快適なネット、防音設備でよりよい環境に

――新たな拠点を作られた率直な感想を教えてください。

20名のスタッフが働けるワークスペース、選手たちが通えて、快適にプレイできる場所を整えられましたが、まだまだ通過点だと思っています。より規模を大きくしていきたいです。

選手に通ってもらう拠点なので、選手も近くに住まなくてはなりません。現状、寮のような施設はありますが、いずれはマンションを一棟所有し、選手全員がそこから通ってくるようにしたいと考えています。そうすればREJECTの強さをさらに引き上げられると思います。

――選手の反応はいかがでしたか?

「凄っ!」という感じです(笑)。地下のゲーミングベースの回線が速いこと、スポンサーさんから一流のデバイスを提供いただいていることもあって、今までよりもゲームに打ち込めているのではないでしょうか。

これまではスクリムなどで声を出していると「静かにしてほしい」と近所の方に注意されることもありました。完全防音にしたことで周囲を気にせず声を出せ、楽しく配信もできているようです。

家も確保され、食事もついている。「これまでにない環境だ」と選手も言ってくれています。

REJECTのホームは「海外」になるかもしれない

――REJECT GAMING BASEはゲーミングハウスではなくオフィスの一部を選手と共有する形の拠点です。経済面のメリットもあるのでしょうか。

正直なところ、全くありません。コストパフォーマンスは悪い。地下のゲーミングスペースの内装工事費が特にかかりました。短期的に見れば、実はめちゃくちゃ赤字なんです(笑)。ただ、選手にとってはゲームプレイの面だけでなく、いい環境ができたと自負しています。長い目で見れば、コスト以上の効果はあるかもしれませんね。

だれが言うでもなく、選手たちは朝オフィスに来ると、2階のオフィスフロアに行ってスタッフに挨拶をするようになりました。みんなでワンちゃんと遊んだり、これまでになかった形の交流も生まれています。

――自治体とタッグを組むチームも増えているなか、REJECTが「ホームタウン」を全面に出さないのは戦略的な意図があるのでしょうか?

我々の思想とシナジーのある自治体が出てきてタッグを組めればいいのですが、現状そのような自治体はありません。また、「ホーム」を作ってしまうと、そこでしか活躍できないようになってしまう気もしたのです。

まだREJECTは成長過程にあります。REJECTの最終的な拠点は海外にできるかもしれない。だからこそ、ホームタウンをどこに置くかはまだ決めないほうがいいと考え、今のような形になりました。

海外トップチームと闘えるブランド力を

REJECTの新拠点

――ドキュメンタリーや選手個人の動画コンテンツを配信しているチームもあります。REJECTの今後のコンテンツ展開はどのようなものを考えていますか。

正直に言うと、動画のコンテンツに関して今まで否定的でした。以前我々が入居していたゲーミングハウスだとどうしても生活感が出てしまい、REJECTが求める「カッコよさ」を追求できなかったんです。

今は満足いく環境もできたので、選手個別のコンテンツを拡充していきたい。大会運営などもしたいですね。

ーー改めて今後の展望を。

海外の著名チームは10~20年の歴史を持っています。一方でREJECTは設立してからの年数が浅く、ブランド力が弱い。新たな拠点を構え、大会に出場し、優勝し続けることでブランド力を伸ばし、歴史のあるチームと戦えるチームを目指します。

そしてアパレルだけでなく、REJECTを愛してくれるストリーマーをチームに迎えて、クリエイティブの力も加えてさらにブランド力と高め、グローバル視点で見てもかっこいいチームにしたいですね。

(文・小林たかし)