べるくらさんのルーツはガチの「かくれんぼ」 ドラマ満載のDbDにハマった理由を三浦優奈が聞いた

リポーター&ラジオDJとしてゲームの楽しさを発信している三浦優奈さんが、「Dead by Daylight(以下、DbD)」の公認配信者である柏木べるくらさん(@ve1cra)にインタビューしました。
リポーター&ラジオDJとしてゲームの楽しさを発信している三浦優奈さんが、「Dead by Daylight(以下、DbD)」の公認配信者である柏木べるくらさん(@ve1cra)にインタビューしました。
私はまだまだ初心者プレイヤーではあるが、デッドバイデイライターの端くれだ。そんな私からみたら、フォグウィスパラー(DbD公認配信者)の柏木べるくらさんは「DbDの神」なのである!
インタビューでの第一声が「DbDの神と思っていて、お話聞けるの楽しみにしていました!」と、初っ端からオタク丸出しの私。べるくらさんは「恐れ多いです。神じゃないですよ(笑)」と温かい返答をくださり、べるくらさん独特の柔和な話し方に引き込まれていった。
今回はそんな形で始まったインタビューをお届けする!
――まず、べるくらさんがDbDにハマったきっかけを教えてください。
柏木べるくら(以下、べるくら) もともと小説や映画などホラーコンテンツが好きで、またサバイバルホラー系のゲームも遊んでいました。色々なゲームを触りはしたのですが、刺さるタイトルがなかなか見つからず。
そんな時に出会ったのがDbDでした。5年前に発売されて、好きな要素が詰まっていたんですよ。キャラクターの造形からバックグラウンドまで、ファンタジックでもあり、古典のスプラッタホラー(※)を彷彿とさせるゲームでした。
鬼ごっことかくれんぼが好きだったのも、DbDにハマったきっかけの一つかもしれません。子どものころから鬼ごっこが好きで、かなり本気でやっていました。小学校から高校まで足が早いことが自慢で、陸上部の主将もやっていたくらいです。
※スプラッターとは英語で「液体が跳ねること、バチャバチャいう音」の意味。転じて、血しぶきなどが飛ぶ描写を多く含んだホラージャンルを指す。
――(主将!? フィジカルスポーツも強いの!? やっぱ神じゃん!)
べるくら 逃げるのが好きで、自分から「鬼ごっこしよ」「かくれんぼしよ」と皆を誘っていましたし、本格的なかくれんぼもやっていましたね!
――え、本格的なかくれんぼって……何ですか!?
べるくら 水の中に隠れたり、橋の裏に張り付いたり……忍者みたいに隠れていました(笑)。私が子どものころはゲームも少なく、既存の遊びをするか、自分でなにか遊びを編み出すしかありませんでした。そこで、鬼ごっことかくれんぼで初めて「誰かに追われる」体験をして、ドキドキを味わうわけですよ。この体験を鮮烈に覚えていて、本能レベルで楽しさを植え付けられたと思うんです。鬼ごっことかくれんぼについて、こんな真面目に話すのもアレですけど……(笑)。
――べるくらさんの語り口から、鬼ごっこやかくれんぼに対する情熱をひしひしと感じます!
べるくら だからこそ、鬼ごっことかくれんぼがコンセプトであるDbDが刺さったんですよね。幼少期に味わったあのドキドキをゲームで体験できる。この体験を求める気持ちが、ずっと自分の中にあったんだと思います。
――きっかけは幼少期の体験だったわけですが、DbDをプレイし続けて新たに感じた魅力はありますか?
べるくら 「駆け引き」ですかね。キラーとサバイバー、善悪の両方がそろって初めて成立するゲームなんですよ。たとえばサバイバーとしてプレイしているときは、キラーを悪として捉えて逃げなきゃいけないんですが、このキラーと鬼ごっこしている瞬間が一番楽しいんです!
――「有能の証明積んでるから発電機回すために隠密します」なんて言ってる私はまだそこまで至っていないかと思いましが、改めてプレイ中の自分を思い返してみるとキラーとチェイスのフェーズに入った瞬間に一番声を出して、アドレナリンも出て興奮していました!
べるくら そう、楽しいのは相手がいるからなんですよ。キラーからは逃げなきゃいけないし、敵だし、悪なのに……大切な存在に思えてくるんです。必死で逃げているんだけど、「キラーがここまで追いつめてこなかったら、今の良いプレイできなかったな」とか。
たとえばすごく良いチェイスができたときも、相手のフェイントの裏をかいたりしたから良いチェイスになるわけですよね。だから相手に対して「その高度なフェイントよくやってくれた!」みたいな気持ちになるんです。キラーも上手くなるために頑張って練習して編み出したフェイントを一瞬、自分が上回った感覚! そのキラーとサバイバーのランデブーが、DbDをプレイし続けて見えてきた魅力ですかね。
――ランデブー!? 私は、まだその域まで達していないかもです。「この野郎!むかつく!!」って思っちゃうことが多くて(笑)。私、最近キラー側をプレイし始めたのですが、よくサバイバーに屈伸で煽られることがあって。そんな時のメンタルの切り替え方を教えていただきたいです!
べるくら 「キラーをプレイし始めたら煽られる」って、色んな人に相談されますね。「煽り行為はダメ」という前提でお話しますが、馬鹿にされる行為を乗り越えた先にキラーの楽しさがあると思うんです。キラーはサバイバー4人を相手に孤独な戦いをしているので、心が折れてしまう人も多いんですが……煽ってきたプレイヤーを自分の実力で抑え込んで勝利したときの達成感、高揚感ってすごいんですよね。
DbDでは「指をさす」「こっちに来い」の2種類のモーションと屈伸、これだけで煽りを表現できちゃいますよね。発売当初は煽り行為も多かったし、システム的にもキラー側が不利なつくりでした。ただ発売から5年かけて、なんとか公平にしようとアップデートを重ねて今に至っているわけです。初期のころからキラーをプレイしている強い人たちは皆こういう経験を乗り越えてきて、もはや煽られること込みでプレイしている人たちばかりなんですよね。煽り行為は大前提としてマナー違反ですが、これによってキラーは「なにくそ!」って闘志を燃やすわけですよ。
どのゲームも「悔しい」と思えないと上手くならないし、たとえ煽られてもプレイスキルを磨いて、完封して、「よし、やってやったぞ!」と思えるまでやる。こういう経験を積み重ねて、レベルアップしていくんだと思います。マナー違反ではありますが、私は煽りのおかげで強くなれたと思います。
アドバイスをまとめると……。
「誰しもが通る道だから気にしない方がいいけど、気にして! 意地になって! 強くなって! 実力でねじ伏せて欲しいです!」
――実力でねじ伏せられるように日々、鍛錬します!! 今までプレイヤー目線のお話を聞いてきましたが、実況者目線だとDbDどんなところに魅力を感じていらっしゃいますか?
べるくら DbDはドラマが起こりやすいんですよね。用意されたドラマを楽しむのではなく、キラーとサバイバーの5人全員でドラマを作っていくので、全く同じシチュエーションが生まれないんです。そしてこのドラマは自分自身のプレイである程度コントロールできるわけです。それに脱出できなかったとしても、吊られて倒されたとしても、そこまでも過程にもドラマが生まれるんです。色んなパターンの新しい動画を提供できるので、実況者にとってはありがたいですね!
――ものすごく難しい質問だと思いますが「このパークだけはつけておけ!」というものを1個挙げるとしたら何でしょうか?
べるくら キラーは「破滅」。初心者プレイヤーも、そうじゃない人も、何かつけるなら「破滅」ですかね。発電機を遅延させないとチェイスになりづらく、ドラマも生まれなくなってしまいます。始めたばかりのプレイヤーはパークを把握できていないことも多いので、つけるだけで役立つ「破滅」が良いかなと思います。
サバイバーは「セルフケア」。色んな初心者さんに教えてきましたが、ある程度ゲームをプレイしないと、パークの効果を実感しづらいんです。だから初心者さんにオススメなのは「パークを使っている」ことがわかりやすくモーションに出て、且つ効果も理解しやすいパーク。「傷ついたら自分で治療できる」という単純なパークで、こちらもつけているだけ役に立つかと思いますので!
他のパークは効果が複雑ですし、どう生かすかを理解するためにはゲームの理解がある程度必要になります。初心者さんにオススメするなら、圧倒的にわかりやすい「破滅」と「セルフケア」ですね。
――私もDbDを始めたとき、友達に「まずセルフケアはつけた方が良い」って言われて、クローデット・モレルのレベルから上げ始めました。なんだか懐かしいです(笑)。「セルフケア」のお話が出たので聞いちゃいますが、モレルのことを配信内で「ノブコ」と呼んでいるのはなぜですか?
べるくら ちゃんとした理由は全くないんですよね(笑)。
あえて言うならば、発売当時はDbDに日本語表示が実装されていなくて、ゲームの説明が全部英語だったんです。パークの説明からアドオンまで、一つずつ翻訳ソフトにかけながらプレイしていました。だから配信を観てくれている方々に「これがDbDです!」って動画を出しても、馴染みがないわけですよ。
当時、1対4の非対象マルチプレイゲーム自体も珍しかったし、キラーになって追いかけるゲームもほとんどなかったんです。B級ホラー感も強いし、あんまり面白そうじゃないと感じちゃう人も多くて……そこに「クローデット・モレル」っていう馴染みのない名前が出てきても、誰も感情移入しないわけですよ。だから視聴者さんに簡単に伝わるような、愛嬌のある愛称をつけたいと思い、日本人にいそうな「ノブコ」って呼び始めたんですよね。
――ちなみにノブコ以外のニックネームは?
べるくら 他のキャラクターだと「メグ・トーマス」は、「三つ編み子」って名前をつけてましたね(笑)。日本語に変えて呼ぶことで、視聴者さんに親近感を持ってもえればと思いまして。
――三つ編み子(笑)。ものすごくストレートで分かりやすい名前ですね(笑)。配信といえば、べるくらさんはなぜ顔を隠して配信されているのでしょうか?
べるくら 私はニコニコ動画でゲーム実況を見てきた世代でして、ゲーム実況者って当時、顔を出さない方がほとんどで、むしろ顔を隠すことがカルチャーでもあったんです。その流れをくんで、私も顔を出すつもりはありませんでした。ただ色々な活動で体を出さざるをえなくなり、「じゃあ頭に何か被らなきゃ!」と。始めは馬のマスクとかにしていたんですが、なんか違うな~と思い、自分でお面を作ってみたんですよ。
――自作なんですか?
べるくら 1個1個作っては壊れ、改良を重ねていって今のお面になりました。
――最後に、今後チャレンジしたいこと、目標など教えてください!
べるくら 現在、フォグウィスパラーとして活動を続けていますが、他のゲームでもそのような存在になりたいですね。好きなゲームを作った会社からきちんと認められるような存在になれるよう、これからも頑張りたいです!
みうら・ゆうな ラジオパーソナリティー/リポーター。ファイナルファンタジーXIVから本格的にゲーミング機器を集め出し、東京・名古屋の二重生活では3キロのゲーミングノートPCを持ち歩く。「ゲームをポジティブなイメージに」をモットーに、担当するラジオ番組では、ゲーム・アニメなどのサブカルチャーからeスポーツシーンについて取り上げている。スプラトゥーン2、クラッシュ・ロワイヤル、DbDなどもプレイ。最近ではApex Legendsにも参戦している。
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