10月5日(日本時間)よりアイスランド・レイキャビクでリーグ・オブ・レジェンド(LoL)の国際大会「2021 League of Legends World Championship」(Worlds 2021)が始まります。日本の国内リーグ「League of Legends Japan League」(LJL)を勝ち抜き、日本代表として参戦するDetonatioN FocusMe(DFM)を含め、世界の各地域を代表する22チームが世界王者の座をかけてぶつかり合います。そこで、LJL公式解説者のRevolさん(@krevol)にWorlds 2021を前にインタビュー。Worldsの楽しみ方やDFMが出場するプレイインについて聞きました。

■Worldsの配信 ライアットゲームズ公式チャンネル

Twitch:https://www.twitch.tv/riotgamesjp
Mildom:https://www.mildom.com/10244404

11年目の歴史に魅力

――Worldsは、国内の高校野球であれば甲子園、サッカーの国際大会であればワールドカップと言えるような大きな大会です。Worldsの面白さや魅力とはどういう点だと思いますか?

Worldsの利点は「11年目であること」だと思うんですよ。つまりは過去10年間の積み上げ、歴史があるというところが一つ大きな引きになるかなと。

ライアットゲームズとしても、Worldsの過去の歴史が推しコンテンツだと思うんですよね。Worldsの紹介動画にも過去起こった数々のドラマやシーンがちりばめられていて、昔から見ている人にとって「これってあの時のことを映してるんじゃないか?」とわかるようになっている。そういった歴史の積み重ねや映像の花の部分をうまく伝えることで、Worldsが特別な場であることがわかるし、歴史的なものがある、勝ったらとてつもない名誉であるということも伝わると思います。

単一の国際大会で11年目になるタイトルってなかなかないと思うんですよ。eスポーツタイトルにはCSシリーズがあるので、最長の大会ではないと思いますが、これだけ長く続けられている、歴史があるというところがインパクトであり一番の魅力です。

「Worlds 2020: その記憶」/Worlds 2020 のハイライトを振り返った公式動画で、こうした過去の蓄積が魅力と言える

――確かに振り返ってみると、当時高校生だった自分もいつの間にか観戦を続けてきた、という感覚はあります。

そうですね(笑)。なので、まずは、そういった動画で取り上げられた選手を見るといいんじゃないかな。

――LoLの歴史の中で栄光のスター、ヒーローのような人たちは確かにいましたね。

今年はFaker選手(韓国第3シード T1のミッドレーナ―)など、色々なベテランの選手が出ますから、そういったところをフォローアップしながら伝えていけると初めて見る人でも、すごさというのが伝わるかなと思います。

――観戦初心者の方が観る際に注目しておくとよいポイントは何でしょうか。

例えばLoLに触れている方であれば、シンプルに自分が好きなチャンピオンや担当しているレーンのプレーを中心に見るというのが、観戦初心者としては入っていきやすいポイントかなと思いますね。

試合の序盤はチャンピオンを育てる時間なので、どれだけ効率よくチャンピオンを育てているのか、相手のチャンピオンが育つのをどうやって妨害しているのかなどが注目するべきところです。ただ、一番の花形はなんといっても5対5の集団戦ですから、そこを楽しみに待っていただけるとよいです。

5対5の時間帯を前に、キャスターが「この選手に注目するといいよ」ということを必ず言ってくれると思いますので、そのキャスターの声を聞いたり、一緒に観ている人の話を聞いたり。配信のチャットで「この選手がやばい」と言っているのを見ながら、「誰を中心に観るのかを絞り込むこと」が観戦の初めとしては一番よいと思います。

――集団戦はキャスター陣のテンションも高く、映像としても花がありますよね。

集団戦の実況はとてつもない熱量で、聞いているだけで盛り上がってくるので、集団戦の時だけはちゃんと実況を聞いてほしいなと思いますね。それだけでも楽しめる度合いが全く違ってきます。三者三様の実況スタイルがあるのでめちゃくちゃ面白いです。中にはミュートで観ている方もいらっしゃるとは思うんですが、観戦初心者であればなおさら、ミュートせずに実況解説を聞きながら、特に集団戦の実況を楽しみにしながら観ていくとよいでしょう。

日本代表DFM、1位にも5位にもなる可能性

LJL解説者のRevolさん

――次は日本代表であるDFMも出場する、Worlds 2021の本選出場をかけたプレイインに注目していきたいと思います。今年のプレイインは、最初に脱落するのが各グループの5チーム中1チームのみという、本選出場へのチャンスが手広い形式になりました。今回DFMが配属されたグループBの組み合わせについてどう考えますか。

Worlds 2021の大会形式

◆プレイインステージ(現地時間10月6日~10月10日)
DFMを含む10チームが参加し、5チームずつ2グループに分かれて戦う
5位:敗退
3,4位:改めて対戦し、別グループの2位チームと対戦し、勝利すればグループステージ進出
2位:別グループの3,4位チームの勝者と対戦し、勝利すればグループステージ進出
1位:グループステージ進出

〈グループA〉
Hanwha Life Esports
Infinity Esports
LNG Esports
PEACE
RED Canids Kalunga

〈グループB〉
Beyond Gaming
Cloud9
DetonatioN FocusMe
Galatasaray Esports
Unicorns of Love

◆グループステージ(同10月12日~)
プレイインを勝ち抜いた4チームに、新たに12チームを加えて対戦

◆ノックアウトステージ(同10月23日~11月7日)
準々決勝、準決勝、決勝を行う

実力的にも面白いチームが並んでいて、全ての試合が白熱して一方的な展開はまずないでしょうし、予想が本当に難しいグループになったと思います。おそらく、過去のプレイインの中で一番面白いグループができたんじゃないかと。ただ僕は、今回のクジを引いたJankos選手が嫌いになりそうですね(笑)。

日本代表のDFMとしては全ての順位を狙えるグループになった。1位も狙えますし、もちろん5位にもなりえるしという意味で、本当に難しいグループになっていると思います。CIS(ロシアを含む独立国家共同体)地域やトルコ地域の代表もとんでもなく強いチームです。ただ、MSIから続いてCloud9(C9)と再び戦うというのは、今年から国際大会を観始めた人にとっては観やすいポイントになるのかなと思いますね。

――今回のプレイインでは、Round1で2位から4位になった場合にRound2でグループAのチームと対戦する可能性があるのですが、その場合の要注意チームはどのチームになるでしょうか?

どう考えても、⁠Hanwha Life Esports(HLE、韓国第4シード)とLNG Esports(LNG、中国第4シード)のチームが抜きんでていますよね。両チームとも、各ロールの選手ランキングをみたら、「あれ?1位候補の選手がいない?」みたいな。HLEはミッドレーナー(Chovy選手)、LNGはジャングラー(Tarzan選手)が1位候補ですし、そういう選手がPlay-Inにいるというのは、刺激的ではありますけど戦う可能性があるチームからすると怖いですよね。

――Worlds 2018でDFMの本選出場を阻んだEDward Gaming(EDG、中国第1シード)がいたプレイインの記憶がよみがえりますね。ただ個人的には、今年のDFMは期待は高く、過去最高の仕上がりとロースターになっていると思うのですが、Revolさんとしてはいかがでしょうか。

僕も同意見ですね。過去、LJLが輩出した国際大会で戦うチームの中で、今年のDFMは一番強いチームになっていると思います。そのため、グループBがより面白くなっているという部分もあると思いますし、プレイインに出場する全チームの試合内容を見ると、やはりLNGとHLEが抜けているんですが、他のチーム相手であれば勝てる可能性があるくらいの仕上がりを持っている。ただ一発勝負というのが難しい所ですね。

――グループステージのBO1(1本先取)という試合形式はやはり難しいポイントになりますね。

しかも今回は日程の関係上、例年と違って各チームと一度ずつしか対戦できないスケジュールになっているので、事前の準備と相手が何を出してくるのか、どういうカードを持っているのかの読み合いが本当に難しいポイントになりそうです。

グループステージ、要注意チームと注目選手は

ーーDFMのグループBに関して、Revolさんが注目しているチームや選手はいかがでしょうか。

グループBで一番強いと思っているのは、Cloud9ではなくBeyond Gaming(台湾第2シード)なんですよね。ボットレーナーのDoggo選手がとてつもなく強いので。

――MSIではPSG Talonの選手として出場していましたね。

MSIの時は少し特殊で、本来のキャリーであるUnified選手が飛行機に長時間乗れない状況だったんですね。その代わりにDoggo選手をローンで借りて、PSG Talonの選手として出場した。元々は春からBeyond Gamingで出場している選手です。

今年、ようやくスタメンでデビューした1年目の選手なんですよ。それで、Twitterを見ていたら、Sengoku Gaming(LJLに出場しているプロゲーミングチーム)のGango選手がBeyond Gamingのボットの2人が一番大変だった、と言っていて、それは怖いなと。

――実際に各地域の試合は観られた時の印象はいかがでしたか?

Beyond GamingとPSG Talonが戦っている2試合をチェックしたのですが、ボットデュオの強さとトップのアグレッシブさがかなり強い印象に残っています。ゲーム展開の作り方という面でも「強いチーム」だなと改めて感じたので、グループBの中だと一番警戒すべきチームなのかなと思っています。

一方のCloud9なんですけど、読めないんですよね、強さが。

――本当に難しいですよね。良くも悪くも、安定したパフォーマンスを見せているロールの選手がいる中で、と言いますか。

ミッドのPerkz選手とジャングルBlaber選手がどっちに傾くかなんですよ。パフォーマンスのふり幅が本当に広くて、上の方に振れると非常に強いんです。Beyond Gamingなんて目じゃないくらいに倒すと思うんですけど、そこが読めないので評価が難しいですね。そういう意味でいうと、対Cloud9は難しさはあるかもしれないです。

――観ている分であれば面白いとは思います。

何を見せられるのか全くわからないという意味で、びっくり箱のような怖さがありますよ。解説の面でも(笑)。でもやっぱり、全体的にBeyond Gamingの方が怖いかなという印象があります。

――グループAについてはいかがでしょう?

やっぱり、LNGとHLEの直接対決ですよね。この2チームが対決したらLNGが勝ちそうだなというのがあるので、注目のチームはLNGかなと思います。注目選手はもちろんHLEのChovy選手が間違いないんですけど。

一方で、LNGは結構Tarzan選手が注目されがちじゃないですか。だけど個人的には、トップのAle選手が旋風を巻き起こすんじゃないかと期待している選手です。非常に個人技の高い選手で、過去カミールが強かった時期に韓国サーバーでランキング1位になったことがあるんですよ。それくらい個人技の高い選手であり、Ale選手が夏からスターターになったことでLNGの躍進が始まったといっても過言ではないほど重要な選手でもあります。プレイインはChovy選手と共にトップレーンのAle選手に注目すると面白いかなと思いますね。

――ありがとうございました。DFMの戦いに注目ですね。

Revol

レボル 吉本興業所属のeスポーツキャスター。リーグオブレジェンドの国内プロリーグであるLJLの解説を担当。その経験に基づく、膨大な知識量からBan&Pick予想は高い的中率を誇っている。

LJL解説者のRevolさん

【著者紹介】明形 知式

あけがた・ちしき 友人から「宇宙人」と言われるWebライター。LoLやストラテジーゲーム全般と読書が趣味です。好きな言葉は「愛するということは、おたがいに顔を見合うことではなくて、いっしょに同じ方向を見ることだ。(人間の土地/サン・テグジュペリ)」。