セガ公式「VIRTUA FIGHTER esports CHALLENGE CUP SEASON_0 FREE FINAL/U19 FINAL」

ベテラン中心に16人が対決

ファイナリスト16名

8月からオンラインで開催されていた予選をくぐり抜け、10月10日のオフライン決勝に出場したのは16人の選手です。バーチャ歴10年、20年を超すベテランプレイヤーが中心で、昔からバーチャを観戦していた人にとっては馴染みのある顔も多いのではないでしょうか。

オープニングから選手たちは和気あいあいとした雰囲気。マイクパフォーマンスで互いを牽制しあい、そのやり取りからは長くバーチャをプレイするもの同士の絆のようなものが感じられました。

なお今大会の試合形式は2本先取のシングルエリミネーションマッチと短期決戦型になっています。読み合いを制することができれば、キャラクター相性も覆すことができるような形式のため、誰が勝ってもおかしくない言える大会でした。

大会ルール

筆者が選ぶ大会ベストバウトはヨゴ選手VSとんちゃん選手

バーチャはもともと展開の速いゲームですが、その上で今大会は2本先取という形式になっているため、試合の多くは目まぐるしいスピードで進んでいきます。激しい読み合いの中、心理戦を制した一方がストレートで勝利を収めることが多く、観客には息をつく暇も与えません。

試合に臨むヨゴ選手(左)ととんちゃん選手

そんななか、TOP16でひときわ拮抗した試合になったのは1回戦第5試合のヨゴ選手VSとんちゃん選手のカードです。とんちゃん選手は言わずと知れた「最強」のジャッキー使いで、今大会における優勝候補筆頭のプレイヤー。対するヨゴ選手は、そんなとんちゃん選手に肉薄する実力を持つ影丸使いです。解説のチクリン氏が「決勝戦でもおかしくない」と評するこの組み合わせ、どちらにとっても簡単な試合ではありません。

いざ試合が始まると、両者が細かい肘うちや投げでお互いを牽制しあう展開になります。上級者同士の対戦となると、相手の捌き技や横移動からの反撃を警戒しなくてはならないので大技が振れず、細かい読みあいの中で体力差がついていきます。

お互い一歩も譲らず、初戦からフルラウンドまでもつれ込む拮抗した展開の中、最終ラウンドでヨゴ選手が相手を大きく上空に打ち上げる投げ技「弧延落」を決めます。その後の壁コンボもしっかりと完走し、4割ほど残っていたとんちゃん選手の体力を一気に奪って第1ゲームを奪います。

投げ技「弧延落」

続く第2ゲーム、ヨゴ選手としては勢いのままに勝利を収めたいところでしたが、とんちゃん選手も負けてはおらず、激しい接近戦を仕掛けて巧みに対抗します。またもやお互いに2ラウンドずつ取り合い、最終ラウンドに突入すると、ヨゴ選手が再び「弧延落」を決め、大ダメージのコンボに繋げます。

体力が残り僅かとなったとんちゃん選手は、最後の望みを懸けて大きな下段技を仕掛けますが、ヨゴ選手は冷静にこれをガードします。万事休すかと思いきや、ヨゴ選手が確定反撃で放った「朱雀飛翔脚」が、タイミングが少し遅れたか、とんちゃん選手にガードされてしまいます。最大反撃を狙ったがために大きな隙を晒してしまったヨゴ選手。そのままとんちゃん選手の反撃を喰らってKO。このミスが原因となって第2ゲームはとんちゃん選手の勝利となります。

ガードされる「朱雀飛翔脚」

劇的な展開の末にゲームカウントは1-1となり、試合は第3ゲームに突入します。とんちゃん選手は先ほどの試合から勢いをつけ、この試合でも積極的な攻めを展開し、居合い蹴りからの読み合いを仕掛けていきます。対するヨゴ選手も一歩も譲らず、妥協のない確定反撃などからダメージをとっていき、第3ゲームはまたもや最終ラウンドまでもつれこみます。

決まり手「トラッピング~ワンインチブロー」

そして両者体力残りわずかの状態となると、会場はTOP16とは思えないほど緊迫した空気に。まさにどちらが勝ってもおかしくない状況の中、とんちゃん選手が中間距離から一気にダッシュで距離を詰め、投げ技「ワンインチブロー」を通します。これが決まり手となり、接戦を極めた試合はとんちゃん選手の勝利となります。

激戦を制した初代王者はハート様選手

決勝に臨んだとんちゃん選手(右)とハート様選手

ヨゴ選手戦を制し勢いに乗ったとんちゃん選手は、その後鮫島選手、バルゴのジャン選手とライバルたちを次々と下し、見事決勝戦の舞台へと駒を進めます。対するはハート様選手。前作「バーチャファイター5」時代からネット対戦で抜きん出た勝率を誇り、「オンライン最強プレイヤー」と名高い鷹嵐使いです。

試合が始まると両者一歩も譲らず技を振り合いますが、ハート様選手が徐々に試合の主導権を握っていきます。ハート様選手が操る鷹嵐は投げ技のダメージが大きいキャラクターですが、ハート様はそれを逆手にとって打撃を連発し、特に相手の横移動を読んだ天破りのヒット率がすさまじく、みるみるうちにとんちゃん選手の体力を奪っていきます。

コンボに繋がる「天破り」

この天破りという技は2ヒット技で、2段目をガードされると反撃をもらってしまうリスクを抱えており、安全に立ち回るのであれば1段目で止めるのが通常です。しかしハート様選手は1段目をガードした相手が動きたくなるタイミングを狙ってあえて2段目を撃つ場面もあり、それが見事にとんちゃん選手を捉えていました。そして第1ゲームはハート様に軍配が上がり、優勝に王手が掛かります。

続く第2ゲーム、依然として強気のハート様選手に対し、後がなくなったとんちゃん選手もなんとか打撃攻め対応し、次第に天破りに反撃を決められるようになっていきます。お互いにラウンドを2本ずつ取り合い、試合は最終ラウンドへもつれ込みます。

会場が固唾を飲んで見守る中、今まであまり投げを見せてこなかったハート様選手が合掌捻りを決め、まずとんちゃん選手の体力4割ほど削ります。とんちゃん選手も細かい打撃で応戦しますが、ここで今度はハート様選手の喉輪吊りが決まり、そこからの大ダメージコンボでとんちゃん選手はKO、試合はハート様選手の勝利となりました。

歌広場さん「個性が際立った大会」

決め手となった「喉輪吊り」

こうして「VIRTUA FIGHTER esports CHALLENGE CUP」初代王者はハート様選手となり、青木盛治チーフプロデューサーからトロフィーとゲーム内称号「スタープレイヤー」が授与されました。ハート様選手は「タイトルを獲得するのは初めてなので、最高の気分です」とその喜びを語りました。

試合後、ハート様選手に勝因を聞くと「普段はオンラインを主戦場としているのですが、今回はオフラインでの対戦だったために動きがスムーズで、楽に戦えました」と語りました。今後の展望については「これからもバーチャの大会に積極的に出場して、チャンスがあればプロゲーマーになりたいです」と語りました。

講評を語る歌広場淳さん(右)と青木盛治チーフプロデューサー

また、この日はゲストとして、格ゲー好きで知られるゴールデンボンバーの歌広場淳さんが出演。試合後「選手たち一人一人の個性が際立っていて本当に面白い大会でした。バーチャは難しいゲームなので敷居が高いと思われがちですが、細かい駆け引きが分からなくても、選手たちの表情などを見ているだけでも楽しく観戦できると思います。これからもバーチャのeスポーツシーンが発展していくといいですね」と語りました。 

U19部門の勝者は学生サラ【危険】選手!

また、大会では若いプレイヤーにスポット当てる試みとして19歳以下限定のU19部門も開催されました。こちらの決勝は17歳の学生サラ【危険】選手対18歳の阿波アキラ選手の対戦カードでした。

これだけ若い選手がバーチャの大会でプレイしているのも新鮮ですが、阿波アキラ選手に至っては大会中唯一のパッド勢。ゲームセンターで発展してきたバーチャでは極めて珍しいプレイスタイルですが、これぞ新世代といった様相です。

試合では学生サラ【危険】選手の防御能力が特に目立っていました。阿波アキラ選手の攻めを上手くガードし、的確に反撃をしていく手堅いスタイル。阿波アキラ選手も要所で攻めの糸口を見つけていましたが、緊張からかコンボミスも多く、試合は終始学生サラ【危険】優勢で進んでいました。

最後は学生サラ【危険】選手が阿波アキラ選手の技の空振りに素早く蹴りで反撃。U19部門は学生サラ【危険】選手の優勝となりました。

阿波アキラ選手に連続蹴りを決める学生サラ選手

学生サラ【危険】選手のバーチャ歴は6年ほどあり、バーチャプレイヤーであるお父さんと対戦してきたそうです。17歳にしてこの実力とは、今後はFREE部門での活躍も十分にあり得る注目のプレイヤーと言えます。大会の感想を聞かれると「歴史のあるバーチャというタイトルで、まさか自分が大会で優勝できるとは思ってもいませんでした。U19部門の王者になれて本当に嬉しいです」と語りました。

また大会の最後には、青木チーフプロデューサーから次回大会「VIRTUA FIGHTER esports CHALLENGE CUP SEASON_0[2nd]」の開催も発表されました。青木チーフプロデューサーによると、今後の大会ではFREE部門はもちろんのこと、若い才能を発掘するために今回のU19部門のような取り組みにもっと力をいれていく方針です。今回の学生サラ【危険】選手のように、まだ見ぬスタープレイヤーが発掘される日も近いかもしれません。

次回大会ロードマップ

古参の選手と新世代の選手が入り交じり、着々とeスポーツシーンが盛り上がりを見せている「Virtua Fighter esports」。関心のある方は今からでも練習して、次の大会に参加してみてはいかがでしょうか。

スタープレイヤー賞を受賞したハート様選手(左)と学生サラ【危険】選手