2021年8月のPlayStation Plus会員向けフリープレイタイトルの1つである「Plants vs. Zombies™: ネイバービルの戦い(以下、ネイバービルの戦い)」。皆さんはプレイしただろうか。

※フリープレイでの提供期間は9月6日まで。

メニュー画面

あまりにもワケがわからなくて、スルーしてしまった方もいるかもしれない。しかし、このゲームは素通りしてしまうにはあまりにも惜しい独特な魅力があるので、紹介させてほしい。

そもそも「Plants vs. Zombies™」ってなんなの?

まず、そもそもの「Plants vs. Zombies™(通称、プラゾン)シリーズについて解説させてほしい。知ってたら読み飛ばして良いから。

EA傘下のゲームスタジオPopCapの看板シリーズ「Plants vs. Zombies™」は、人間の脳ミソを食べたがるゾンビと、やたら攻撃的な植物(プラント)たちの戦いを描いたゲームだ。「脳ミソ」とか「ゾンビ」とかグロい言葉を並べてしまったが、シリーズのどのタイトルもめちゃめちゃポップな作風なので、小さな子どもでも安心して遊べるだろう。たぶん。

本記事で紹介する「ネイバービルの戦い」はTPS(サードパーソンシューティング)ゲームだが、1作目はTD(タワーディフェンスゲーム)だった。

画像はiOS版「Plants vs. Zombies™」

コンセプトは「庭からゾンビが入ってくるので、攻撃的な植物を植えまくって撃退する」という、突拍子もない設定。どうかしているキャラクターたち。そして何よりゲーム自体の完成度の高さで人気を博した。筆者もめちゃめちゃハマった。

TDのシステムを継承した続編「Plants vs. Zombies™ 2」や、DCG(デジタルカードゲーム)となった「Plants vs. Zombies™: Heroes」などさまざまな派生作品が生まれた。

そんなプラゾン派生作品の1つに「Plants vs. Zombies™ ガーデンウォーフェア」がある。ジャンルはなんとオンライン対戦TPS。

ゆるくてポップでどうかしている雰囲気はそのまま、今まで敵として登場していたゾンビとしても戦える、シリーズファンにはうれしい仕様だ。そして何よりTPSとしての完成度の高さで、これはこれで人気シリーズになった。続編の「Plants vs. Zombies™ ガーデンウォーフェア2」を経て発売されたのが、プラゾンシリーズのTPS第3弾、本記事で紹介する「ネイバービルの戦い」だ。

子どもやTPS初心者にもおすすめできる「Plants vs. Zombies™: ネイバービルの戦い」

前置きが長くなってしまった。ようやく本作の紹介だ。先ほども紹介したように、本作はTPS。プラントの軍勢とゾンビの軍勢がタイトル通り「ネイバービル」を巡って撃ち合う内容だ。

プラゾンシリーズは、設定を細かく理解しようとすると頭がこんがらがってくるので、あまり気にしないでいい。「植物」「ゾンビ」「撃ち合い」だけ覚えておけば問題ない。

プラント側の操作画面
ゾンビ側の操作画面。キャラクターが違うだけで画面や操作は変わらない

プラント、ゾンビの所属は自由に行き来することができる。気分で所属を変えていい。

ロビーの所定の場所でプラントとゾンビを切り替えられる
プラントのテント

本作のロビー画面であるギディ公園には、このようなゾンビ側、プラント側それぞれのテントが存在し、所属したいテントに入ることで所属を切り替えられる。

筆者がプレイしたところ、どうもプラントのほうが人気らしい。プラントの方がかわいいからか?

プラント側でマルチプレイを遊ぼうとしたら、ゾンビ側に配置されることもよくある

本作は、8vs8、4vs4、最大24人で戦うゴチャゴチャしたモードなど多彩なPvPモードのほか、複数人で遊べるPvEモードなどマルチプレイがかなり充実している。

マルチプレイヤーポータルに飛び込むことでマルチプレイに参加できる
多人数プレイは画面が騒がしくて楽しい

本作の特徴としては、ゾンビはゾンビなので歩こうが走ろうがノコノコ動くし、植物はそもそも植物のくせに地面を歩くのはどういうことなんだと言いたくなる存在なので、こちらもノコノコ動く。

他のハイスピードなTPSやFPSに比べるとモッサリしていると感じるかもしれない。しかしその分、弾も敵に当てやすいので、「全然当たらないんですけど!?」ということはあまりないだろう。TPS・FPSなどのシューター初心者にもオススメできる。

ついでに、武器は植物の種や汁か、ゾンビの銃だし、プラントでもゾンビでも撃たれてバンキッシュ(キル)されても全然グロくないので、子どもや心臓の弱い人にもオススメできる。シューターゲーム英才教育に良いだろう。

対戦のリザルト画面

また、負けてもこんな感じなので、怒りや悔しさよりも脱力感が勝る。精神的にも優しい。

プラント、ゾンビ、キャラクターの魅力

本作の大きな魅力として、キャラクターがめちゃめちゃ愛くるしい点が挙げられる。ゲームには関係ないと思われるかもしれないが、関係ある。どうせ遊ぶならキャラがかわいい方がうれしいからだ。一部紹介しよう。

プラント側

プラントはその名の通り植物の軍団。植物のくせに全員動き回るしやたら攻撃的だ。リーダーは、この画面上部の「クレイジーデイブ」というクレイジーな人間。1作目では良き隣人として登場する。

プラント側のキャラ一覧

使用キャラ一覧はこちら。みんなかわいいが、どことなく恐ろしさをはらんだデザインだ。キャラクターごとに「アタック」「ディフェンス」「サポート」の3種類の役割と、ここでは紹介しないが「群れ」を加えた全4種類の役割がある。

同じ役割、同じキャラクターを選ぶことも可能だが、できれば役割はチーム内でばらけさせたいところ。

キャラクターの一部を紹介しよう。

ピーシューター

ピーシューター。かなり使いやすい。役割は「アタック」で、口からマメを撃ち出して攻撃する。「ピーダッシュ」という高速移動できるアビリティで前線に突っ込み、「チリビーンボム」というグレネード的なやつを投げつけよう。

また、理屈はわからないが、根を張ると「ピーガトリング」というガトリング砲になる。動けない代わりにめちゃめちゃ強力なので、高所などに陣取ってゾンビを蜂の巣にしたい。

チャンパー

チャンパー。食虫植物がモチーフか。見た目通りゾンビを食べることができる。怖すぎる。役割は「アタック」だ。「スパイクウィード」「汚いドロロ」と相手を拘束するアビリティを2つも持っている上に、「穴掘り」で地下から接近して一撃で敵を倒せる。代わりに遠距離から狙われるとほとんど何もできないので、うまいこと敵の背後をとりたい。

サボテン

サボテン。役割は「ディフェンス」。見た目の通り、針を飛ばして攻撃するスナイパーキャラ。右上にいる一つ目のめちゃめちゃ怖いキャラはニンニクのドローン、ガーリックドローンだ。わけがわからないだろうが、なんとか受け入れてほしい。

頭上の花を振り回して浮遊する「花びらプロペラ」で高所をとって、遠距離からゾンビにブスブス針を打ち込もう。「ガーリックドローン」を使えば自分は安全なところにいたまま空襲を仕掛けることもできる。隠れているところがバレるとマズいので、隠れる付近には「ポテトマイン」を仕掛けておきたい。なぜジャガイモが地雷になるのかはわからないが。

シトロン

シトロン。でかい柑橘系のプラント。役割は「ディフェンス」だ。高火力、高耐久のタンク的なキャラクターだ。シールドがかなり強力なので、拠点の防衛やらチェックポイントの奪い合いで真価を発揮する。

シールドで蘇生中の味方をカバーしてあげるとかなり感謝される。硬すぎて、ゾンビ側で戦っている時にプラント側にこいつがいたらかなりウゲーっとなる。柑橘系らしく、ダッシュ時にゴロゴロ転がれるのがかわいい。

ローズ

ローズ。魔法使いっぽい見た目通り、バラなのに魔法が使える。役割は「サポート」で、アビリティで味方の攻撃力を上げたり移動速度を上げたりできるので前線維持にもってこいだ。

相手のゾンビをヤギに変える魔法がかなり強力。なんでバラが魔法を使ってゾンビをヤギにできるんだ。なんなんだ。ヤギになったゾンビは一定時間突進くらいしかできることがなくなるので、ローズがヤギにしたゾンビを他のプラントがボコボコにして、「神秘のエニグマ」で他のプラントの移動速度を上げて前線をモリモリ押し上げることができる。

サンフラワー

サンフラワー。名前と見た目の通り、ひまわりだ。太陽のエネルギーで味方を回復するヒーラーで、役割はもちろん「サポート」。回復系のアビリティが2つもある上に蘇生も早い。近くに上手いサンフラワーがいてくれると安心して戦うことができる。

また、ヒーラーのくせに「サンビーム」という異常なほど強力な極太レーザービームでゾンビを焼くことができる。見た目はかわいいのに本当に怖い。

ゾンビ側

ゾンビは言うまでもなくゾンビの軍団。好物は人間の脳ミソで、1作目ではプレイヤーの脳ミソを食べるために庭から侵略してきていた。リーダーは画面上部の「Dr. ゾンボス」。ゾンビのボスだからゾンボス。

ゾンビ側のキャラ一覧

使用キャラ一覧。全員、何も考えずに我が道をとことん進んでいる感じだ。プラント同様「アタック」「ディフェンス」「サポート」の基本的な3種類+「群れ」の全4種類の役割がある。

ソルジャー

ソルジャー。兵士のゾンビで役割は見ての通り「アタック」で、オールラウンドに使える素直な性能をしているが、よく見たらなんかおかしい。銃のストックにつけている靴は自分のやつなので片足に靴を履いてない。大丈夫?

毒ガスのグレネード「スーパースティングクラウド」で敵の行動を制限しつつ、強力なロケット弾「ZPG」を叩き込みたい。高く飛び上がる「ロケットジャンプは」逃げにも奇襲にも使える。プラント側でいうとピーシューターにあたるキャラクターだが、このように性能は全然違う。クラスこそ似ているがキャラ性能が非対称なのが、このゲームの面白い部分だ。

懐かしのスター

懐かしのスター。80年代アクションスターがモチーフか。役割は「アタック」だ。ミサイルだの爆弾だの、とにかく爆発を多用するアビリティしかない。「懐かしのスターは、爆発好き」という解説から腰が砕けてしまう。でもたしかに、80年代アクションスターって爆発を回避してミサイルを撃ち込んでこそだよな。

メイン武器が「弓」なのもアクションスターっぽい。爆弾攻撃を伴った回避や移動アビリティが2つもあるので、前線でちょこまか動きながら爆発物をばら撒こう。

オールスター

オールスター。アメフト選手がモチーフ。よく見たらプロテクターの下はヒョロヒョロなのが良い。役割は「ディフェンス」だ。

フットボールを射出するメイン武器、強力なタックル攻撃など、武器や能力もだいたいアメフトにちなんでいるが、インプという小さいゾンビを蹴り飛ばして爆発させるアビリティがある。なんなんだよ。ドーム状のシールドを張るアビリティがあり、拠点を守りながら近づく敵をボコボコにするのが得意。

サイエンティスト

サイエンティスト。役割は「サポート」の科学者ゾンビ。髪型が最高。プラントの「サンフラワー」と似ている性能だが、極悪なビームがない代わりに近距離にテレポートが可能な移動アビリティ「ワープ」を持っている。ワープで敵の攻撃をかい潜り、せっせと味方ゾンビを回復するサイエンティストはこのゲームで一番健気な存在だ。

このように、それぞれのキャラクターは見た目もさることながら、それぞれのアビリティもかなり個性的だ。マルチプレイで遊ぶ際は、自分のキャラクターの役割を把握して他のプレイヤーとうまく協力して遊ぶことが必須になるだろう。

センスが良すぎて目眩がする世界とストーリーモード

本作をただのモッサリしたTPSの領域にとどめていないのが、そのどうかしている世界観にある。PvEモードのストーリーや、そこら中のテキストから「どうかしている」雰囲気を感じることができるだろう。

本記事で筆者が一番言いたかったのはここだ。ほんの一部だがそのキレッキレの「どうかしている」感を紹介したい。

キレッキレのアマーイ少佐

プラント側のチュートリアルを担当するアマーイ少佐。陽気でメルヘンなことを言いながらも、ゾンビに対し過剰なほどの加虐趣味がある。こいつが人間の形をしていなくて良かった。

見た目はかわいいが……

アマーイ少佐のチュートリアルで登場するぬいぐるみ。かわいい。かわいいが発言がいちいちどうかしている。あと、チュートリアルを終えると爆発四散する。

Dr. リアルドクター

ゾンビ側のストーリーに登場するDr. リアルドクター。名前にドクターが2回入っている上に、発言もどうかしている。

ニンジンに話しかけろとの指示

Dr. リアルドクターはどうかしているので、ニンジンが怪しいなどと言ってくる。まあこの世界観ならニンジンにも目鼻があって口をきくだろうなと思いながら行ってみると……。

ここだけマジで普通のニンジンだったりする。当然尋ねても何もしゃべらない。このゲームはどうかしている。

キリがないので、もう少しだけスクリーンショットでどうかしているポイントを紹介する。 

なんて?

プラント全員が良いやつというわけでもないかもしれない。

「ネイバービルの戦い」は、こんな感じでめちゃめちゃポップでかわいくて、キレッキレの「どうかしている」感が味わえるゲームだ。PlayStation以外でもXbox、Nintendo Switch、PCでも遊べるぞ。

ぜひこの見た目以上にどうかしているゲームに触れてみてほしい。

(文 ナ月/構成 ノオト)