ともくん選手、プロに連勝で「ぷよぷよカップ」初優勝 アマ選手はプロ入り条件のベスト4入りならず

パズルゲーム「ぷよぷよ」のセガ公式プロ・一般選手混合競技会「ぷよぷよカップ SEASON4 11月大会」が11月20日に東京・セガ本社で開かれました。プロ入り条件のベスト4は現役プロが独占し、ともくん選手が「ぷよぷよカップ」初優勝となりました。
パズルゲーム「ぷよぷよ」のセガ公式プロ・一般選手混合競技会「ぷよぷよカップ SEASON4 11月大会」が11月20日に東京・セガ本社で開かれました。プロ入り条件のベスト4は現役プロが独占し、ともくん選手が「ぷよぷよカップ」初優勝となりました。
「ぷよぷよカップ SEASON4 11月大会」は11月7日にオンラインで開催された予選を勝ち抜いた16人によるトーナメント戦です。プロ選手8人、アマチュア選手8人が決勝に残りました。この大会でアマ選手がベスト4に入ると、「ぷよぷよ」シリーズのプロライセンスを獲得できるルールです。
試合はシングルイリミネーション形式で、1試合2先取の計2セット先取制。アマ選手にとっては、プロライセンス獲得がかかりますが、プロ選手にとっても「ぷよぷよランキングポイント」につながります。お互いにとって負けられない舞台でした。
アマ選手は準々決勝で勝つことがプロ入りの条件でしたが、今回は8人全員がベスト8までで敗退。優勝は最年少のぷよぷよプロプレイヤーのともくん選手で、現役プロの意地と貫禄を見せつけた大会となりました。
ぷよぷよカップ SEASON4 11月大会
— ともくん (@tomokunblue) November 20, 2021
優勝しました!!!
対戦相手全員プロでしんどかったですが、攻めや先打ち本線などやりたいことできて良かったです!
今までぷよぷよカップは優勝どころかベスト4に入ったこともなかったので今大会で優勝できてうれしい
応援してくださった方ありがとうございました❗ https://t.co/OnknFSkTc6
1回戦の2試合目、アマのむすこ選手対プロのSAKI選手の試合が注目の試合となりました。1セット目は危なげなくSAKI選手が取り、その後マッチポイントまで持ち込みます。
しかし、むすこ選手が怒涛の追い上げを見せ1セットを取り戻し、プレッシャーをかけます。緊張の最終ゲーム、上級者に珍しい階段積みを得意とするむすこ選手が、自分の戦い方を信じきり大金星を挙げました。
準々決勝に残ったアマ選手はむすこ選手、OT選手、ぷよつかい選手の3人でした。しかし、むすこ選手はへーょまは選手に、OT選手はタイタン選手に防衛されてしまうなか、新プロ誕生に向けた「最後の希望」として、ぷよつかい選手対fron選手の試合に注目が集まりました。
最初に見せ場を作ったのは、ぷよつかい選手。見事な鍵積み14連鎖で1ゲーム目を奪います。fron選手は2連鎖ダブルを効率的に使い、2ゲーム目を取り返したものの、その後はぷよつかい選手の2連勝。あっという間にマッチポイントを迎えます。
ぷよつかい選手は「ぷよぷよ」歴20年以上というベテランです。試合が山場を迎える夕方頃に、最も実力を発揮できるよう時間を合わせ、毎日「ぷよぷよ」対戦を配信。大会当日までに500回近くの配信を行ってきたということです。
しかし、そんなぷよつかい選手を相手に、fron選手はプロの真の強さを見せつけます。何度も逆境を乗り越えてきた経験がなせる技か、fron選手は一気に4連勝。本大会でのプロ誕生を阻止しました。
残念ながら敗退してしまったぷよつかい選手は「最後の判断を誤り、負けてしまいました。今後も大会には参加して、プロを目指していきたいです」と話しました。
準決勝からは現役プロ4選手の戦いとなりました。
両者とも、新プロ阻止というプレッシャーから開放されリラックスした様子。試合前のインタビューでも、タイタン選手は「気楽にやりたい。コンディションは温まってきました」とコメント。対するへーょまは選手も「平常心でがんばりたい」と話しました。
1ゲーム目、まずは効率のよい3連鎖でタイタン選手が1勝。2ゲーム目、大連鎖を仕掛けたい雰囲気を出すタイタン選手に、へーょまは選手は予想外の5連鎖。返しきれず1-1となります。3ゲーム目からは、無観客の会場にへーょまは選手の叫び声が響き渡りますが1セット目を奪取。その後、勝っても負けても絶叫していたへーょまは選手ですが、試合では1セットも奪われずにタイタン選手を下しました。
試合前、fron選手は「リラックスしているときの自分は強いです。ともくんは格上の相手だと思いますが、『なくはない』と思います」。ともくん選手は「自分のやりたいことが出来ているので、このまま優勝を目指して頑張ります」と意気込みました。
fron選手の得意技は、もちろん自身の名前がついた「fron積み」。「先折りGTR」と比較される「fron積み」ですが、つなげる点が2列分あるという点がメリットであると、解説のmomokenさんは話します。自らの得意技のメリットを生かし、初戦を制したのはfron選手でした。
しかし、ここで押し切らせないのがともくん選手。fron選手の最大連鎖数を見切ります。また、複数の選択肢の中から見切られにくい本線発火を選んでいくなど用意周到なプレイを見せ、1セットを得ます。その後も勢いに乗ったともくん選手が2連勝。決勝へと駒を進めたのは、ともくん選手でした。
「ぷよぷよカップ」では、決勝戦においても2セット先取制。短期決戦となります。
決勝の舞台でも、ともくん選手の冷静さは失われません。運も味方し、一気に3ゲームを取ってマッチポイントを迎えます。へーょまは選手はプレッシャーのかかる盤面の中、14連鎖を組みきり1ゲーム分踏みとどまりますが、ともくん選手はまだ揺らぎません。最終ゲーム、2連鎖ダブルで「おじゃまぷよ」を降らせ、相手に本線を発火させることなく連鎖尾まで入れた美しい13連鎖で勝利しました。
今回は1回戦のdelta選手も含めてプロに4連勝し、「横綱級」の強さを見せた、ともくん選手。表彰式では「連鎖や相手の盤面が見えたりと、今回は視野広く動けたと思います」と自身のプレイを振り返りました。
また、10月の「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2021 MIE」でも優勝するなど、これまで様々なタイトルを獲得してきたともくん選手ですが、「ぷよぷよカップ」は初優勝でした。「(アマ選手が)プロ入りするための条件はベスト4になること。優勝しなければプロじゃないんじゃないかと思っていたので、優勝できて嬉しいです。誰よりも勝ちたいという気持ちで臨みました」と話しました。
(C)SEGA