世界中にプレイヤーを抱えるマジック:ザ・ギャザリング

MTGは1993年に発売された世界で最も歴史のあるカードゲームです。デュエル・マスターズの元となっていることでも知られる由緒あるゲームと言えます。

しかし、カードゲームを始める際の問題点として、カードの集め方が分からない、一緒にプレイする友達がいないなどがあり、これらの問題は昨今の世情によってますます深刻になっています。

そんな悩みを一挙に解決してくれるのが、デジタル版「MTGアリーナ」です。PCやスマホでプレイできる本作では、カードの購入がオンラインで可能で、ランクマッチを利用すれば同等の腕前のプレイヤーとオンラインで時と場所を選ばずにプレイできます。2021年の世界大会もこの「MTGアリーナ」でプレイされ、まさに今の時代に即したカードゲームのかたちといえるでしょう。

チュートリアルを遊びながらルールを楽しく学ぶ

「MTGアリーナ」ゲーム画面

MTGと聞くと、「ルールが複雑そう」と感じる方もいるかもしれません。でも、「MTGアリーナ」には丁寧なチュートリアルが備わっており、初心者でも簡単にルールを学ぶことができます。

チュートリアルの様子、タップについての説明がされています

チュートリアルでは異なった色のデッキを持って現れる敵キャラクターを倒しながら、各色の特徴やゲームの流れを学ぶことができます。筆者も長い間MTGから離れていたためルールについてはうろ覚えでしたが、チュートリアルを通してルールを思い出し、またゲームならではの操作方法を分かりやすく学ぶことができました。

チュートリアルの最後には伝説のエルダー・ドラゴン「ニコル・ボーラス」がボスとして挑んできます

従来のMTGのルールを学ぶ際には、フェイズや優先権といった概念が必ず説明されますが、「MTGアリーナ」ではゲームの流れが自動化されているため、これらの複雑な概念の説明が省かれており、その点においても分かりやすいと感じました。

例えば相手が何らかのカードをプレイした時、プレイヤーはインスタンスなどをプレイするために自動的に一定時間の猶予が与えられます。プレイしたいカードがある場合はそのままプレイし、何もアクションを起こさなければ一定時間でパスという判定になるため、ゲームのテンポが損なわれることなく複雑な処理が進む工夫がされています。

相手がカードをプレイすると図のように優先権が自動で与えられます

MTGは今までにも様々な形でビデオゲーム化されてきましたが、その度に操作性に難があったことが問題になっていました。というのも、MTGは対象の選択や効果の発動の有無など、プレイヤーに与えられている判断権が多く、そのためゲーム内のUIが複雑になりがちでしたが、今の「MTGアリーナ」はそれらの問題を解消し、直観的UIでプレイできるようになっていると感じます。

例えばマナを消費して呪文をプレイする際に、どの土地をタップするかをマニュアルで選ぶこともできますが、AIに自動で選ばせて手順を短縮することができます。他にも、一度公開されたカードは例え相手の手札にあってもいつでも閲覧できるようになっていたり、相手に許可を求めることなく相手の墓地を参照できたりと、ゲームならではのプレイしやすいポイントも数多くあると感じます。

相手の墓地など公開情報はいつでも見れるようになっています

MTGには白、青、黒、赤、緑という5色のカード分類が存在し、白は防御と回復が得意、赤は速攻が得意など、それぞれに特徴があります。チュートリアルを終えると各色の基本的なカードを揃えた単色デッキがもらえるので、まずはそれらを使いながら自分の好きな色を探してみるといいかもしれません。

チュートリアル、カラーチャレンジを終えるとこれだけのデッキが手に入ります

また「MTGアリーナ」にはワイルドカードというシステムがあります。どんなに強力なカードもワイルドカードで入手できるのは、ゲームならではの利点だと感じます。

チュートリアル後にもらえるワイルドカード

手軽なモードから賞金付き大会まで、多彩なゲームモードで腕を磨こう

デジタルカードゲームを好む筆者はこれまで様々なカードゲームに親しんできましたが、「MTGアリーナ」が一線を画すと言えるのはゲームモードの多さだと感じます。

まず「MTGアリーナ」には基本的なカジュアル戦とランク戦が用意されていますが、オンラインゲームでは一般的なBO1の形式に加え、より大会に近いBO3の形式も用意されています。BO3の形式では15枚のサイドボードを用意することで試合の間にデッキを改善することができるため、戦略性が一層深いものとなります。

構築戦以外では、ランダムに用意されるパックから好きなカードをピックし、集まったカードプールから即興でデッキを作る「ドラフト」というルールも用意されています。即興でデッキを作るため、あらかじめデッキを作らなくていい分、カードの少ない初心者にも適したモードといえます。また、これらのモードではピックしたカードをそのまま自分のコレクションに加えられるため、カードを集めながら遊べるモードとなっています。

ドラフトは入場料を払わなければいけない代わりに、勝利した時の報酬(ゲーム内通貨やパックなど)も用意されています。ドラフトにはクイックとプレミアの2種類が存在しますが、特にプレミアは入場料が高い代わりに報酬利率が高く、ゲームを遊びながらカードコレクションを増やすのに適したモードとなっています。

他の7人のプレイヤーとカードを取り合って戦うプレミア・ドラフト。最新の拡張版のカードが出現します

そして極めつけは、賞金付きのモード、アリーナ・オープンです。満18歳以上のプレイヤーしか参加できず、勝ち進むにはかなりのやり込みが必要になりますが、成績さえ良ければ日本からでも賞金最大2000ドルが受け取れるシステムになっています。実力さえあれば、自宅にいながらプロ選手のように賞金を稼ぐことも夢ではありません。

日本人の世界王者も! 白熱のeスポーツシーン

「マジック:ザ・ギャザリング」はカードゲームとして、eスポーツという語ができる遥か前からプロシーンが存在していました。世界中にプレイヤーを抱えているMTGですが、日本はそのなかでも強豪国の一つであり、これまでに多くの世界チャンピオンや、殿堂入りプレイヤーを輩出しています。

今までのMTGプロシーンは紙ベースが主流であり、選手たちは世界中の大会へ飛び回って活動をしていましたが、新型コロナウイルスの影響もあり、最近ではそのプロシーンが徐々に「MTGアリーナ」ベースに移行してきています。

例えば1994年から毎年開催されている世界大会「Magic World Championship」の第27回大会が10月の初旬に開催されましたが、本大会は史上初めてのオンライン開催となり、試合には「MTGアリーナ」が用いられました。本大会では日本人の高橋優太選手が優勝し、7万ドルもの賞金を手にしています。

前述の「Magic World Championship」は例年招待制の大会ですが、その予選である大会の一つ「Challenger Gauntlet」には「MTGアリーナ」ゲーム内イベントの成績上位者の出場枠が用意されていました。つまり、「MTGアリーナ」のオンライン戦から一気にMTG世界チャンピオンになるルートも用意されていたというわけです。来シーズンも同じような制度が設けられるのであれば、「MTGアリーナ」をやり込むことで世界大会出場、果てはプロ入りも目指せるということになります。

このように、「MTGアリーナ」はただのゲームを越えて、歴史あるMTGのプロシーンへの登竜門的な役割も担っていると言っていいでしょう。簡単な道ではありませんが、カードゲームの腕前に自信のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

最新セット、ゴシックホラー「イニストラード:真夜中の狩り」

現在「MTGアリーナ」では最新セット「イニストラード:真夜中の狩り」が配信中です。これはゴシックホラーの世界観をもとに、幽霊やヴァンパイア、ゾンビなどのモチーフを持ったカードを中心に、全277種類が収録されています。

最新セットはホラーの世界観

今から「MTGアリーナ」を始める人は、まずはこの最新セットでその楽しさに触れてみてはいかがでしょうか。