【VALORANT】CR・Medusaが試合後に語った課題「情報を共有できていなかった」 ベルリンで見えた新たな目標

「VALORANT」の公式大会「2021 VALORANT Champions Tour(VCT)」の一環として、国際大会「VCT Stage 3 - MASTERS BERLIN(Mastersベルリン)」が9月10日に始まりました。日本代表としてZETA DIVISIONと共に出場したCrazy Raccoon(@crazyraccoon406)はDay 2に迎えた初戦でGambit Esports(GMB)に敗れたものの、グループCのLowerブラケットでHavan Liberty(HL)との戦いを制し、日本時間17日未明にあたるDay 7で再びGMBと対戦しました。
結果は0-2で敗北でしたが、Day 2のような大敗ではなくGMBを追い込む場面が何度も見られ、チームとして大きく成長した姿を見せました。GAMEクロスではDay 7のGMB戦後、オンライン通話にて現地のMedusa選手(@FortheMedusa)へ独自インタビューを実施。Mastersベルリンを振り返ってもらいました。
GMBとの初戦では、両マップとも1ラウンドしか取得できず合計ラウンド数2-26で大敗を喫しました。Day 5のHL戦では徐々に調子を取り戻し勝利するも、一度大差で負けたGMBとの再戦に多くのファンが不安を隠せずにいました。
しかし1マップ目のアセントでは試合開始から6ラウンド先取するなど、序盤から初戦のGMB戦とは「何かが違う」と視聴者に思わせてくれたCR。その勢いを感じるプレイに、Medusa選手は「自分たちはビビらずにプレイした方が強い」と試合を振り返っていました。
「大会前のスクリムの段階では大きな問題点はなく成績こそ良かったものの、大会で(Day 2のGMB戦を経て)問題点が見つかりました」
Day 7では萎縮せず果敢に挑んだことで、チームとして大きく成長した姿を見せました。勢いづいたCRを見て、多くのファンが「今度は勝てる」と期待に胸を膨らませたことでしょう。
1マップ目のアセントでは、Medusa選手と同じくGMBのnAts選手もサイファーをピック。「nAts選手はサイファーの師匠」と語るMedusa選手は、nAts選手のプレイを何回も見て学んだそうです。
「アセントでnAts選手は30キル以上。本当に強い。やっぱり師匠」
また、オペレーターで何度もCRの侵攻を食い止めたd3ffo選手については「もっとプレッシャーを与えて前に出づらい状況を作るべきだった」と述べていました。CRはソーヴァをピックしていなかったこともありますが、ディフェンダースタートの良さを生かせていなかったようです。
1マップ目のアセントでは序盤でCRが勢いづくも、テクニカルポーズにより何度も試合が中断しました。テクニカルポーズの最中はコーチはもちろんメンバーとの会話も禁止。
中断の最中は試合の内容を振り返って集中しているのかと思いきや、「ポースの間ずっと(GMBの)Chronicle選手と目が合って、一緒に笑っていました。ゲーム内の『どうすればいいか』を考えず、Chronicle選手とずっと笑っていた」と笑顔で振り返りました。
サイファー友達 gl tmrw @nAts__ss pic.twitter.com/RL3llVzHAf
— MEDUSA (@FortheMedusa) September 16, 2021
結果、1マップ目はGMBが追い上げ8-13で落としてしまいます。続く2マップ目はCRがまた勢いを見せ、8-4と差をつけて攻守交代を迎えます。
あと一歩届かない展開が続くと、12-12でオーバータイムに。勝負はどちらに転んでもおかしくない状況でしたが、GMBが一枚上手の立ち回りを見せて2マップ目も取り、CRは0-2で敗北となりました。
試合後のインタビューでは「CRの課題はコミュニケーション」と強調したMedusa選手。自身が出場しなかった2マップ目のアイスボックスでは5人の画面を見ながらコーチと話をしていて、「アイスボックスに関しては俺たちの(コミュニケーションの)ミスで負けたと思っている」と悔しさをにじませます。
Medusa選手は韓国出身でありながら、流ちょうな日本語を話すプレイヤーです。韓国語と日本語の両方を扱えるMedusa選手から見たCRは、「言語の問題だけじゃなく、出場している5人の選手全員が必要なコミュニケーションをとれていない」と指摘。「大事な情報を持っているのに他の選手に伝えられず、結果としてトレードキルをとることができなかった」と、大会を終えて問題点がハッキリしたそうです。
Stage 3で選手が入れ替わり7人体制となったCRの印象を聞くと「新たなメンバーは特にフィジカルが強い」とのこと。コミュニケーションの課題は残ったものの、現メンバーの長所を生かしつつ問題点を改善し、年末の国際大会「2021 VALORANT Champions Tour - Champions」でリベンジしたいと意気込みを語りました。
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1年に渡るシーズンの締めくくりとなる「Champions」は再びベルリンで、12月1~12日(現地時間)で開催予定。日本からはCRが出場権を得ており、ZETA DIVISIONとREJECTも10月11~17日に行われる「APAC ラストチャンス予選(LCQ)」を勝ち抜けばChampionsへの切符を手にします。
CRにとって因縁の相手であるGMBもChampionsに出場を決めており、世界の舞台で再び相まみえるか、期待が膨らみます。
試合後のインタビューはオンライン通話を使って実施しました。以下、全文を掲載します。
――GMBとの再戦の印象は?
自分たちはビビらずにプレイした方が強いですね。
――コミュニケーションが課題と何度も仰っていました。
大会前のスクリムの段階では大きな問題点はなく成績も良かったんですが、大会で(Day 2のGMB戦を経て)問題点が見つかりました。2回目(Day 7のGMB戦)はビビらずいけて、前回よりも成長しました。
――Medusa選手が出場していないマップもありました。どのような思いで試合を見ていましたか?
試合に出ていないときはコーチと色々話ができますし、5人の画面も見られます。そこで色々問題点が見つかりました。「今のラウンドは誰がミスった」とか、「次のラウンドはお金がでない」とか。アイスボックスに関しては俺たちのミスで負けたと思っています。ミスがものすごく多かった。
――具体的にどのようなミスでしょうか?
コミュニケーションのミスが大きいです。言語の問題というよりも、話さないといけないときに話さない。大事な情報を自分だけが持っていて、話さないとか。言語の問題もあありましたが。
――日本語と韓国語を話せるMedusa選手がいないと、言語的な壁も大きいのでしょうか?
間違いなくうまく取れていないです。でも言語の問題だけじゃなくて、5人全員が情報共有できていない。だからトレードができていない。大会が終わったから言えますが、問題点が見つかってよかった。
――アセントでは6ラウンド先取しましたが、テクニカルタイムポーズで何度か試合が中断されました。その時の心境は?
ポースの間ずっと(GMBの)Chronicle選手と目が合って、一緒に笑っていました。ゲーム内の「どうすればいいか」を考えず、Chronicle選手とずっと笑っていた(笑)。
――オペレーターが光っていたd3ffo選手は?
もっとプレッシャーを与えて前に出づらい状況を作るべきでした。自分たちにはソーヴァがいなかったんですが、ピックのミスというよりは守り方のミス。
――nAts選手のサイファーは?
nAts選手はサイファーの師匠みたいな人。nAts選手のプレイを何回も見て真似しました。強いです、本当に。
――実際に対戦できてよかった?
アセントでnAts選手は30キル以上。本当に強い。やっぱり師匠。
――Stage3からCRは4人も新しい選手を迎えました。印象は?
新たなメンバーは特にフィジカルが強い。それをちゃんと、これからも生かしたいです。
――Championsに向けての意気込みは?
ベルリンで負けてしまったけど、問題点は見つかりました。Championsで(GMBにリベンジできるように)頑張ります!
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