福岡の中心街・天神にあるチャレパには、200インチ超の大型ビジョンが特徴の「スタジアム」のほか、eスポーツプレイに最適な通信環境や高性能PCが整えられた「プレイエリア」、eスポーツを学べる「スタディルーム」など7つのエリアで構成されます。また、「Sengoku Gaming」(@Sengoku_Gaming)のホームスタジアムでもあります。

運営するのは、通信会社QTnet(本店・福岡市)と、「Sengoku Gaming」をようする「戦国」(本店・福岡市)です。

eスポーツ文化を発信する拠点に

200インチ超の大型ビジョンが特徴の「スタジアム」。パブリックビューイングをはじめ、様々なイベントを開くことができます

QTnetと戦国が手を組んだのは2019年。「QTnetにeスポーツ用のインターネット回線を引きたいと相談をしたことがきっかけでした」と語るのは、戦国経営企画部部長の村田健夫さん。戦国はその後の2020年1月に、QTnetの子会社化となりました。

その背景について、QTnetでeスポーツ事業を手がけるYOKAプロ部長の稲葉太郎さんは「回線スペックは、eスポーツ競技のプレイに影響を与えます。その点で、QTnetの通信事業と、eスポーツは親和性があります。加えて、Sengoku Gamingの『九州から世界へ』というビジョンにも共感しました」と語ります。

チャレパをつくった狙いについて、「世代や性別、地域を越えて交流できるeスポーツの文化を九州から発信していく拠点をつくりたかった」と稲葉さん。また「高速・高品質な回線のショールーム」としての役割も期待しています。「チャレパの通信回線を体験してもらえれば、『速い、安定している』と感じてもらえます」。このことによって、QTnetの通信事業への信頼感を高められたら、と言います。

eスポーツはオンラインでも楽しめるのが特徴ですが、チャレパを人と人がリアルに交流できる場としても活用していきたい考えです。これまでも、Sengoku Gamingの試合のパブリックビューイングを始め、イベントを開催してきました。来場者はゲーマーが多いかと思いきや、「お子様連れのご家族も多いです。興味を持たれている方やこれから始めてみたい方などに、お気軽に体験していただき、eスポーツとは何か?を表現できる場にしたいと考えています」。

チャレパの主な収益源は、来場者のPC利用料金、併設するカフェの売り上げが中心です。今後の展望について、「企業などの団体レクレーションや交流の場として、施設を貸し出して収益につなげたい。それ以外には、教育事業。プログラミングやeスポーツに関して教えるだけでなく、バーチャルの空間で顕在化している社会課題について親子講座のようなものも出来ればと考えています」と稲葉さんは言います。

QTnetYOKAプロ部の稲葉太郎部長(左)と、戦国経営企画部の村田健夫部長

Sengoku Gaming選手、新たな拠点「すごすぎる」

チャレパは、「Sengoku Gaming」のホームスタジアムでもあります。選手たちの練習拠点を有するチームはありますが、ホームスタジアムを持つチームは稀です。

新たな拠点について「選手からはすごすぎる」との反応があったそうです。

漁業を営んでいた岩元良祐元代表(現・戦国取締役役員)が2017年に設立したSengoku Gaming。現在は約30人の選手・コーチが所属し、「フォートナイト」や「Apex Legends」など 世界大会のある9つのタイトルを扱っています。「リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト」部門では9月の国内大会で優勝。シンガポールで11月に開かれた初の国際大会「Horizon Cup」では、グループステージを勝ち抜き、準々決勝まで進出する活躍を見せました。

「リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト」の国際大会で、5位タイという過去最高の成績を収めました

九州には、Sengoku Gaming以外にも、再春館システム運営の「LeGaime熊本」や、「福岡ソフトバンクホークス ゲーミング」などのゲーミングチームが活動しています。

ライバルも多い中で、「世界」を意識するSengoku Gaming。「九州を代表するチームでありながら、全国、世界にファンを持つチームになりたい」と戦国の村田さん。

その先にみすえるのは、将来のeスポーツを背負う子どもの存在です。

「プロ野球選手に憧れる九州の子が『ホークスに入りたい』と思うように、eスポーツプレイヤーを目指す子どもたちに『Sengoku Gamingに入りたい』と思ってもらえるようなチームにしていきたい。そのためには大会で実績を残すことも大切ですが、プロ選手を身近に感じてもらうような交流イベントも大切にしたいと思います」

eスポーツの裾野を広げるためにチャレパで開かれたeスポーツ親子体験会

村田さんはまた、「選手たちは今、様々な場所からオンラインでつないで活動してもらっていますが、ゆくゆくはチャレパをオフラインの練習場所としても利用してもらいたい。大会もチャレパで開催できればと考えています」と語ります。

eスポーツの可能性にベットしたい

eスポーツ事業にかかわることは「大きなビジネスチャンスだ」と村田さん。「企業や自治体がeスポーツ業界に参入する事例が増えています。単なるバズワードではなくビジネス目線から見たeスポーツの可能性を感じられるようになってきている。一歩ステージが上ったと思っています」。続けて「さらにeスポーツを盛り上げ、日本社会に浸透させるためには、仲間を集め、夢や憧れを見せられるようにならなければいけない。そして、作り上げた土台を元に、世界へ羽ばたいていきたい」と言います。

チャレパ内のカフェ

稲葉さんは「チャレパを開業してみて、予想外の事態が起りました。eスポーツのコアファンの方々が来場するかと思っていたら、親子連れの方が多かった。eスポーツ業界はまだまだ未知数で可能性を秘めています。何がきっかけで盛り上がるかわからない、今は(QTnetとしても)前のめりにベットしていきたい。『esports together』というスローガンのもと、企業や団体、次の世代を担う若者や地域の方々と共に、チャレパから新しい文化を発信していきたい」と意気込みます。

【企業紹介】QTnet

九州を拠点とする通信事業者。個人向け光インターネットサービス「BBIQ」、九州生まれのマルチキャリアMVNO「QTmobile」、電力サービス「BBIQ電力」などを提供。九州電力の子会社で、資本金約220億円。
企業ホームページ:https://www.qtnet.co.jp/