アイスランド・レイキャビクで10月から開催中の「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」の国際大会「2021 League of Legends World Championship」(Worlds 2021)は日本時間11月6日夜に決勝を迎えます。日本の国内リーグ「League of Legends Japan League」(LJL)を代表して出場したDFM(@teamDFM)はLJL史上初のグループステージ進出を果たしました。しかし、そこでは0勝6敗という厳しい結果に。大会を終えて帰国したDFMのうちの4人(Evi選手Yutapon選手Ceros選手Kazuコーチ)が自分たちの「強さ」や今後の目標を語り合いました。

LJL史上初の16強入りを果たしたDFM

試合に臨むEvi選手

Worlds 2021はまず、下位シードの10チームがAとBの2グループに分かれてのプレイインステージからスタート。DFMはBグループ1位となり、LJL史上初の16強となるグループステージ進出を決めました。グループステージはこのほかに上位シードチームを加えて、4グループに分かれて実施。DFMはグループBに入り、3チームと2試合ずつを戦いました。

DFMの戦績

<プレイインステージ> ※日付は試合開始時点の日本時間
10月5日 ○Unicorns of Love
10月5日 ●Cloud9
10月6日 ○Galatasaray Esports
10月7日 ○Beyond Gaming
10月7日 ○Cloud9

<グループステージ>
10月11日 ●T1
10月12日 ●100 Thieves
10月13日 ●EDward Gaming
10月16日 ●EDward Gaming
10月16日 ●100 Thieves
10月16日 ●T1

LoLに対する理解度で差を感じた

グループステージDay2の試合に臨むEvi選手

――グループステージ進出時に「壁を感じた」と聞きました。DFMと強豪チームの間で最も差を感じた部分を聞かせてください。

Evi 「ゲームの理解度」じゃないでしょうか?グループステージのEDward Gaming(EDG)戦でも実感しましたが、結局キルできていても、起こるべくして生じた逆転劇で巻き返されてしまうんです。知識量の差・勝ち筋の追求力・ゴールドの集め方を含めた理解度の差が結果につながる。僕らも1vs1の戦いなら勝つこともできる。ただ根本的なLoLに対する理解度の面で差は感じましたよね。

――根本的な理解度を底上げするためには、やはり一つずつ突き詰めて考える必要がありそうですね。

Evi その点は近道せず、じっくりと時間をかけて積み上げていくしかないと思います。僕らも7年前はそれこそプレイインステージでどのチームにも勝てないぐらい理解度が低かった。でも今は逆にプレイインステージにいたチームよりも理解度は上回っているかもしれない。実際に今回はグループステージに行けたわけだから、これから理解度をもっと深めることも十分可能です。

――では国内外チームを合わせた競技シーン全体において、自分たち(DFM)の強さはどのように捉えていますか?

Evi 直近の戦いを含めて語るなら、北米地域のチームと良い勝負ができるところまで来ていると思います。とは言え、まだ不利な部分も残っていますが……。

Yutapon 正直、今回のWorldsの結果通りという感じはしますね。

Kazu 確かに。プレイインステージに出ていたトルコや東南アジアのチームに今まで苦戦していたものの、今回の国際戦は全て勝利することができました。

Ceros あとはLJLが終わってからWorldsが始まるまでにどんどんスケーリングできたのも要因と思う。各リーグを見渡すと国内戦を危うげなく戦い抜いたはずなのに、国際戦でガクンとパフォーマンスが落ちるチームもあるんですよ。一方でDFMはLJLが終わってからもチーム全体の伸び率が相当高かった。だから各リーグのファイナル終了後、Worldsの開催前に他チームと比べてパフォーマンスが向上したのではないでしょうか。

LoLシーンのレベルアップに必要なこと

全ての試合が終わり、インタビューを待つYutapon選手(左)とCeros選手

――日本におけるLoLの競技シーンがレベルアップするために必要なことを聞かせてください。

Evi 僕の意見になりますが、大前提として選手とゲーム運営側の両方が頑張らないといけないです。まずは選手がプレイスキルを磨き上げて、チーム単位の実力を底上げしつつ、国際戦で安定的に勝てるようになること。

そして運営側は、国内のLoLプレイヤー人口を絶やさず増やし続けることが重要ではないでしょうか。やっぱり競技シーンは新人が増えない限りどんどん衰退していきますし、そもそもプロゲーマーになる新人が増えるためにはどうしても潤沢なプレイヤー人口が必要です。加えて、若い選手の発掘&育成がスムーズに行える環境作りを目指す。ここまでやらないと絶対にレベルアップできないと思いますね。

Ceros 僕も何度かインタビューでお話した通り、選手は国際戦で活躍することが大事です。当然と言えば当然かもしれませんが、人の目に触れるようになるとプレイヤー人口も増える。結果的に競技シーンのレベルアップにつながる。逆に1~2年といった短期でレベルアップを望むなら、シンプルに選手のみんなが頑張ってうまくなるしかないですね。

Evi なんか根性論っぽいな(笑)。でも本当に「官民一体」じゃないですけど、LoLに関わる人たちが全員で取り組むべき課題かもしれません。

それぞれのやり方でLoLシーンを盛り上げたい

インタビューを静かに待つKazuコーチ

――今後の目標や意気込みを教えてください。

Ceros 個人的にやりたいことで言えば、Eviが運営している個人YouTubeチャンネルに興味がありますね。まだ具体的に考えているわけでもないし、何なら「確実にやる!」とも言えないんですけど(笑)。やっぱり今までサボり気味だった動画配信にしっかり取り組みたい。

動画媒体は当たり前に普及していますし、実際にプレイしていなくても動画からLoLにハマるファンも一定以上いると思うので、動画投稿やストリーミングを通して興味を持ってくれる方を増やしたいです。

Kazu 僕は来年の目標になりますが、LJLをもう一回、いや二回は優勝したいです。国際戦に出るための必須条件だし、今回のWorldsを踏まえて国内チーム同士で行うスクリムの質も上がっていくと思います。「来年のLJLは簡単に突破できない」と見ているので、そこを乗り越えて連覇するのがベストかな。

加えて国際戦のプレイインステージを安定して勝ち上がれるようにしておきたいです。例えばワイルドカード地域のチームを見ると、プレイインステージを突破できた翌年に結果が振るわない状態もよく見受けられます。そう考えるとプレイインステージを危うげなく勝ち抜けるだけでもすごいし、そこを目標に捉えてチームに貢献できればと思います。

Yutapon 配信に関しては僕も再開したいと考えています。新しい人に見てもらうための良い機会だと思いますし、どこかのタイミングで実行できればと。直近の目標については、選手として競技シーンに臨む以上、”前シーズンよりも成長する”ことが基本的な目標です。パフォーマンスを維持できずに衰えていった時が僕自身のやめ時だと思うので、そうならないよう毎シーズンの成長を見据えて頑張っています。

Evi 今回のWorlds 2021でベスト16を達成したので、次の目標は国際戦でベスト12にランクインすることです。やみくもに上を見過ぎる前に、段階を踏みながら順位を上げるのが先決。そのためにもベスト12に向かって一個ずつハードルをクリアしたいですね。

かけがえのない存在のファン 応援が力に変わる

グループステージDay5の試合に臨んだDFMの選手たち

――最後にお一人ずつファンに向けたメッセージをお願いします。

Ceros 今回は試合に出場せずサポート側でチームに同行していましたが、それでもTwitterなどで僕に対するメッセージをたくさんいただけたのが個人的にうれしかった。ファンの皆さんにはこの場で感謝を伝えたいですね。

Kazu 僕自身、今年は特別な一年だったと感じていて。春~夏と選手で公式戦に出場したのもそうだし、コーチとして携わった中で大変な時期もありました。この一年間、ファンの方々からいただいた励ましの言葉に何度も助けられたので、今は感謝の気持ちでいっぱいです。そして来年も皆さんの期待に応えられるよう、オフシーズンも緩むことなくしっかり準備に臨みたいと思います。

Yutapon 試合に出て負けた時って、どうしてもメンタル面で辛い状態に陥ることもありますが、ファンの方からメッセージや応援の言葉を送っていただけるとすごく励みになります。色々なところで支えてもらっていますし、感謝の気持ちしかないです。

Evi 3人の言葉と同じく、ファンの皆さんは僕たちにとってかけがえのない存在なんです。僕らが試合で勝った際に喜びを分かち合えるのもうれしいし、純粋に応援してもらえるだけでも元気が湧いてくる。DFM一同、本当に感謝しています。

DFMのCeros選手(左上から)、Kazuコーチ、Yutapon選手、Evi選手