アスリート向けに「プロフェッショナルガム」を開発している大手菓子メーカー・ロッテが、格闘ゲーム界のレジェンド、「ウメハラ」こと梅原大吾選手専用のオーダーメイドガムをつくりました。21日、東京・中野の「Red Bull Gaming Sphere Tokyo」で梅原選手に対する「プロフェッショナルガム」贈呈式が開かれました。

思い出のブルーベリー味をセレクト

ガムをかみながらゲームをプレイする梅原選手(右)と武田教授=小林たかし撮影

「プロフェッショナルガム」は咀嚼筋のトレーニングなどを行い、アスリートをサポートする商品として、ロッテが2018年から野球選手などを対象に開発しています。一般販売は行っていません。

この日は、梅原選手に向けに作られたブルーベリーフレーバーのプロフェッショナルガムがロッテから提供されました。「Beast」という海外での梅原選手の愛称を入れたデザインのパッケージを見た梅原選手は「見慣れたデザインですごく気に入りました」と話しました。

開発にあたって梅原選手は、約60種類の組み合わせから、好みの形状や硬さ、フレーバーをリクエストしています。ブルーベリーフレーバーを選んだ理由については「どの味もおいしくて迷いました。中学生のころ、毎日ゲームセンターに通っていたとき、待ち時間にロッテのブルーベリーガムをよくかんでいました。思い出深い味を思い出して、ブルーベリー味を選びました」と語りました。

東京歯科大教授が監修 かむことで安定したプレイを

ガムをかんだときの脳波と心拍を測る梅原選手

また、「プロフェッショナルガム」の監修を手がけている東京歯科大学の武田友孝教授も登壇し、ガムをかむことがゲームプレイに与える影響などを解説しました。武田教授が行った研究では、ガムをかんでいる人とかんでいない人に分け、表示される文字の色と色名があっているときはenterキー、文字の色と色名が異なっているときはspaceキーを押す、という実験を実施。その反応速度と正答率を記録しました。その結果、ガムをかんでいたグループでは反応速度が向上、脳血流量が増え前頭前野が活性化し、認知機能が向上する、といったデータが得られた、と説明しました。

このほか、ガムをかむことで「全身の筋肉の活動がよくなり、姿勢が安定する。目の前のゲームにより集中できるようになる」といった身体効果も見込める、との見解も示しました。梅原選手も「身体の安定が、イコール、プレーの安定につながることが分かりました。今後もかむことを積極的に取り入れていきたいと思います」と語りました。

研究結果を発表する武田教授(左)と梅原選手

科学的根拠のあるトレーニングを広めたい

イベントでは、梅原選手がeスポーツ業界の課題について語る場面も見られました。「格闘ゲームの世界は、私自身が40歳であることに表れているように、年齢が高くても活躍できるジャンルだと言われています。一方、他のジャンルでは、20代前半で選手としてのピークが終わってしまうと言われている。さすがにそれはおかしいことではないかと思う」と疑問を投げかけました。

その理由については「科学的に正しいトレーニングが確立されていない。若さや才能だけの勝負になってしまい、努力をしていても、加齢に負けてしまうことになる」と指摘。プロフェッショナルガムについての武田教授が実験結果を示したことを踏まえ、「科学的根拠のあるトレーニングはeスポーツ全体が興味のあるテーマであり、広めていきたい」と語りました。

プロフェッショナルガム「ウメハラモデル」

「これまでも努力は続けてきたが、暗闇の中を歩いているようだった。効果のない努力をしていたこともあったと思う」と振り返った梅原選手。そして、今後の意気込みについては、今回のトレーニングガムの提供を踏まえ、「この機会を生かして、いい成績を出したい」と答えていました。

(文・小林たかし)