タクティカルFPS「VALORANT」のエピソード2 ACT3で追加されたマップ「ブリーズ」。カリブ海のリゾート地をモチーフとしたマップで、広々としたエリアと長い交戦距離が特徴です。

ブリーズは公式大会「2021 VALORANT Champions Tour(VCT)」の一環である「VCT Stage 3 - MASTERS BERLIN(Mastersベルリン)」のマッププールにおいて、最も新しいマップとなりました。大会ではピック回数こそ少なかったものの、アンレートやコンペティティブでは頻繁にピックされるマップであることから、プロプレイヤーの技術や戦術を試合で学びたいと思ったファンも少なくないはず。

今回の記事では、Mastersベルリンで披露されたブリーズのテクニックや戦術などを紹介します。

「ブリーズ」のマップ

アビリティをふんだんに使ったBサイト攻め

最初に紹介するのは、Day 7に行われたF4Q対Sentinels(SEN)のラウンド9におけるBサイトへの攻め方。ソーヴァのアルティメット「ハンターズフューリー」を中心に多くのアビリティを駆使し、ラウンド開始から約35秒でスパイク設置に成功しました。このラウンドではBサイトにエントリーするまでに非常に多くのアビリティが使用され、安全かつ堅実にBサイトをとる動きを見せています。

Day 7、F4Q対Sentinelsでのハンターズフューリー

主導となるのはスカイ、キルジョイ、ソーヴァの3エージェント。ラウンド開始と同時にキルジョイはBウィンドウにタレットを設置、スカイはBエルボーをトレイルブレイザーでクリアリングして情報を得ます。次にキルジョイはナノスワームをBバックに向けて投てき。合わせてソーヴァのオウルドローンをBバック、スカイのガイディングライトをBサイトの中央に放ち、Bサイト内の情報を得ました。

アビリティをふんだんに使ったBサイトへのエントリー

そして間髪入れずに再びナノスワームをBバックへ投てきし、合わせてソーヴァのハンターズフューリーもBバックに向けて発射。Bバックを守っていたキルジョイをキルします。2つ目のナノスワームは発動前に破壊されてしまいましたが、仮に発動していた場合はディフェンス側アーチへの退路を塞ぐため、Bバックを守るプレイヤーはハンターズフューリーを避けるため相手に向かって前進するしかありません。

もう1つ重要なのが、ヴァイパーのトキシックスクリーンです。事前にクリアリングしていたBエルボーにヴァイパーが待機しており、ハンターズフューリーに合わせてBウォールのラインに向けトキシックスクリーンを発射。Bウォール付近にいたヨルがカバーしにくい状況を作り出しました。単独で動いていたジェットは中央トップからBサイトをオペレーターで覗いており、Bトンネルから退くプレイヤーや中央ネストから降りてくるプレイヤーをキルする動きをしています。

前回王者のSENが見せた堅実なBサイトの攻め方。どのエージェントも重要な役割を果たしており、高い連携力が求められる戦術です。普段のマッチングで完全に再現するのは難しいかもしれませんが、ハンターズフューリーやトキシックスクリーンの使い方など、1つのテクニックとして覚えておくといいかもしれません。

スタックとマネー管理

Day 5、Vivo Keyd対ZETA DIVISION戦でのデス

続いて紹介するのは、Day 5のVivo Keyd(VK)対ZETA DIVISION(ZETA)で見られた戦術「スタック」からのマネー管理です。ファーストラウンドを落としたZETAは、セカンドラウンドで生き残った4人全員がスパイクの爆風に巻き込まれてデスしました。この光景を不思議に思った観戦者も多かったのではないでしょうか? 普段からVALORANTをよくプレイしている人からすれば当たり前かもしれませんが、観戦のコメントで「なぜ?」との声が多かったため解説します。

まずセカンドラウンドにおいて、ディフェンス側のZETAはBサイトでスタックと呼ばれる戦術をとっていました。スタックとは1つのサイトを全員で守る戦術で、エコラウンドなどで相手の武器を奪うことが目的です。ブリーズはどのエリアも広く交戦距離が長くなってしまうため、クレジットで不利となるエコラウンドは他のマップと比較しても厳しいラウンドを強いられます。結果としてVKはがら空きのAサイトにスパイクを設置。ZETAはスパイクを設置されるまで1キルもできなかったため、スパイクの爆発から逃れるVKのプレイヤーを狙いました。

ゲーム内「報酬クレジット」の説明

次に重要なのはZETAのプレイヤー4人全員がスパイクの爆風に巻き込まれてデスしたこと。これは次ラウンドで入手できるクレジットを減らさないために実行しました。

VALORANTではパッチ1.11において「エコノミールールセット」と呼ばれるゲームシステムが採用されており、「アタック側がスパイクを設置せずに敗北し生き残った場合」と「ディフェンス側でスパイクが爆発して敗北し生き残った場合」に限り、連敗ボーナスがなくなり固定で1000クレジットが支給されるようになりました。

ZETAはファーストラウンドを落としているため、セカンドラウンドを落とすことでラウンド敗北(1900)に2連敗ボーナス(500)を加算した2400クレジットを獲得できます。しかしZETA側は生き残ってしまうとそのプレイヤーが固定で1000クレジット獲得となるため、1400クレジット損してしまいます。もしスパイクの爆風に巻き込まれずキルされてしまうと相手にアルティメットアビリティのポイントを与えてしまうため、スパイクで自らデスしたわけです。

ブリーズ限定のテクニックではありませんが、広々としたマップならではの戦術ともいえるでしょう。

終わりに

マップのピック回数こそ少なかったものの、コメントではピックされるたびに大盛り上がりだったブリーズ。これまでにない広々としたマップのため、戦術に悩んでいたプレイヤーも少なくないようです。エピソード3 ACT2では新マップ「フラクチャー」が登場。

ディフェンス側スポーンが中央という今までにないタイプのマップで、プロシーンではどのような戦術が繰り広げられるのでしょうか。