ゲームと勉強。両方とも打ち込みたいけど、時間がない。親からはゲームばかりしていると注意される――。そんな悩みを持つ中学生や、高校生は多いのではないでしょうか。

では、どうすれば両立できるのでしょう。2019年8月にあった全国高校対抗eスポーツ大会「STAGE:0」のクラッシュ・ロワイヤル(クラロワ)部門で初代チャンピオンを勝ち取ったのが、高い進学実績で知られる渋谷教育学園渋谷高校(東京都渋谷区)の「Intuition」でした。そのメンバーの一人で2021年春、東京大学に現役合格を果たしたSoda(そうだ)さん(@sodapekka)は「好きなゲームを我慢した結果、逆に勉強に集中できなくなった」と言います。いま大学生活を送るSodaさんが高校時代を振り返り、限られた時間を有効に使うためのコツを語ります。

勉強もゲームも中途半端だった中学時代

「勉強がすべて」。僕が渋谷教育学園渋谷中学校に入学した当初の考え方でした。

当時、ゲームは友達の間で人気のあったモンストやパズドラなどをスマホで少しする程度。決してうまい方ではなかったです。ゲームは楽しいからやっていただけで、勉強の方がメインという感覚でした。

普段はテニス部で部活に取り組んでゲームを楽しんで、定期テストの2週間前あたりから勉強を本気でやるような感じでした。

ただ、中2のときに勉強のプレッシャーが大きく、そのうえ頑張っているはずなのにライバルに歯が立たないということが続き、僕は、こう思いました。「勉強で自分が輝くのは無理だ」

それで他に何か輝けるものはないかと模索しました。色々試した中の一つに、クラロワがありました。ただし、勉強の量は減り、中学3年時の成績はかなり下がりました。中学時代を振り返ると、ゲームも勉強も中途半端で何もかもうまくいかなかったなと思います。

クラロワと数学に照準、コツをつかむ

高1になり、「勉強しなければならない」という危機感が芽生えました。一方で、想像以上にクラロワが楽しく、ちょうどクラロワのプロリーグが高1の時に始まり、プロを目指そうと思いました。

時間がない中、力を入れて取り組む対象を、クラロワと数学に絞り込みました。スマホを使う時間はクラロワしかしないように心がけました。勉強は唯一誰にも負けたくない科目である数学にこだわりました。

高1が終わる頃には数学はトップクラスで、数学だけはできる人になっていました。数学以外は手をつけられませんでしたが、このときに勉強のコツのようなものをつかんだように思えます。ただ、ゲームはプロになるほどの実力にはなりませんでした。

ならば高2は、勉強に集中しようと思った矢先でした。「STAGE:0」の開催が発表されたのです。「やっぱりクラロワを極めたい」と、STAGE:0が開催される夏まではゲームをやりこもうと決めました。そして元々高校でクラロワの強かったメンバーに呼びかけてチームを作り練習に励みました。この間は、勉強は宿題をこなす程度で、それ以外の時間はほとんどクラロワにあてていました。そして、STAGE:0では優勝という結果になりました。

STAGE:0を優勝後、クラロワをやりつつも勉強の方に重点を置くことにしました。勉強をするときは集中するため、スマホを持たず、学校やカフェなどに行きました。自宅だとスマホが近くになり、どうしても触ってしまうので。受験へのプレッシャーもない中、時間のメリハリがつき、ゲームも勉強もはかどりました。

【高校生対抗eスポーツ大会】2019年8月「STAGE:0 」クラロワ決勝

コロナ禍の誤算

しかし、高3で大きな誤算がおきました。コロナ禍です。学校やカフェなどで勉強できなくなりました。学校は自宅学習となり、図書館やカフェとは違い、勉強がなかなかはかどりませんでした。

「受験期だからゲームはしてはいけない」。そんな気持ちからゲームは我慢しました。勉強をしなきゃと思えば思うほど勉強に集中できず、空虚な時間だけが過ぎていきました。

このため、振り返ると、結果的には高3の1年間は勉強もゲームも満足のいく量をこなせなかった、と自分としては受け止めています。ただ、勉強面では高2までの「貯金」があったことで、最終的には志望校に合格することができました。

ゲームをすることが、僕の勉強のモチベだった

うまくいかないと思っていた高3の時、ゲームが僕にとって欠かせない生活の一部になっていたことに気づけていなかったんだと思います。

高2までの間、時間が限られていたからこそ、勉強にもゲームにも120%の力を使って効率よくできました。高3に入ってゲームを我慢したことで、確かに勉強に使える時間は増えました。でも、効率は落ち、勉強へのモチベーションが下がってしまいました。

ゲームと勉強の両立を可能にする一番の鍵は結局、メリハリだと思います。勉強とゲーム以外の無駄な時間をどれだけ減らせるかが大事です。

逆に言えば、僕のように一つのことに集中するのが苦手な人が、好きなゲームをやらなくなったら、勉強ができるとは限りません。

また、クラロワはかなり頭を使うゲームだったので、脳は使っていました。僕のクラロワの上達方法と数学の勉強法が似ていたので、気づかないうちにお互いがお互いにいい影響を与えていたのかもしれません。

将来はAIを使ってクラロワ分析も視野に

今後、私は世界で戦えるクラロワのプレイヤーになりたいと考えています。その後は、大学で学ぶAIを駆使してクラロワを分析してみたいです。そして、最終的には大規模なクラロワの大会を開いてeスポーツを盛り上げたいと考えています。

(文・Soda)

東大生のSodaさん