アイスランド・レイキャビクで開かれている「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」の国際大会「2021 League of Legends World Championship」(Worlds 2021)はLoLプレイヤーだけでなく、世界中のeスポーツファンが注目する大会です。日本からは国内リーグ「League of Legends Japan League」(LJL)を勝ち抜いたDetonatioN FocusMe(DFM)が出場しています。そこで、いずれもLoL好きのGAMEクロスリポーター3人が、世界の強豪と戦うDFMの試合をそろって観戦。LoLやWorldsの魅力を語り合いました。

GAMEクロスリポーターの龍田さん(左上から)、飯田さん、大友さん

GAMEクロスリポーター

・大友美有さん
・ハル飯田さん
・龍田優貴さん

Worlds 2021の配信 ライアットゲームズ公式チャンネル

Twitch:https://www.twitch.tv/riotgamesjp
Mildom:https://www.mildom.com/10244404

日本のLoL勢をにぎわせたDFM対C9

3人がオンラインで観戦したのは日本時間10月5日に行われたプレイインステージのDFMとCloud9(C9)の試合。「因縁の戦い」として注目された一戦でした

龍田 本日はGAMEクロスリポーターの3名でWolrds 2021のプレイインテージDay1のDFM対C9の試合を一緒に観戦したいと思います。改めてよろしくお願いいたします!

大友 こちらこそよろしくお願いします!

飯田 何だか見ているこちら側も緊張してきました(笑)。試合が始まる前に大友さんにうかがいたいのですが、選手の皆さんはバン&ピックフェーズで「上手くいった」とか「駄目だった」と思うことはありますか?

大友 はい、「バンし損ねた」とか「あのチャンピオンを相手にあげちゃった(ピックされた)」とかは結構あります。具体的には直前の試合で選手のパフォーマンスを見ながらバン&ピックを決め、そもそも余裕が無いか対策のしようが無いから「もともと決めていたバン&ピックで行こう」というチームがほとんどだと思います。

飯田 やっぱりそういう流れなんですね。

大友 DFM側のピックは、ほかのプロチームと違って、LJLで見せたピックを多く採用している気がします。

龍田 メタを考慮しつつ自分たちの得意ピックを心がけている感じでしょうか。一方でC9側はタロンやリーシンをバンしたみたいです。

飯田 タロンは初戦(=この試合の直前)のUnicorns Of Love(UOL)戦で見せたSteal選手を踏まえた上でのターゲットバンですかね。

大友 あとはメタを考慮してタロンを事前に抑えたかもしれません。

龍田 タロンはEスキルで機動力が高いし、バースト(高ダメージ)もすぐに出せるから危なすぎます。

キャスター陣のコメントは観戦に欠かせない道しるべ

DNM-Cloud9 バン&ピックフェーズ

飯田 LoLの競技シーンを見ていて実感しますけど、バン&ピックフェーズでキャスター陣がカウンター候補を挙げるスピードに毎回驚かされますね。

龍田 eyesさんやRevolさんをはじめ、キャスター陣の方々は本当に知識量が豊富ですよね。

飯田 キャスター陣が解説してくれるおかげで、僕自身もLoLにそこまで詳しくないけれど楽しく観戦できています。今はLoLの競技シーンを例に挙げましたけど、どのeスポーツタイトルの大会でも初心者に易しい解説が必要だと思うんです。

龍田 その通りですし、LoLに関して言えばチャンピオンの性能はもちろん、集団戦時に各チャンピオンのスキル名をすらすら実況しているのがすごくないですか?

大友 確かに。Jaegerさんは特にスキル名を力強く叫んでいるイメージがあります。

飯田 集団戦でも「みんなオレに夢中!」って言われた方が見ている分にも楽しくなりますよね。

龍田 おっしゃる通りで、実況に華が出ると言うか細かい部分も大事だと思います。

開始1分時点のミッドレーン

飯田 バン&ピックに話を戻すと、ソロキュー(ランク戦)で使われるチャンピオンが大会でピックされると個人的に盛り上がりますね(笑)。

大友  分かります。普段のランク戦で使われる場合と大会でプロチームが使う場合を比べると、熟練度の違いが見えてきてより面白いです。「こういう風にダメージトレードするんだ」みたいな。

飯田 それにプロの方々が自分の得意チャンピオンを使ってくれると、なおさらLoLに対するモチベーションも上がりそうですね。ちなみに各レーンのマッチアップはいかがでしょうか?

大友 ボットレーンに焦点を当てるとC9の方が有利ですね。ミス・フォーチュンがあまりにも強いので、一人で主導権を握ることができるはずです。

C9のBlaber選手とFudge選手の仕掛けでEvi選手がリコールに。序盤からC9が試合を有利に運んだ

大友 これはトップレーンのEvi選手がさすがにキツいですね。序盤でタワー外に追いやられるとミニオンの経験値をロストしちゃうので、対面のFudge選手と序盤から差がついてしまいます。

龍田 確かにスタート時に2人がかりで仕掛けられるとレーンフェーズが難しくなります。

飯田 今のシーンもそうですけど、特定のレーナーが集中的に狙われている時はチーム全体でどのようにメンタルケアをするんですか?

大友 メンタルケアやフォローの仕方はチームそれぞれだと思いますが、大抵はジャングルかサポートのどちらかが声をかけていると思います。それかキャリー陣が「俺が育つまでもう少しレーンで耐えて!」と言っているのではないでしょうか。

C9陣営にスキルを命中させて、Gaeng選手がキルチャンスを生み出す。Steal選手のキルにつなげて再起を図ろうとした

龍田 当たり前のことかもしれませんが、やっぱりプロチームの選手はスキルショットの精度が段違いですよね。UOL戦のGaeng選手で言えば、レオナのEスキル(ゼニスブレード)を確実に当てている。「これって対象指定スキル?」と錯覚するレベルでした。

飯田 チームゲームだからこその連携プレイという側面もありますね。僕はこんな風にLoLをフルパーティー(5vs5)でプレイしたことが無いので、集団戦前のセットアップや流れるようなローム(ほかのレーンへ流れる動き)を見ていると、思わず「綺麗だな」って言葉が漏れます。やっぱり純粋に気持ち良いんですよ。

龍田 本当に、何というか芸術点が高いと思います。

C9のPerkz選手がトップレーンでキルを連取。序盤の有利を生かしてオブジェクト確保数とゴールド差を広げていった

飯田 序盤から変わらずにDFM側がキツそうです。自分たちがやりたいことをC9側にとがめられていると言うか……。

大友 そうですね。先ほど言った通りにボットレーンの主導権がC9側にあって、トップレーンも最初の経験値ロストがだいぶ効いているはず。サイドレーンの有利をマップ全体に波及させているように見えます。おそらくC9側はAria選手をキャリーとして見ているので、アドバンテージを生かしながらミッドレーンへ圧をかけているのではないでしょうか。

LoL初心者を誘って観戦を

DFMの敗北が決まった場面

龍田 冒頭でも話したチャンピオン構成を含め、ドレイクの種類もC9に味方した展開でした。インファーナルソウルは取られると差がグッと開いてしまうので辛い……。

大友 バン&ピックの時点で厳しい戦いを強いられていましたね。レーンの主導権を渡すとオブジェクトを確保しづらくなりますし、こちらからアクションを起こすのにどうしてもリスクが伴います。全体的には選手のミス云々という話じゃなかったように見えました。

飯田 でも、DFMの皆さんもゴールド差を縮めようと積極的に少数戦を仕掛けていましたし、日本勢としてこの試合を応援できて本当に良かったと思います。試合中もカメラでDFM皆さんが映し出されていましたけど、C9に気おされ過ぎることなく、それぞれ真剣なまなざしでモニターを見つめていた。あのメンタルの強さは今後に期待が持てますね。

龍田 メンタルの強さは競技シーンを勝ち抜くにあたって重要なのは間違いありません。あと個人的にはこうして複数人でeスポーツの試合を観戦するのは良い経験になりましたし、実際に選手として試合に出場している方に解説をいただいたのも印象深いです。バン&ピックの考え方やレーン戦の見方が参考になりました。

飯田 観戦とプレイの楽しさは別にあると自分では思っていて。今回の機会を経て、やっぱり観戦の感動を増幅させるには詳しい人を巻き込むのが大事だと実感しました。世の中のLoLプレイヤーはぜひ周りの初心者を誘って試合を一緒に観戦してほしいです。

大友 ありがとうございます! 私もどちらかと言えば一人で試合を観ることが多いので、時間を共有して一緒に盛り上がることができて楽しかったです。私自身はRJに所属していますが、DFMの活躍は同じ日本勢としてかなり熱くなりますね。

一緒に戦う気持ち #DFMWIN!

DFMは日本勢で初となるWorldsグループステージ進出を達成し、16日午後8時から翌日未明にかけて、EDward Gaming、100 Thieves、T1との3連戦を控えています。3人には改めて残り3戦への期待を聞きました。

龍田 グループステージにおいては3敗と苦境に立たされていますが、それでもDFMの皆さんは果敢に世界の強豪へ攻め手を緩めていません。プレイインステージ・タイブレーク戦後のインタビューでEvi選手が語った「僕たちの冒険はここから始まる」という言葉を胸に、僕自身も一緒に戦っている気持ちでDFMの躍進にエールを送る所存です。#DFMWIN!

飯田 やはりグループステージは強敵揃いで苦戦は必至ですが、DFMの奮戦のお陰で毎日の試合を自分事のように一喜一憂しながら楽しめています。選手の皆さんも歴史的な挑戦を楽しみながら後半3戦に臨んでほしいと思います。#DFMWIN!

大友 3連敗しているなか、気持ちを切り替えるのはとても大変だと思います。正直、負けても勝ってもグループステージに1位で進んでくれた時点でとても嬉しいのですが、DFMがもっと強欲に、グループステージを戦い抜くことを見守りたいと思います。#DFMWIN!

(構成・龍田優貴)

DFMはLJL史上初の16強入り

Worlds 2021はまず、全10チームがAとBの2グループに分かれてのプレイインステージからスタート。DFMはBグループ1位となり、LJL史上初の16強となるグループステージ進出を決めました。グループステージはこのほかにシードチームを加えて、4グループに分かれて行われます。DFMはグループBに入っています。

グループステージは2チームずつが勝ち抜けます。最後に8強によるトーナメント形式の「ノックアウトステージ」によってチャンピオンが決まります。

大友美有

おおとも・みゆう eスポーツプレイヤー・タレント。プロチームRascal Jester「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)部門」の練習生として、スターダストプロモーション デジタルメディア事業部に所属し、タレントとしても活動中。N高校在学時には、「KDG N1」の選手として「全国高校eスポーツ選手権」のLoL部門で連覇(第2回、第3回大会)を経験。高校対抗eスポーツ選手権「STAGE:0」でも、2020年のLoL部門で優勝を果たした。
◆主なジャンル:MOBA
◆Twitchチャンネル:https://www.twitch.tv/limitrear
◆ツイッター:@miyu00tomo

ハル飯田

はる・いいだ ゲームライター・キャスタ-。大阪在住。プレー経験の多さを活かしてキャスターとしても活動中。コンシューマ機を中心に幅広いジャンルをプレイするマルチゲーマーであり、「選手目線」と「ゲームの面白さを伝えること」を大事にしている。地方におけるeスポーツにも注目している。
◆主なジャンル::FPS/TPS、MOBA、スポーツ、パズル
◆ツイッター:@haruiida1993

龍田優貴

たつた・ゆうき フリーライター。初代「ストリートファイターZERO」とほぼ同い年のフリーライター。ゲームメディアを中心にレビュー記事や競技型ゲームの観戦レポートを執筆中。日頃からよくプレイするのは「レインボーシックス シージ」とLoL。ライター業の傍ら、夜な夜な「奇ゲー」(奇妙なゲーム)の発掘を楽しんでいる。
◆主なジャンル:FPS/TPS、MOBA
◆ツイッター:@yuki_365bit