ゲーミングチェアにおけるパイオニア

──AKRacingの歴史について、教えて下さい。

AKRacingはゲーミングチェアのブランドで、世界55カ国で販売されています。

本社は中国にあり、2000年に創業されました。創業当時は、レーシングカー用シートの受託生産をしていましたが、自社ブランドを立ち上げる際に、「ゲームに適した椅子がほしい」との声を受け、開発に乗り出しました。その際に、今やゲーミングチェアの代名詞とも言える、レーシングチェアに似たデザインも採用されました。

その後、世界中のゲームイベントにも積極的に関わってきました。国内でも多くのeスポーツシーンで採用されています。

日本では、2015年に弊社が独占販売権を獲得し、販売を始めました。当時は、ゲーミングチェアというものが、日本ではまだそれほど普及しておらず、AKRacingはパイオニアという位置づけでした。

AKRacingチェアの基本コンセプトが詰まったスタンダードモデル「Nitro V2 シリーズ」

──AKRacingのチェアとしての強みを、教えて下さい。

設計、開発、調達、製造、品質管理まですべて自社で一貫して行っています。ほぼすべてのパーツについて、グループ子会社から調達しています。設計は人間工学に基づき座り心地を追求しており、厳しい品質基準をクリアしています。

商品展開はそれぞれの国・地域に応じて異なる戦略を採っています。日本では、弊社が企画・開発に携わった商品を多数販売しています。

プロ野球、Jリーグにも展開

──初めてAKraingのチェアを買う人に向けて、おすすめのエントリーモデルは?

Wolf(ウルフ)シリーズ」です。実売価格4万円ほどと価格を抑えた商品で、張地にファブリック(布)素材を使用しています。合成皮革に比べ、通気性が高いメリットもあります。

──AKRacingはeスポーツだけでなく、リアルスポーツにも積極的に展開しています。その狙いは?

2020年8月から明治神宮球場で開催されるプロ野球の試合で、監督用チェアとして採用されています(今シーズンからはダグアウト内のベンチも一部AKRacing製に入れ替え)。2021年には、読売巨人軍とオフィシャルサプライヤー契約を結び、東京ドームの監督用チェアとして使用されています。ほかにも東北楽天ゴールデンイーグルスでは楽天生命パーク宮城の中継ブースや選手サロンの一部で導入・使用されるなど、いくつかのプロ野球球団で使ってもらっています。

味の素スタジアムで開催されるFC東京主催試合のベンチシートとして採用されたAKRacingのチェア

野球だけでなく、サッカーJリーグのFC東京のベンチシートとして採用されています。

リアルスポーツに進出することで露出を拡大し、ゲーマーでない層にもブランドを知ってもらいたいと考えています。

他社にない新しい商品を開発へ

──AKRacingの購買層は?

発売当初は30代~40代の男性が中心でしたが、最近は学生など若い方や女性の方が購入されるケースも増えています。また、ゲーマーではない方々も増えており、購買層は多様化しています。

ビジネスシーンでも使えるデザインが特徴の最上位モデル「Premium シリーズ」

2017年には、オフィスチェア「Premium シリーズ」を販売をスタートさせました。ビジネスシーンでも使えるよう落ち着いたカラーリングを採用しています。コロナ禍で在宅ワークが広がったことによって、プレミアムシリーズの売り上げが飛躍的に増えました。座り心地がよく、作業に集中できるチェアのニーズが非常に高まっていると感じます。

──新しく開発中のチェアはありますか。

現在も多くの商品の企画、開発を進めておりますが、2021年中に小学校高学年から中学生くらいまでを対象としたティーン向けモデルの発売を予定しています。子どもたちが「このかっこいい椅子なら座ってみたい」と思うようなデザインにして、勉強机の前に座る習慣を身につけることを促す椅子にしたいと思っています。

これまでゲーミングチェアを使ってみたいけれどサイズが大きすぎると感じている女性の方にもお勧めできるモデルとなっていますので、ご期待ください。

ゲーミングチェアをベースにした座椅子「極坐 V2 シリーズ」

ゲーミングチェアのリーディングブランドとして、今後も革新的な製品を積極的に展開していきたいと考えています。

(前嶋みどり)