アイスランド・レイキャビクで開かれているリーグ・オブ・レジェンド(LoL)の国際大会「2021 League of Legends World Championship」(Worlds 2021)は日本時間7日夜~8日未明、「プレイインステージ」の3日目(Day3)を迎えました。日本の国内リーグ「League of Legends Japan League」(LJL)を代表して出場しているDetonatioN FocusMe(DFM)はBeyond Gamingに勝利し、3勝1敗となりました。さらに直後のタイブレークで因縁のCloud9(C9)に勝ち、所属するBグループ1位が決定。DFMがグループステージ初進出を決め、LJL史上でも歴史的な日となりました。

プレイインステージ終了後の最終順位

■Worldsの配信 ライアットゲームズ公式チャンネル

Twitch:https://www.twitch.tv/riotgamesjp
Mildom:https://www.mildom.com/10244404

Worlds 2021はまず、計10チームが2グループに分かれた「プレイインステージ」からスタート。DFMは5日よりBグループで戦ってきました。総当たりのBO1形式で順位を決定し、計4チームが突破します。DFMは3勝1敗となってBグループ内でCloud9と並びました。タイブレークでCloud9を下してBグループ1位に至るまでのプレイインステージの5試合を振り返ります。

ミッドレーナーとジャングラーで試合を支配 UOL戦

DetonatioN FocusMe対Unicorns Of Love Aria選手のチェイスキル

1戦目 ○Unicorns Of Love

初戦の相手はLCL代表チームのUnicorns Of Love(UOL)でした。序盤から中盤にかけて試合の主導権を握ったのはUOLでした。ジェイスを操るBOSS選手がEvi選手にプレッシャーをかけ、中盤までにトップレーンのセカンドタワーを破壊します。

DFM側はUOLにアドバンテージを許す形となりましたが、バン&ピックフェーズで視聴者の注目を集めていたSteal選手のタロンがジャングル内をじわじわとコントロール。そのまま中盤へ差し掛かったタイミングで、Gaeng選手のレオナを絡めた集団戦へ移行。キルを連取して序盤につけられた差を取り戻していきます。

DetonatioN FocusMe対Unicorns Of Love Yutapon選手のダブルキル

ドラゴンピット前の集団戦も見事に制し、マウンテンソウルを確保してより有利を広げることに成功したDFM。続けてトップレーンへ逃げるUOL陣営を粘り強くチェイスすると、キルを奪取した勢いでバロンも手中に収めます。強力なバフを手に入れたDFMは、UOLのベース内へ態勢を整えつつ進行。中盤から終盤にかけて戦局を支配し、反撃の機会を与えずにネクサスタワーの破壊に成功しました。

序盤から差を広げられる苦しい展開 C9戦

DetonatioN FocusMe対Cloud9 DFMベース内でZven選手がAria選手を倒す場面

2戦目 ●Cloud9

DFMの2戦目で立ちはだかったのはC9。今年5月に開催された世界大会「MSI」で2度の激闘(1勝1敗)を繰り広げており、その実力は各リージョンを踏まえてもトップクラスと呼べるほど。それだけに、開始数分からDFMは厳しい立ち上がりを強いられます。

まずはBlaber選手とFudge選手がトップレーンに対して仕掛けると、タワー後方へ退けさせてEvi選手の経験値ロストを誘発。開始4分でZevn選手もAria選手を倒してファーストブラッドを獲得し、序盤の時点でDFMのアクションを未然に防いでいきました。

ミッドレーンのAria選手を中心にゲームメイクを考えていたDFMに対し、C9はサイドレーンの有利を広げて試合の流れを掴みます。開始15分から18分ほどになると、C9はタワー3本の破壊に成功。加えてドレイクも2体倒し、キャリーチャンプのサイラスを操るPerkz選手が堅実にキルを回収していきます。

少数戦を重ねて何とかキルを取り返したいDFMでしたが、依然としてC9の有利を覆すことができません。開始27分30秒でDFMのベース内へ押し入ったC9が戦闘を仕掛け、Vulcan選手のレオナを起点としてDFMのメンバーを確実にキル。アリスターのアルティメットをコピーしたPerkz選手を食い止めることも叶わず、C9に敗北を喫してしまいました。

ボットレーンから戦局を有利に導いた GS戦

DetonatioN FocusMe対Galatasaray Esports 決定打となったYutapon選手のアルティメット

3戦目 ○Galatasaray Esports

1勝1敗で迎えたプレイインテージ2日目。DFMの対戦相手は初日を2勝で抜けたGalatasaray Esports(GS)です。両チームのボットレーナーが序盤からダメージトレードを試みた結果、Zergsting選手がSteal選手をキル。すぐさまYutapon選手もAlive選手を落とし、DFMとGSにそれぞれ一つずつキルが入ります。

この戦いに介入するべく、開始5分40秒ごろにトップレーンからEvi選手がテレポート。両チームのジャングラーを交えた3vs3の戦場に颯爽と降り立ち、フラッシュで逃走を図るMojito選手をすかさずキャッチして撃破します。

このキルが功を奏したのか、トップレーンへ戻った後もCrazy選手を危うげなくソロキル。開始15分までのアドバンテージが有効打となり、開始23分近くの集団戦を制したDFMはGSメンバーのオールキル&バロンバフ入手に成功しました。

バロンバフでレーン状況を有利に運ぶと、DFMはマウンテンドレイクを見据えたドラゴンピット前の集団戦に挑みます。まずはEvi選手とSteal選手がピット下で上手くゾーニング。GSをドレイクに寄せ付けず、その間に残りメンバーがマウンテンソウルを素早く入手します。

好機と見るやいなや反転して戦闘へ持ち込み、Yutapon選手のアフェリオスが月光の祈りを発動。キルによる人数差を生かしたままボットレーンへ逃げ込んだCrazy選手を倒しきり、アドバンテージをつけたまま勝利を収めました。

序盤のテレポートガンクが勝敗を分ける BYG戦

Beyond Gaming戦に臨むDFMのEvi選手

4戦目 ○Beyond Gaming

グループステージ進出をかけてもう1勝が欲しいDFM。Day3で台湾の強豪Beyond Gaming(BYG)と激突しました。類まれなボットレーナーのDoggo選手を擁するBYG。それだけに序盤からボットレーンの戦局に注目が集まりました。

しかし意外なことに、試合の分かれ目となったのは開始間もないトップレーン。Evi選手の大胆なダメージトレードにより、Liang選手のエイトロックスがベースへの帰還を余儀なくされます。

この仕掛けで対面のテレポートを使わせることに成功したEvi選手は、GS戦と同様にボットレーンの戦闘へ突入。好機をものにするべく、Yutapon選手もダブルキルでDoggo選手との差を広げます。開始19分までBYGにキルを渡すことなく、5000近いゴールド差を保ったままタワー破壊やドレイク獲得まで繋げました。

最序盤の有利を生かして各オブジェクトの確保に専念していたDFM。開始22分のバロンピット前の集団戦で3:3のtpレードに持ち込まれたものの、再度ミッドレーンの集団戦にトライします。Aria選手のアカリが下方から後入りでBYG陣営に進行。そこへYutapon選手のミス・フォーチュンがバレットタイムを炸裂させ、人数差をつけたままバロンも倒します。

主導権を取られてもなおファームに徹していたDoggo選手は、DFMを阻止するべくベース内でカウンタープレイを決行。巧みなスキル回しでネクサスタワー付近のDFM陣営に怒涛の攻撃を仕掛けましたが、最後はYutapon選手のダブルキルで勝敗が決定。キャスター陣も「完勝」と評した通り、パーフェクトに近い試合運びでDFMが強豪BYGを圧倒しました。

Beyond Gamingとの試合後、勝利して安堵の表情を見せるDFMの選手たち

LJLの歴史に新たな1ページ キャスター陣も歓喜の絶叫

プレイインテージの総当り戦を終えたのち、DFMとC9のタイブレークによる再戦が決定します。今年のMSIから数えて4回目の決闘となり、Twitchのライアット・ゲームズ公式チャンネルには最大で約7万人の視聴者が集まっていました。

DetonatioN FocusMe対Cloud9のタイブレーク バフの力を借りてネクサスタワー破壊に挑むDFM

タイブレーク ○Cloud9

グループBの1位通過、そして日本代表チーム初となるWorldsのグループステージ進出をかけた運命の一戦は、Yutapon選手のファーストブラッド獲得で幕を切ります。全体的にレイトゲーム(試合が長引く展開)に寄ったチャンピオン構成のDFMを挫くためか、C9はミッドレーンとボットレーンで試合を動かしていきます。

開始8分近くでDFMから2キルを奪うと、トップレーン付近のにらみ合いを制してリフトヘラルドを撃破。オブジェクトを取りつつ、20分までにタワー本数とゴールド獲得量で差を生み出しました。

DFM側も試合を早めに終わらせようと動くC9にカウンターを試みます。確実にドレイクを取っておきたいC9を集団戦で上手くさばき、大量のシャットダウンゴールドと同時にインファーナルドレイクを入手。数分後の集団戦でもC9に対して人数差を作り出しましたが、残ったFudge選手とZven選手が判断を切り替えて迅速に集団戦から撤退。DFMの隙をついてドレイクを手中に収め、ポーク+インファーナルソウルの大ダメージで遠距離からDFM陣営に手痛い一撃を与えます。

試合開始からC9にアドバンテージを握られてきたDFMが最後の戦場に選んだのは、エルダードラゴン出現時の集団戦でした。ドラゴンピット下側の視界をC9が抑えており、DFMは視界が見えない不利を背負った状況下において奮戦します。

視聴者だけでなくキャスター陣も固唾を飲んで見守る中、ものの十数秒でC9のメンバーをピット前から追い出すことに成功し、絶対に押さえたいエルダーバフを見事に確保。人数差をそのままにバロンナッシャーも倒すと、トップレーンのインナータワーへ進行を開始しました。

インナータワーを明け渡し、ネクサスタワー前で包囲網を築くC9。そこへやってきたのはエルダードラゴン&バロンナッシャーの強力なバフを身につけたDFMの面々です。

ポークで何としてもDFMを追い返したいC9、バフがあるうちにネクサスタワーへ食らいつきたいDFM。両チームの雌雄が決したのはほんの一瞬の出来事でした。

DFM陣営はADCのZven選手へ真っ先にエンゲージ。継続的にダメージを与える術を失ったC9のベース内をまたたく間に瓦解させ、エルダードラゴンのバフがあと数秒で切れるといった間際にネクサスタワーを破壊しました。

2015年の国内チーム世界戦デビューから数えること6年。DFMが悲願のWorldsグループステージ1位通過(ベスト16)を達成しました。国内チームの歴史的快挙を前にキャスター陣も感嘆の声をもらしました。

Evi選手「この日のためプロとして頑張ってきた」

C9との試合後、インタビューに応じるEvi選手

試合後、配信内でEvi選手がインタビューに応じました。

――グループステージ進出を達成した今の率直な気持ちを聞かせてください。

自分でもよく分かっていません!放心状態ですぐには感情が追いつきそうにないです。

――DFMだけでなく国内の「LoL」シーンにとって大きな一歩を踏み出しましたね。

「Worlds」のグループステージ進出は本当に夢でした。道中は困難の連続でしたが、この日のために僕たちは何年もプロとして頑張ってきたんです。まだ現実を受け止められていませんが、本当に嬉しく思います。

――DFMの活躍を応援している日本のファンに向けて一言お願いします。

この日を待ちわびてきたのはきっと僕だけでありません。いつも応援して下さる皆さんも同じように待ちわびていたはず。グループステージに勝ち上がって終わったわけじゃなく、ここから僕たちの冒険が始まります。最後まで応援よろしくお願いいたします!

Cloud9に勝利し、喜び合うDFMの選手たち

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グループステージは、プレイインステージを勝ち抜いた4チームのほかにシードの12チームを加えた16チームで日本時間11日から行われます。そして、さらに勝ち残った8チームがトーナメント形式の「ノックアウトステージ」を行い、2021年の世界チャンピオンが決まります。

Cloud9に勝利し、喜び合うDFMの選手たち