目次

  1. 「SiegeGG」をご存知?
  2. SiegeGGの見方 その①:ひとつの試合結果を振り返る
  3. SiegeGGの見方 その②:選手のパフォーマンスを知る様々な指標
  4. SiegeGGの見方 その③:リーグ全体をデータで見ると、更に面白い
  5. さいごに
  6. 競技シーンを観戦したくなった、そんなあなたへ

こんにちは、「レインボーシックス シージ」(以下、R6S)のeスポーツ公式キャスターをしております、ともぞう(@tom85y)と申します。

いよいよ2021年も9月に突入。今年からスタートした国内トップリーグ「Rainbow Six Japan League」(以下、RJL)も佳境をむかえています。実はこの大会の各種データが記録されているサイトがあることをご存知でしょうか。

日本だけでなく、R6Sトップリーグの試合ほぼ全ては、データとして記録されています。

野球やサッカーを視聴している方であれば、データから大会を見る経験は少なからずあるかもしれません。野球だと、打率やホームラン数、あるいは盗塁数といったデータが。サッカーだと、得点数、アシスト数、あるいは無失点の試合数など、キャスターが試合の合間合間にそういったデータを伝えてくれるものです。

我々R6Sのキャスター陣も、こういったアプローチを取っています。では、そのデータはどこから収集しているのでしょう?

それが、「SiegeGG」です。

世界大会だけではなく、トップリーグ、世界各エリアの国内大会まで記録(SiegeGGより引用)

世界大会(先日のSix Invitationalなど)はもちろんのこと、現在各エリアで行われているトップリーグの試合も、全試合記録されています。

そして、RJLの全試合もSiegeGGで記録されています。

SiegeGGの見方が分かれば、たとえ観戦せずとも試合の流れやポイントがひと目で分かります。例としてこちらの試合を見ていきましょう。

選ばれたマップと攻守でのラウンド獲得数を見る

まずは「Game results」の部分。

少しスクロールすると「Game results」を見られる(SiegeGGより引用)

ここを見ると、試合がどのマップで行われ、ラウンドスコアが幾つなのかが分かります。

そして、私がよく注目するのが、攻守でのラウンド獲得数。比較的攻撃が難しいと思われるマップでも、攻撃ラウンドを多く取っていればそのチームの攻撃の仕上がりが良いといった推測ができます。

試合の流れをテキストで追えるラウンド履歴

次に「Round by round」、つまりラウンド履歴です。実際に試合を見なくても、状況がある程度把握できる優れものです。

「Round by round」ではテキストで試合の流れを追えます(SiegeGGより引用)

例えばこちらのCAG vs FAV gamingの試合。1stマップ山荘の最終ラウンド(12の数字のところ)に注目します。

この場面、FAV gamingのShiN選手、Taipon選手がそれぞれ2キルを獲得していることから、計4キルを達成したFAV gamingがラウンドの主導権を握ったのではないかと推測できます。しかしCAG側が粘り最終的に1対1まで持ち込みAnitun選手がクラッチ(不利な状況から1人で巻き返すこと)したため、CAGが劣勢を覆す形でラウンド取得したと考えられます。

現在R6S競技シーンは海外も含めると試合数が多く、キャスターといえどもそれら全てを動画で追い掛けるのは難しい状況です。そのためRound by roundで試合を追う場合や、あるいは一度見た試合がどういった展開だったかを思い出すときのインデックスとして重宝します。

ロスターとマップ/オペレーターBANの確認

「Rosters」「Map vetos」「Operator Bans」も振り返りの際に役に立ちます(SiegeGGより引用)

ロスターやマップ/オペレーターBANを確認できるセクションもあるので、リーグ中に再戦となった場合は以前の対戦のデータと比べることもできます。以前とロスターが変わったのか、BANの傾向は同じか。こうしてデータが残っているからこそ「チームの試行錯誤」を伺えるのです。

特にRJLではシーズンを通して同じチームとの対戦が2回あるので、前回はどうだったかなと振り返る際によく利用します。

活躍した選手を数値でリストアップ

そして、最も注目される場所がこの「Player stats」となります。

ページ下部にある「Player stats」(SiegeGGより引用)

この試合における選手のパフォーマンスを様々な項目から評価します。キル/デスも当然ありますが、R6Sはキル/デスが選手のパフォーマンスの全てを表すわけではないため、幾つかの項目が用意されています。

次章で、Player statsについて詳しく見ていきましょう。

まず、Player statsに表示されている全ての指標を簡単に説明すると、以下となります。

Rating :総合パフォーマンス評価
K-D:キル/デスの数。()内はキル/デス差
Entry:左の数値が最初のキルを取った数字、右が取られた数字()内は差
KOST:(K)ill、(O)bjective、(S)urvived、(T)radedの略。選手がひとつのラウンドにおいて、キルしたか、撃ち合いをしたか、生き残ったか、キル/デスのトレードが出来たかを示す値。平均は約65%
KPR:1ラウンドあたりのキル数
SRV:ラウンド生存率。平均は30%
1vX:クラッチ成功数。人数不利を覆し、ラウンドを取得できたか
Plant:ディフューザー設置回数
HS%:ヘッドショット率。相手をキルした際のヘッドショットの割合
Atk/Def:最も使う回数の多かった攻防のオペレーター

分かりにくいのは、やはり「Rating」と「KOST」でしょう。ちなみに、「Rating」の計算式はこちらになります。

Ratingは「古い」指標とされています(SiegeGGより引用)

頭のいい方は、当然(?)ご理解いただけるかと思います。

説明しますと、1ラウンドあたりのキル数、生存率、1ラウンドあたりのマルチキル数、1ラウンドあたりのオープニングキルをプロの平均値と比較して採点されているとのことです。正直なところ私も完全に理解できているわけではなく、まあ、キルを中心に試合に貢献した総合評価という理解をしています。

ただSiegeGGでは、キルに偏るこちらの指標が必ずしも正当な選手への評価ではないと言及しています。

そこで導入された新たな指標のひとつが、「KOST」。上述したように(K)ill、(O)bjective、(S)urvived、(T)radedの略となるのですが、こちらはキルだけではなくラウンドにおいて選手が試合に貢献したかを数値化したものとされています。

例えばR6Sだと1人の強い味方が相手をほとんど倒してしまい、ポイントに籠もっていたらラウンドが終わってしまうこともあります。この場合、試合に関与したとは言えません。そのため、試合に関与できたかどうかを示すこちらの指標が登場したわけです。

私が好んで見るのは、「Entry」,「1vX」「Plant」だったりします。

まず、Entry。

R6Sにおいて、最初のキルがラウンド取得に与える影響はとても大きいと言えます。そのため、Entryを確認し、試合にどう影響を与えたのかを確認します。

また、Entryでのキル/デスが多いということは、チームにおいて最も前線で戦う可能性が高いことを示唆しています。そのため、序盤はその選手に注目すれば、キルシーンに繋がるのではないか?と仮説を立てて、実況に入ることもあります。

さらに1vXやPlantからは、選手・チームの個性が見えてくるものです。
1vXで示されるクラッチに関しては、単純に個の力が光るR6Sにおいて最も注目して欲しいシーンです。この数値が高い選手であれば、劣勢なチーム状況においても逆転する可能性が高いと言えます。こういった選手を「クラッチマスター」と呼んだりし、試合を盛り上げることもあります。

そして、PlantはR6Sならではの駆け引きの1つと言えます。Plantの数が多いと、チーム全体でディフューザー設置を起点に相手を揺さぶるのが上手いと考えることができます。一方で、Plantが少ないと殲滅(相手5人を倒し切る)を得意とするチームであることも分かります。このようにPlantの数値ひとつで、それぞれのチームの特長を知るきっかけにもなります。

ここで再び話をRJLに戻しましょう。

ここまでは試合結果の見方という観点でお話ししましたが、もう1つSiegeGGには大きな役割があります。

それが、リーグ全体を俯瞰して見えるという点です。RJLなら、トップページの「Competitions」から「Japan League 2021」をたどってもらえると、リーグ全体をまとめたページに行き着きます。

Japan League 2021のデータ(SiegeGGより引用)

こちらで一番見てほしいのが「Player Stats」です。

先程詳しく説明した数値の全試合の合計がまとめられ、「Leaderboards」では主な項目のトップ5が、「Full stats」では全選手のランキングを見ることができます。

Full statsは各項目を押すことでソートできるので、Plantの高い順に並び替えなどもできます。これは野球で言うところのホームラン王争いだったり、首位打者争いに該当します。

そして現在首位独走のCAGから、Rating、K-Dの上位に軒並み選手が並んでいます。そんな中Sengoku GamingのRamu選手が割って入る形。Sengoku Gamingも2位と好調ですが、圧倒的なパフォーマンスを見せるCAGの選手と比べても遜色ないRamu選手のパフォーマンスも見逃せないことが分かります。

また、Ramu選手はEntryがダントツトップで、いかに彼が最初のデスをせずに最初のキルを取れるクレバーな選手であるかが分かります。また、PlantsではCrest Gaming LstのWh1skey選手がトップ。Crest Gaming Lstというチームがディフューザー設置を切り札にしていることがよく分かります。

LeagerboardsにはCAGの選手が多く名を連ねています(SiegeGGより引用)

他にも「Full Stats」でHS%でソートしてみましょう。

HS%上位の選手たち(SiegeGGより引用)

すると、このようにトップ5にNORTHEPTIONの選手が3名ランクインしています。NORTHEPTIONの選手たちが、撃ち合いにおいていかに正確なショットを放っているかということがよく分かります。
(データは、執筆時時点でのもので、現在は異なります)

このようにSiegeGGを上手く活用することで、チームの優勝争いとは違った大会の側面を知ることができます。

R6Sの競技シーンが6年続いている中で、単なる「記憶」だけではなく、「記録=データ」も蓄積されました。

SiegeGGはそれほどR6Sの競技シーンの規模が大きくなかった初期の時代から、コツコツとデータを蓄積してくれた確かな実績があります。これこそが、他のタイトルにない大切な財産だと、私は考えています。

このデータを見ることで大会の異なる一面を見たり、過去の大会に想いを馳せることができるのです。

そして、今年から国内のトップリーグRJLもSiegeGGの記録の対象となりました。

RJLもすでに終盤。

CAGの優勝が決定し、RJL昇格戦(Rainbos Six Japan Open上位3チームとの入れ替え戦)に進む下位3チームも見えてきています。一方で、データを通して選手個人のパフォーマンスを見た場合、全く違った側面が見えるはずです。

勝った、負けたを追うことは当然重要です。それがプロの世界だと思います。しかし、選手がどこまで試合に貢献したかを客観的に見るためにデータを活用することも、勝敗を追うのと同様に重要だと考えます。

ぜひ皆さんも、一度データを基に試合を見てみてはいかがでしょうか。きっと新しい発見に出会えるはずです。

R6S競技シーンをチェックするには、以下の視聴・閲覧をオススメします。

◆YouTube「レインボーシックスシージ ESPORTS」
主に国内大会を中心にお届けしている日本語版公式YouTubeチャンネルです。私もキャスターとして出演しています!

まずはここを見てもらえれば、「競技としてのR6S」の何たるかがが分かりやすいと思います。Six Invitationalなどの海外の大規模大会も、日本語での実況解説をお届けしています。

◆レインボーシックス公式Twitter
競技シーンの情報だけではなく、R6Sに関する全ての情報を提供してくれる公式Twitterアカウントです。R6Sをプレーしている方のフォローは必須ですね。

◆ともぞうTwitter
実は、海外の情報を総合的に取り扱っているメディアやTwitterアカウントはあまり見かけません。手前味噌ながら私のTwitterアカウントでは、不定期ではありますが国内・海外問わず、選手の移籍情報や試合結果をつぶやいていますので、一度覗いてみてください。

◆英語版YouTube「Rainbow Six Esports」
海外のトップリーグの大会を視聴できる英語版の公式YouTubeチャンネルです。実況が英語ですので、英語が聞き取れる方でないと、プレー内容などは理解しづらいかもしれません。

ぜひ、興味が湧いた方は「競技としてのR6Sの世界」を一度覗いてみてください!