目次

  1. ブランドコンセプトは「Road to Clutch」
  2. 「ゲーミングハウス」から選手が「通う」拠点に
  3. 筑波大と共同研究 アパレルブランドの事業も始動
  4. 完全防音、高速回線のプレイ環境

プロeスポーツチームREJECT(@RC_REJECT)を運営する株式会社REJECTは16日、東京都文京区に新たな拠点となる「REJECT GAMING BASE」の設立とブランドコンセプトの変更を発表しました。真新しいREJECT GAMING BASE内でメディア向け内覧会と事業戦略発表会が開かれました。

チーム公式サイトhttps://reject.jp/

新コンセプトを説明する甲山社長

イベントでは、株式会社REJECTの甲山翔也社長が登壇。新しいブランドコンセプトとして甲山さんが掲げたのが「Road to Clutch」です。「人生を彩るeスポーツ体験を提供し、世界に誇れる産業を作る」とのミッションを実現するためにチャレンジする姿を表現した言葉と説明しました。

特徴的なのが、FPSやTPSなどの対戦ゲームにおいて人数不利を覆して勝利した際に使われる単語「Clutch(クラッチ)」という単語です。これまでのコンセプトは「NOT JUST A GAME」でした。甲山社長は「eスポーツチームとして初めて渋谷のスクランブル交差点に屋外広告を打ち出した昨年から、新たな未来を描くために新ブランドコンセプトを打ち出す必要があると考えていた。その中でRoad to Clutchという言葉に惹かれた」とコンセプトを変更した理由を語りました。

ゲーミングスペースでゲームをプレイする選手

新たな拠点となる「REJECT GAMING BASE」は地下1階、地上3階建てです。地下1階はもともとあった防音スペースを改造したゲームプレイ用のスペース。1階はコミュニティスペース、2階がオフィスフロア。3階にはキッチンがあり、選手が食事をできるスペースになっています。

1番狭いスペースはセットアップ中とのこと

選手に対しては、トレーニング面だけでなく様々なサポートを用意しました。たとえば、株式会社テンダーラビングケアサービスから調理師が派遣され、栄養面に配慮された食事が選手に提供されます。

また月に1回、東京ヤクルトスワローズやFC東京のメンタルトレーナーを務める高畑好秀さんのメンタルコーチングを実施。メンタル面でのサポートも受けられます。

選手やスタッフの「癒やし」になっているという愛犬を抱く甲山社長

また、この「REJECT GAMING BASE」は選手が共に生活する「ゲーミングハウス」ではなく、近場の寮から「出勤するような形」で使う拠点となります。甲山社長は「一軒家を借りる形では騒音の問題があります。マンションのような場所は回線環境が良いとは言えず、どうしてもプレイしづらい。また、選手の年齢層が高くなるにつれ、どうしてもシェアハウスのような方式がやりづらくなってしまった」と、その理由について語りました。

共同研究について説明する松井崇さん

また、発表イベントでは、運動生化学やスポーツ脳科学、eスポーツ科学を研究する松井崇・筑波大体育系助教授も登壇。9月8日より始動している筑波大とREJECTによる共同研究の内容も明らかにされました。

eスポーツは競技性や遊戯性が高いだけでなく、障がいを持っている方や高齢者でも楽しめるバリアフリーの要素が期待されています。一方でeスポーツ選手を含めた長時間プレイや、それに伴う生活習慣の変化に伴う選手の健康問題が指摘されることもあります。

そこで共同研究では、こうしたeスポーツ選手の健康状態における課題と対策、長時間ゲームをプレイした際の心理的特性などを明らかにするために行われます。研究はREJECT所属の約40名の選手を対象に、2023年3月末まで行われる予定です。

さらに、新たな事業として展開するアパレルブランド「REJECT」についても説明がありました。「ALMOST BLACK」を手がけるファッションデザイナーの中嶋峻太さんがディレクターを務めます。ミリタリーウェアをベースにしたオリジナルデザインのアイテムは撥水性のある素材で作られ、デザイン性だけでなく機能性を持ち合わせたものになります。

REJECTの各商品は、公式オンラインストアにて販売されます。

ゲーミングスペースで2番めに大きな部屋

発表イベントにあわせて、地下1階のゲーミングスペースも公開されました。室内は防音扉によって3部屋に区切られています。完全防音仕様というだけあり、扉を閉めると外の音はほとんど聞こえなくなります。

1番狭いスペースはセットアップ中とのこと

選手が使用するゲーミングデバイスはREJECTがスポンサー契約を結んでいる「IODATA」「noblechairs」「SteelSeries」の最新鋭をそろえています。加えて、各部屋の回線は「ATMなど通信障害が起こってはいけないものに使われているような高速回線」(甲山社長)を使用しており、プレイに没頭できる環境が整っています。

記念撮影する松井崇さん(左から)、CRAZYGORI選手、REIJI選手、SARA選手、甲山社長

室内照明はREJECT GAMING BASEの頭文字をとったRGB(光の3原色)を採り入れ、グラデーションも操作できる仕様です。「ここでゲームがしたい」と惹かれる未来のプロゲーマーが登場しそうな雰囲気でした。

新拠点を舞台に新たなスタートを切ったREJECTの今後に注目です。

(文・小林たかし)