クッキーレス時代の到来【あつまれ どうぶつの森version】

難解なデータサイエンスのすそ野を広げたい

――NRIという企業名と「あつ森」との組み合わせにギャップを感じるのですが、今回の企画を立案された経緯についてお聞かせください。

2021年の4月、私が所属しているNRIデータサイエンスラボが設立されました。設立当初からの課題が、データサイエンスとは何で、どのように社会に役立っているのかを多くの方々に理解してもらうことでした。

データサイエンスはeスポーツを始め、様々な分野で活用されています。一方で、AI、機械学習、ディープラーニングといった用語を聞いたことがあっても、意味を正しく理解されていないかたも少なくない。また、難解でとっつきにくいところもあります。

難しいものの構造的な理解には何が適しているのかを考えた末、まず着目したのが動画というメディアを活用した情報発信でした。

――そこからなぜ「あつ森」の活用を考えたのでしょうか。

YouTubeなどを見ていると、プロと遜色のないクオリティーの動画を投稿されている方が多いです。また、コンテンツの数も膨大にあります。ただ用語を解説した動画コンテンツを作るだけでは、注目を集めることが難しいと考えました。

その中で、NRIデータサイエンスラボのコンテンツを多くの方に見てもらうためには、「あつ森」を活用するという少しとがった「斜め上の発想」が必要だったのです。

また、日本では、データサイエンスを担う「データサイエンティスト」やデータサイエンスに関わる人材が不足しています。データサイエンスを知ってもらうだけでなく、これからデータサイエンスを学び、関わってもらえる方のすそ野を広げたい、という思いもありました。

だからこそ、大人から子供まで幅広い層に愛されている「あつ森」の力を借りようと考えたのです。私自身、ゲーム世代ということもあり、ゲームというメディアには前々から色々な可能性があると思っていたので、抵抗はありませんでした。

わかりやすさの秘訣はナラティブ・アプローチ

――データサイエンスというと難しいイメージがありましたが、「クッキーレス時代の到来」「ディープラーニングって何?」など「あつ森でデータサイエンス」の動画はとてもわかりやすいです。作成にあたって、どのような工夫があったのかを教えてください。

専門家が専門知識のない人に分かりやすく説明すること自体が難しい。そこで一連の「あつ森でデータサイエンス」の動画では、どなたが見てもわかりやすいシナリオを作るため、ナラティブ・アプローチと呼ばれる手法(=対象者が語る「物語〈narrative〉」を通して、解決策を探る手法)を採用しました。

NRIデータサイエンスラボのメンバーが、データサイエンスの知識がほとんどないグラフィック・ファシリテーターにデータサイエンスの専門用語を説明し、わからない点を徹底的に質問してもらいました。専門知識のない人が理解に苦しんだり、迷ったりして、おぼろげながら理解ができるまでのプロセスを、シナリオに落とし込んでいます。

――動画だけでなく、「あつ森」のゲーム内にオリジナルの「NRIヨコハマ島」を作成しています。

データサイエンスの面白さや奥深さは、動画コンテンツをただ見るだけでは、知っていただくのが難しいです。ゲームをプレイすることを通して「体感」していただく必要もあるのではないかと、企画当初より考えていました。

横浜みなとみらい地区にある「NRI横浜総合センター」をイメージして、私たちが作成した「NRIヨコハマ島」には、ゲームを通して、データサイエンスを学んでいただくために謎解きをプレイすることができます。

第一弾は統計学で有名な「ベイズの定理」に関する謎解きとなっています。第二弾となる謎解きも2021年10月に公開予定です。

ゲームの力を借りてハードルを下げたい

――今後どういった展望を考えているか、教えてください。

ゲームというメディアの力を借りることによって、どれくらいデータサイエンスのハードルを下げられるかが、私たちにとっての大きなチャレンジです。

多くの方々にデータサイエンスについて知っていただくだけでなく、「NRIヨコハマ島」や「あつ森でデータサイエンス」を通して、幅広い世代の方たちがデータサイエンスに興味を持つきっかけになるようなコンテンツを作っていきたいと考えています。

今後も「NRIヨコハマ島」にデータサイエンスをモチーフにした謎解きを用意していきます。ぜひ、お楽しみください。

●野村総合研究所データサイエンスラボYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCpy_3_wYutf5u0U4DdOziGQ

●「NRIヨコハマ島」夢番地
DA-9879-3587-0715