League of Legends Japan League」(LJL)は「LJL 2021 Summer Split Playoffs(以下、プレイオフ)」が終盤を迎えています。レギュラーシーズンでは、「データから振り返るLJL 2021 Summer前半」と題し、前半戦を振り返る記事をお届けしました。今回はこれまでのプレイオフを振り返り、最終日の9月5日に栄光を掴むのはどのチームなのか、今後を展望しました。

パッチ11.15のヴィエゴは優先度低め 弱体化後のヴァルスは未だ健在

ヴァルス:報復の一矢

前回の記事で触れたように、パッチ11.14で最も登場したチャンピオンはヴィエゴでしたが、次パッチでミニオンからの回復量が弱体化され、ジャングラーにキャリーチャンピオンを置くチーム以外での採用はなくなりました。LJLではAXIZでの評価が高めです。

今年の夏最も評価の高いマークスマンは圧倒的にヴァルスで、弱体化が行われた現在も高い使用率/BAN率を誇っています。その要因はウルトによる拘束が強力なほか、安定して先出しできる点でしょう。パッチ11.15にて評価の高いトランドルやボリベアなど直線的な機動力に長けたチャンピオンに対する対抗手段としても評価されていますね。

出揃った4強、順当かと思われたが番狂わせ起こる

2021年夏のLJLも残すところあと3試合。世界大会「Worlds」出場の座を争う上位4チームが出揃いました。DetonatioN FocusMe(DFM)、Rascal Jester(RJ)、AXIZ、V3 Esports(V3)の4チームは直前に開催されたレギュラーシーズンで上位4チームであり、順当な4強になったと言えるでしょう。

【プレイオフ4強】
DetonatioN FocusMe(DFM)
Rascal Jester(RJ)
AXIZ
V3 Esports(V3)

しかし、8月21日より行なわれたRound 2 Match 1「DFM vs RJ」で思わぬ番狂わせが発生しました。キャスター陣全員、そしてTwitter投票数約1,500票のうち80%の勝利予想を覆し、最終スコア2-3でRJが勝利しました。RJがプレイオフFinalsに進出したのは「LJL 2014 Grand Finals」以来、約7年ぶりの快挙となります。今年のRJは過去一番の仕上がりを見せていると言っても過言ではないでしょう。

決着が5戦目までもつれ込んだことからも分かるように、決してDFMが実力を発揮できなかったわけではありません。しかし、Game 5の内容を見るに、RJが打倒DFMに向けて多くの時間を割き研究してきた成果が、ここ一番の舞台で表れたように見えました。“DFMが最序盤アグレッシブにプレーして失敗した”のではなく、大切なGame 5だからこそトップ側のジャングルから仕掛けてくるだろうと予測した“RJが一枚上手だった”のです。

Playoffs Round 2 Game 1“DFMvsRJ”キャスター陣の勝利予想

両チームが同系統のキャリー選手 AXIZvsV3 注目点は?

ジンクス:暴走パンクガール

今回出揃った上位4チームのキャリー選手4人は、プレイオフ現時点においてハイパーキャリー型と何でもこなせる器用型の2つに分類できます。キャリー型はAXIZのHoney選手とV3のHollow選手、器用型はDFMのYutapon選手とRJのSsol選手。特に超キャリー型のHoney選手とHollow選手は共に、チーム全体ダメージの約35%を一人で担うほどの超キャリ―プレイヤー達なのです。この戦績が個人技だけで培われたものではないという点が最も素晴らしい部分と言えます。

チーム同士のやりたいことが重複している試合の注目ポイントは、ズバリBAN/Pickです。両チームとも使いたいチャンピオンが似る傾向にあるため、どのチャンピオンを最優先に確保するか、何を渡すのかの駆け引きだけではなく、とっておきの隠し玉や意外なピックを見せてくれる可能性も注目です。

BAN/Pickの流れを予想するなら、シンジャオ、ルシアン、シンドラ、ヴァルス、ジンクスがBANされ、アフェリオス、スレッシュ、エズリアル、ルブランあたりがラストBAN、1stピックの駆け引き材料になると思います。

BO5最大の醍醐味「隠し玉」 注目ピックはこのチャンピオン!

プレイオフの対戦形式であるBO5は、シーズンのBO1と異なり、先に3勝したチームが勝利となります。そのため、1度のミスで極端な不利を背負う可能性があるシーズン中では見られないハイリスクなピックや隠し玉が多数見られるのもBO5の大きな特徴です。そんなBO5だからこそ見られる可能性がある、“隠し玉”ピックを予想します。

まずご紹介するのは、DFMのSteal選手が扱う“ジャングル”ニダリーです。今年の夏ではまだ頭角を現していませんが、トランドルやノクターン、オラフ、ジャーヴァン4に次いで好んで使用されているパフォーマンスの高いピックとなります。ニダリーはパッチ11.15で強化されたチャンピオンなこともあり、使用される機会は必ずどこかでやってくるでしょう。

ニダリー:半獣の狩人

RJのKinatu選手は新人ながらもLJL屈指の怪物たちが闊歩するトップレーンで最強格のプレイヤーになりました。高い評価を受けているレネクトンやナーなどのチャンピオンが先出しされた場合の回答として、彼が扱うカミールは最強のキャリーチャンピオンの1体です。

カミール:スチールシャドウ

個人的な願望としては、V3 Hollow選手のザヤ、AXIZ Megumiin選手のゼドが隠し玉として登場してほしいですね。

優勝チームをズバリ予想

筆者が予想する今年の優勝チームはズバリ「DetonatioN FocusMe」です。下馬評としてもDFMが優勝すると予想しているファンは多いと思いますが、個人的にはRound2でRJに敗れたことがDFMを優勝へ導くきっかけになるのではないかと考えています。

シーズン最序盤の3連敗から11連勝を経てシーズンを1位で終えたDFMは、自分たちのプレイスタイルを貫けば勝てるというスタンスでここまでやってきました。そんな彼らがRJ戦で敗北したことは、チームの弱点を分析しどんな対策を用意されてきたのかをより明確にする判断材料としてこの後のRound3に活かすきっかけになる。これがシーズン1位、2位チームのプレイオフにおける有利な点です。他チームよりも遥かに研究されているDFMが、次の試合でどんな戦略を見せてくるのか、要注目です。

LJL 2021 Summer Split Playoffs Round2 Match 2「AXIZ vs V3 Esports」は8月29日午後6時より放送予定です。

【著者紹介】明形 知式

あけがた・ちしき 友人から「宇宙人」と言われるWebライター。LoLやストラテジーゲーム全般と読書が趣味です。好きな言葉は「愛するということは、おたがいに顔を見合うことではなくて、いっしょに同じ方向を見ることだ。(人間の土地/サン・テグジュペリ)」。