業を見学した学年主任の佐々木リチャード教諭は「みんながワクワクしていた」と振り返ります。

同校で情報・技術科を教える吉田慎吾教諭も、「実際に現場でものづくりを普段している人がものづくりを教える。その時点で生徒たちの一歩目が違い。思いっきり前に踏み込んで授業が始まりました」と語り、「誰一人、興味を持たなかった生徒がいなかった。『集中しなさい』『勉強しなさい』なんて一言も言っていないのにかかわらず、主体的にアクティブに学びを自分たち自身で取り組んでいました」と驚いた様子。普段の授業と比較しても、「100%の生徒が集中して取り組むことはあまりないので、感動しました」と話しました。

同校では、今回の授業の内容も踏まえ、中等部・高等部の生徒たちが参加する「ぷよぷよeスポーツ」の大会を12月1日に開く予定です。

わからないところがあった生徒に丁寧に教えるぴぽにあ選手

プログラミングは教育現場で注目が集まっています。文部科学省の学習指導要領では、2020年度から小学校でプログラミングが必修化されました。中学校でも、その内容を発展させる内容が技術・家庭科の技術分野「情報に関する技術」で扱われています。

高校でも、2022年度から情報科での学習が予定され、来年度の高校1年生が3年生になって臨む2025年度入試では、大学入学共通テストの教科の一つに「情報」が追加される方針が示されています。

(GAMEクロス編集長・金子元希)

ぐんま国際アカデミー「ぷよぷよプログラミング公式ワークショップ」&「ぷよぷよeスポーツ大会」映像

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