「PUBG:BATTLEGROUNDS」「フォートナイト」「Apex Legends」などすっかり大人気ジャンルとなったバトロワ系シューターゲーム。だだっ広いフィールドのどこでいつ戦闘が始まるかわからないスリルや、大勢の中からチャンピオンになった時の爽快感がたまらない。

VRゲームにもそんなバトロワが存在する。Oculus QuestストアとSteamで発売されている「ポピュレーション: ワン」だ。これが本当にスゴいので紹介したい。筆者はこのゲームを初めてプレイした時、興奮のあまりしばらく笑いが止まらなくなった。

基本的なルールは、3人1組のチームであちこちに落ちている銃などを拾って、だんだん狭くなってくるフィールドの中で「最後の1組になるまで他のチームと殺し合う」と、バトロワをやったことがある人にはなじみ深いもの。

さらに拾った資材を使った建築要素もあるので、フォートナイトに近い印象もあるだろう。だが、ここに本作のVRならではの要素がたっぷり詰め込まれていて「スゲエ~~!!」となるのだ。

ポピュレーション・ワンのここがすごい

VRならではの没入感

本作の特徴はなんと言っても「VRゲーム」である点。本作に限らず全てのVRゲームに言えることだが、これまでのゲームが「キャラクターを操作して戦っている」感覚だとすれば、VRゲームは「俺自身が戦っている」感覚になる。

それでは、本作はどんなVR体験ができるのか、試合の流れをなぞりながら具体的に紹介していこう。

まずポッドに乗るか、飛び降りるか選ぼう

ゲームが始まると、プレイヤーは1人用のポッドの前に送られる。ポッドに乗り込むか、このまま飛び降りるか選ばなければならない。ポッドに乗る場合は内部のパネルをタッチすると、自動的にどこかに真っ直ぐ飛んでいく。チームメイトとはここでバラバラになるのが、バトロワとしては特殊なポイントかもしれない。

レバーを引いた瞬間落とされる。没入度が高くかなり怖い

ポッドの中は上の画像のようになっている。降りたいタイミングでレバーをガチャンと引く。自分の手でガチャンとやるのが、かなり興奮する瞬間だ。人はみんな、でかいレバーをガチャンと操作したい。

高所恐怖症の人は悲鳴をあげるかもしれない降下の場面

レバーを引くと、その場で空中に投げ出される。バトロワでは一般的なシステムだが、投げ出されるのはモニターの中のゲームキャラではなくて、自分自身なのでシャレにならない。没入感が高いので、高所恐怖症でなくとも初めての降下は結構怖い。

本作では自動的にパラシュートが開いたり、ジェットパックで減速してくれたりはしない。その代わり「両手をT字のように左右に広げると、ムササビのように滑空できる」システムがある。

最初の落下以外にも、高いところから安全に飛び降りたり、素早く遠くへ移動したりする時などに重宝する操作だ。この移動がめちゃめちゃ楽しい。広げた手を傾けることで方向転換も可能なので、かなり直感的に飛べる。気分はピーターパンだ。「俺は今飛んでいるぞ!」とかなり興奮する。

逆に手を閉じるとストンと落ちるので、高所から素早く着地したい時は「手を閉じたまま落ちてギリギリで手を広げる」とチキンレースじみた行動が必要になる。VRだとわかっていても、かなり度胸がいる。

落下するとフィールドのいたるところにアイテムが落ちているので、これを回収していく。持てる物資はかなり少ないが、バックパックを拾うことで持てるアイテム数が少し増える。これもバトロワではよくあるシステムだ。しかし、しつこいようだが本作はVRゲーム。アイテム集めひとつとっても、かなり没入感がある。

銃のリロードをするだけでもう楽しい

たとえば、銃だ。銃がなければ話にならないのでとりあえず拾いたい。銃の種類はさまざまだが、いずれも拾って最初にやらなければならないことは「リロード」だ。

今までのシューターゲーなら「リロードボタンをポチっと押す」だけで済むが、「自分の手でマガジンをガチャンとセットして、ジャキッとコッキングする」操作が必要になる。

はっきり言って、通常なら「めんどくせえ~!!」となるところだが、VR空間で自分の手で操作するのは、実銃よりは簡略化されているとはいえめちゃくちゃ興奮する。人は銃をガチャンとやってジャキッとやると、アドレナリンが分泌されるようになっているに違いない。

あらゆるゲームよりも直感的なエイム

エイムを合わせるのももちろん自分で手を動かしながら狙うことに。どんなシューターゲーよりも直感的な操作だろう。上記のように画面上にレティクルが出るので「今どこを狙っているか」はなんとなくわかるようになっている。しかし、これでも意外と難しい。

スナイパーの視界。めちゃめちゃブレる

スナイパーライフルなど、スコープがついている銃は両手持ちすることでスコープ視点に切り替わる。没入感は高いが、実際にコントローラーにストックなどが付いているわけではないので、かなりブレて難しい。

缶ジュースみたいな回復アイテム

没入感が高いのは、銃の操作だけではない。例えば、缶ジュース型のシールド回復アイテム。これを利用するには、プルタブをプシュッと開けて……

VRならではの使用方法だ

自分の顔に近づけることで使用できる。楽しい。

体力回復はそこら辺に落ちてるバナナを食べて行う

回復アイテムのバナナは自分の手で皮を剥く必要がある。

これもVRならでは

そして顔に近づけて食べることで使用できる。このようにアイテムの使用ひとつとっても「ボタンを押して回復」とはいかず「自分自身がこれをやっているのだ」と、没入感を高めてくれる。

死んだ仲間が普通に歩いて助けを求めにきた図

チームメイトの蘇生システムもまた面白い。上の画像で正面にいるのは、そうは見えないかもしれないが、死んだ仲間だ。まず、除細動器型のアイテムを擦り合わせてチャージする。この作業が結構疲れる。時間にして10秒かからない程度だが、全力で腕を動かす必要があるのだ。

蘇生。本当はこんな視界が開けたところでやらないほうがいい

チャージした除細動器を死んだ味方に押し付けると復活するのだ。ちなみに本作は自分が死んでもチームメイトが生きていたら、攻撃こそできないものの移動はできる。安全なところで味方に蘇生してもらおう。

壁登りシステム、建築システム

本作の面白いシステムとして「どこにでも登れる」というものがある。

シューターゲームの基本である「高所のほうが有利」なのは本作にも当てはまる。そして「高所をとる手段」がかなり面白い。

たとえば、上記のような壁があるとする。この建物の屋上に行き、有利なポジションを狙いたい。そんな時はどうするのか。建物内から、屋上への道を探してもいいだろう。だがもっといい方法がある。

壁に触れた後、グリップボタンを押すとどこでも掴める

壁のどこでも手でよじ登れるのだ。気分はスパイダーマン。この時、現実の自分は「はしごを登る時の手の動き」を何もないところでやっている感じになる。

壁と同様、天井も掴める

やろうと思えば、うんていのように天井にもぶら下がれる。これで奇襲ができると気持ちがいいだろうが、成功したことは今のところまだない。

素材を持っていると縦か横にパネルを出して建築ができる

また、記事冒頭でも紹介したとおり、フォートナイトのような建築要素がある。資材の種類は1種類で、作ることができるのは壁か床、屋根のみと、フォートナイトと比較するとシンプル。

その辺の壁同様登ることができる

とっさの弾除けにするもよし、要塞を築くもよし。そして、自分で作った壁も同様に、自力で登ることができる。シンプルにめちゃめちゃ高い壁を作って、その上から滑空して遠くへ移動するもよしと、戦略の幅を広げてくれること間違いなしの要素だろう。

パワー不足を逆手に取った「ちょうど良さ」

本作は1回のマッチの最大参加人数が24人と、他のバトロワゲーと比較するとかなり少ない。3人1チームなので最大8チームだ。おまけにそれほどプレイヤー人口が多くないので、もっと少ない人数で始まることもしばしばある。ここで「なんだ、つまんなさそう」と思うのはまだ早い。この人数の少なさが、メチャメチャちょうどいいのだ。

VRゲームは自分の肉体を使うゲーム。長時間やるとかなり疲れる。壁を登る動き、立ったりしゃがんだりする動き、除細動器をすり合わせる動き(一番疲れる)……。それだけでなく、とにかく没入感がすごいため楽しくても精神的にもかなり疲れる。その点からこの程度の参加人数だと疲れ果てる前にマッチが終わって「かなりちょうどいい」と言える。

酔いと言語には少しだけ注意

ベタ褒めしてきたが、正直あんまり良くない部分もある。まずVR慣れしていないと、絶対に酔うだろう。

移動中は酔い止めのため視界を狭めることができる

上記のように移動中は視界を狭めて酔いづらくする機能もあるが、これでもVRに慣れてないと絶対に酔う。これは「視界移動がおとなしい他のVRゲーで慣らしていく」「酔い止めを飲む」などでがんばってほしい。乗り越えてでもやる価値がある。

対人戦が3人チームモードしかないのも惜しい。ぜひソロモードが欲しいところだ。チーム戦だと当然ボイスチャットで連携が取れるほうが有利だが、現状チームメイトが日本人じゃない確率の方が高い。勇気を出して英語で話しかけるのも良いかもしれないが、そもそも筆者は日本人相手でもあまり知らない人とボイスチャットをやりたくないタイプなので、対人のソロモードで遊びたくなるのだ。

もちろんボイスチャットなしで知らない人となんとなく遊んでも十分に楽しいことは保証する。そもそも最初に降りる地点が大抵チームメイトとバラバラなので、ほとんど気にせず遊ぶこともできる。

どうしても知らない人とチームでやりたくない場合は、ボット相手に同様のルールで遊べるソロモードをプレイすることもできる。これはこれで楽しい。

本作を遊ぶ方法は?

本作をプレイするためにはVRゲームを遊ぶ環境をそろえる必要がある。一番手を出しやすいのはOculus Quest2だろう。比較的安価で購入できる上、高性能でPCなしでバリバリ遊べるVRヘッドセットだ。

Steam版もあるのでPC用VRヘッドセットをお持ちなら、そちらでも遊べる。

没入感がすごいので勝った時の気持ちよさもすごい

「ポピュレーション: ワン」の魅力を紹介してきたが、VRゲームは「百聞は一見にしかず」を地で行くジャンル。とにかく体験しないことには、そのすごさの1/100も伝わらない。

プレイするハードルは高いが、体験できるチャンスがあれば絶対に逃さず体験してみてほしい。本当にスゴいぞ! 映画「レディ・プレイヤー1」みたいな世界がもうそこまできているぞ!!

(文 ナ月/構成 ノオト)