昨今のeスポーツの興隆、またコロナ禍によるおうち時間の増加により、自宅で格闘ゲームなどのオンライン対人ゲームを本格的に始めるプレイヤーが増えています。格闘ゲームの場合、手軽にゲームパッドで遊ぶ方も多いですが、より高度な操作やテクニックを求める場合は、やはりアーケードコントローラー(アケコン)がベストでしょう。

アケコンで遊ぶことを前提に作られているような格闘ゲームタイトルもあり、ボタンのずらし押しやホールドなど、ゲームパッドよりもアケコンの方がやりやすい操作も多いです。

とはいえ、対戦に有利になるならアケコンを使ってみたいと思う人も、「ガチャガチャ」という独特の操作音の大きさが家族や近隣住民にも聞こえるのでは、と気になるかと思います。そんな時におすすめしたいのが、静音性に特化したアケコン。

静かな日中や深夜でも思う存分ゲームがプレイできる環境を、静音アケコンで実現してみませんか? 今回は格闘ゲーム歴20年以上、使い倒したアケコンはゆうに10台を超える家電ライターのたろっさ(@momoandtaro8931)が、静音アケコンの選び方と製品をご紹介します。

アケコンの選び方

まず静音アケコンの紹介の前に、どのアケコンが自分にとって最適なのか、選び方のコツからご説明します。

プレイするプラットフォームに対応しているかご確認を

昨今のゲーム事情を鑑みると、以下のプラットフォームで遊ぶ方がほとんどだと思います。

  • PlayStation 4/5
  • Nintendo Switch
  • Xbox One/Series X/S
  • PC

アケコンを購入する場合、自分がプレイする上記のようなプラットフォームに対応しているかを事前に確認してください。

もちろん、このほかにも懐かしいゲームをやりたいのであれば、PS3やPS2、Xbox 360なども考える必要があります。上記のうち特に気をつけたいのは次世代機。対応していないアケコンも多いので、要注意です。

古い型の場合は次世代機に対応していなかったり、最新のWindowsに対応していなかったり、環境により使用可否が異なる場合もあります。PCであれば非公式のドライバーで対応できる場合もありますが、家庭用ゲーム機の場合はどうしようもないため、プレイしたいプラットフォームに対応しているかどうかを最初に確認してください。

ビュウリックス配置? ブラスト配置? ボタンの並びをチェック

アケコンとひと口に言っても、ボタンの配置や大きさ、間隔、レバーの配置がアーケードの各筐体や各メーカーによって微妙に違います。ここでは、現在多く普及されている「ビュウリックス配置」のほか、「ブラスト配置」「パンテラ配置」について紹介します。

「ビュウリックス配置」は現在アーケードにおいて最も多く採用されている配置です。左から二番目以降のボタンがほぼ水平になっているため、「フラット型」と呼ばれることも。

ボタンは少し大きめ、ボタン間隔は狭めの配置で、日本人の標準的な手のサイズにマッチしやすいのが特徴。レバーと一番左のボタンの間隔が狭いため、かぶせ持ちをする方は左手と右手が当たらないように注意する必要があります。HORIや三和電子のアケコンは、ほとんどがこの配置です。

「ブラスト配置」はかつてゲームセンターで一世風靡したセガの「ブラストシティ」という対戦筐体に搭載されていた配置で、左から二列目のボタンが上下共に比較的上側に配置されているのがポイント。「山型」と呼ばれることもあります。

指の長さに合わせてボタンが配置されており、慣れると最小限の指の動きでボタンを叩くことができます。今となっては少なくなりましたが、「リアルアーケードプロ」など以前のHORI製アケコンでは採用されています。バンダイナムコの筐体で採用されていることから、鉄拳シリーズやガンダムシリーズをプレイしている方にはおなじみです。

一方、海外で絶大な人気を誇るRazer社のPanteraに搭載されている「パンテラ配置」ですが、ほぼビュウリックス配置と同じものの、ボタンの間隔が他の配置より広く取られていることが特徴です。欧米諸国のプレイヤーは日本人に比べて指が太い方が多く、ビュウリックス配置だとボタンの叩きミスを誘発しやすいということから、こちらが支持されています。

自分が普段どんなアーケード筐体でプレイをしているかという視点で考えたり、実際にいくつか試遊したりして、しっくりくるものを選びましょう。

プレイ中のアケコンの置き方は?

アケコンの置き方は、主に机の上に置く「机置き」か膝の上に乗せる「膝置き」のどちらかに分かれます。

机置きの場合は、やや前方に向けて力を入れてプレイをすることになりますので、できるだけ天板が広く、重量があって安定感があるものを選ぶと良いでしょう。操作によりアケコンがずれることも防げますし、天板が広いと手首を天板の上に乗せながらプレイができるので安定感が増し、疲労の蓄積を抑えられます。多くのプロゲーマーが使用するアケコンはほとんどが机置きを前提とした作りになっており、非常にガッシリとした作りになっています。

ぱくたそ(www.pakutaso.com)より

一方、膝置きであれば幅が広いと逆に安定感がなくなるため、机置きの製品よりひと回り小さいものでも問題ありません。とはいえ、激しい操作時にずれてしまって思うように操作できない……なんてことがないように、窮屈さを感じない程度の大きさと重量は必要です。大体2.5kg前後のものが使いやすいでしょう。

静音性が高いかどうかを確認しよう

これまで紹介した内容を確認した上で、自宅でプレイする際に周囲に操作音がうるさく聞こえないか気になる人は「静音アケコン」を選ぶと良いでしょう。アケコンのガチャガチャという操作音を極力抑えた静音モデルが各メーカーから販売されています。

音がしないとアケコンっぽさがない! との声ももちろんありますが、同居している方や近隣の方との騒音トラブルはなるべく避けたいもの。状況に応じてこちらを検討するようにしましょう。

また、製品によっては三和電子の静音ボタンに自分で付け替えられるモデルもあります。買ってプレイしてみたけどどうしても音が気になる……という場合はこちらも確認しましょう。

レバーなしのアケコン革命児「Hit Box」ってどうなの?

プロ格闘ゲーマーのパイオニアであるウメハラ選手が使用していたことで一躍有名になったHit Box。レバーがなく、キーボードのように上下左右にそれぞれボタンが割り振られているアケコンです。

ガード仕込みステップやファジーガード、間合い管理などの全てのプレイにおいてレバー操作ではありえない「ニュートラルを経由しなくて良い」という点から、操作速度と精度が理論上通常のアケコンより数段上になります。こちらに慣れることができればキャラクターの移動や技のタイミングなどが大きく向上すること間違いなしです。

どんな製品があるか

以上を踏まえて、静音ボタンを採用している、もしくは静音ボタンに換装できるアケコンを3製品紹介します。(※現在は入手が難しいケースもあります)

マッドキャッツ アーケード ファイトスティック トーナメントエディション 2+ TE2+

かつてプロゲーマーのウメハラ選手が使用していたアケコンです。「ストリートファイターⅤ」や「GUILTY GEAR」シリーズなどの人気タイトルをプレイすることを想定されており、トレーニングダミーの設定やキャラクター位置のリセットなどが上部のボタンひとつで楽にできるように設計されています。

タッチパッドも付いているので、PS4の特殊な操作などに対応できるのもポイントですね。三和電子の静音ボタンに換装も簡単に行えるので、静音性を求めたい方にもおすすめです。

※記事掲載時点でAmazon上では在庫切れ状態でした。詳しい製品情報は正規代理店の公式サイトへ。

リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA for PlayStation 4 / PlayStation 3 / PC

アケコン界の老舗・HORIに脈々と受け継がれる「リアルアーケードPro.(通称・RAP)」の静音モデルといえば、こちら。

プロゲーマーのsako選手も愛用していることで有名なこの製品は、独自の打鍵音吸収素材を使用しているため、ボタンを押しても「ガチャ」ではなく「ポコッ」と非常に小さい音に軽減されています。レバーも従来のハットスイッチではなく光学式スイッチになっているため、操作音が大きく減少。

ボタンの押し心地や操作感が他のアケコンと少し異なるため最初は違和感を覚えるかもしれませんが、慣れると音も気にせずプレイできるのが何よりのメリットです。PS5動作確認済みというのもうれしいですね。

Qanba DRAGON JOYSTICK

社長が「THE KING OF FIGHTERS '97」の熱心なプレイヤーだったことで有名な2009年創業の中国の企業「Qanba」が販売するハイエンドモデルの静音アケコンです。

三和電子のボタンを使用していることで知られ、ワンタッチで天板を開けてフルカスタムすることが可能なのが大きな利点。もちろん静音ボタンに付け替えることも可能です。重量も約5kgとがっしりしているため、本格的に格闘ゲームと向き合いたい方に特におすすめです。

※記事掲載時点でAmazon上では価格が高騰しているようでした。詳しい製品情報は公式サイトへ。

まとめ

選び方の部分に関してはアケコン選び全般に言える内容を詰め込みました。皆さんも自分にとって最適なアケコンを選んで勝利を勝ち取りましょう!

(文 たろっさ/構成 ノオト)

※記事公開後に内容を一部修正しました。