目次

  1. ハマりすぎて、気付けば上位ランカーに
  2. 「二度と同じ盤面がない」多様性が面白くて止められない
  3. 「慣れと知識」があれば戦える
  4. 常に1位を目指したい! けど、4位入賞も大事です
    1. 序盤は完勝か完敗を目指す
    2. 中盤では「被らないこと」を意識
    3. 終盤の配置はとにかく研究
  5. 逃げてもよし、追い込み型もよし!
  6. 【語り手】Riowh

プロeスポーツチーム「G×G」所属のストリーマー、Riowh(@Riowhey)です。

前回はハードコアなFPS「Escape from Tarcov(タルコフ)」について紹介しましたが、最近は「チームファイトタクティクス(TFT)」にハマっています。またしても、以前プロとしてプレイしていた「Shadowverse」の話題ではないのですが……タルコフに比べるとDCG(デジタルカードゲーム)に近いタイトルかもしれませんね(笑)。

このゲームでは8人のプレイヤーがマップに配置されたコマによって総当たりで対戦を繰り返すのですが、あくまでプレイヤーは「コマを購入・配置するだけ」で、試合自体はオート進行となり見守ることしかできません。アイテムを装備させたり組み合わせによる「シナジー」効果を発動させたりすることでコマを強化して、どれだけ良い「構成」を組み上げられるかが重要なストラテジーゲームです。

TFTにはシーズンのような「セット」の概念があって、セットが切り替われば使えるコマやシナジーがガラリと変わります。僕は最初期のセット1からプレイはしていましたが、本腰を入れ始めたのはセット3.5の頃だったかな。ちょうど「Shadowverse」のプロリーグがオフシーズンのタイミングで、ランクも上から3番目の「マスター」まで到達しました。

そして現在のセット5。もう完全にハマってしまって、ちょっと戦績を調べてみたら開幕から1カ月ほどで500試合以上プレイしていました。日本サーバーで30番目の多さみたいです(笑)。本気のプレイが実って遂に一番上のランク「チャレンジャー」にも到達できたのですが、上位0.02%という雲の上の実力者ばかりのランクだと思っていたので昇格した瞬間はものすごい達成感でした。

記念すべき瞬間のスクリーンショット

TFTはライアットゲームズが開発したゲームで、コマやアイテムは全てLoLに登場するものなんです。でも僕はLoLに関しては完全に素人で、サモナーズリフト(メインのマップ)は全くと言っていいほどプレイしません。今でこそTFTの知識もあってLoLの大会を観戦することもありますが、そんな「LoLト素人」の自分が思いっきりハマっているTFTの魅力と奥深さを、元DCGのプロとしての目線も交えつつ紹介したいと思います。

TFTの魅力は何と言っても「同じ試合展開にはならないところ」ですね。

「最強」といえるほどの理想的な構成は存在しているんですが、8人ものプレイヤーが参加していて、なおかつ配られるコマとアイテムにはランダム性がありますから、その「理想」に辿り着けるのは何十試合に1回程度です。むしろそこを目指すことすらできない試合ばかりで、毎回違った展開になるので飽きることなく楽しめます。

我ながら好調だった時期の戦績です。これだけ1位を取れていたのにパッチが変わると一転して勝てなくなることもあるんです

そしてここからが重要なんですが……。「ランダム性」と書くと運要素が強いように感じられますよね。でもこのゲーム、バトルには先攻・後攻がありませんし、誰もが自由な戦術で動けるのでむしろ「完全に平等」なんですよ。ランダムな要素を含めて最適な盤面を作り上げる力が必要なので、言い換えると「どんな運でも生かし切る『実力』が問われるえげつないゲーム」だと思います。

この「与えられた素材で一番高い勝率を出す」プロセスには柔軟なプレイが求められますし、頭の中で戦略を組み立てる能力が大事になります。逆にそれができれば細かいプレイスキルは必要ないので、DCGを触っていた人にとっては遊びやすいしゲームではないでしょうか。僕がShadowverseのプロだったからそう感じるだけかもしれませんが(笑)。

そんなTFTで勝つために大事なのは、とにかく「慣れと知識」ですね。どの構成が強いのかを知ることが重要なのはもちろん、1ラウンドごとに準備できる時間が短いので結構忙しいんです。始めたばかりの頃はちょっと覚えることが多くて大変ですが、慣れると相手の盤面チェックに脳のリソースを割けるようになってきて、駆け引きの面白さが増していきます。

これがゲーム画面。中央で進行するオートバトルを見ながら、下段で「コマを買うか、レベルを上げるか、貯金するか」のマネジメントを行います

といってもこのゲームは本当に情報量が多いので、何百戦とプレイしてきた僕もグダグダになってしまうことは未だにあります(笑)。全く想定してない構成をアドリブで完成しつつあるタイミングなど、もう操作が間に合わず余計な痛手を負ってしまいがちです。連続で勝って「完全に勝ち方を理解したな~」と思いきや、下位に連続で沈むこともあります。本当に試合ごとに全く違うゲームになるんですよね。

絶対に負けない理想の盤面を完成させたときに味わえる、ただ見ているだけで相手を次々と殲滅していく「無敵のウイニングラン」の爽快感はこのゲームの醍醐味ですね。また、序盤で「ちょっと微妙かもな~」という状態で上手く立ち回ってギリギリで1位になれた試合も、圧勝したときとは違う達成感が味わえて、これが病みつきになりますす。

この楽しさを一度覚えると、負けた試合でも「この反省を生かせば次は勝てる!」ともう一試合遊んじゃいます。負けても楽しめる中毒性がこのゲームにはありますね。

ここまでで興味を持ってくれた方のために、ちょっとした初心者向けのアドバイスもしたいと思います。まずはカジュアルマッチから始めてみるのも良いですが、カジュアルは良い意味で「遊び」というか、勝つことよりも「理想を追う」プレイングをする人も多いです。できれば、全員が上位を目指して駆け引きするランクマッチを遊んでみて欲しいですね。

ランクでは4位までに入ればポイント(LP)が増えるので、「最低でも4位狙い」というマネジメントも求められます。ただ、その加減が結構難しくて……自分はどうしても1位を取りたくなってしまう性格で、他のトップ層の人と比較しても「1位率」は上位なのに、「トップ4率」はえげつなく低いんです(笑)。

説得力はないかもしれませんが、時には「予定よりも早くゴールドを注ぎ込んで盤面を強くする」などHPを高く残していくプレイングが上位に残る秘訣であることは覚えておいておきましょう。基本的にはゴールドとHPを管理するゲームなので、対戦に勝ってHPを高く保ちつつ、ゴールドの利子やボーナスをキープしていくことが上位入りの秘訣です。

画面上の「2-1」が現在のラウンド数。右側がプレイヤーのHPで、他のプレイヤーの名前をクリックすれば、その人の盤面をチェックできます

まずはプレイを始める前に「今の環境で強い構成」と「序盤戦で強い構成」を知っておくことが重要です。

最終構成には入らないメンバーでも良い構成が揃ったなら、多少ゴールドを使用してもラウンド5連勝でボーナスを狙いたいところ。対人戦がスタートするステージ2-1でレベルが上がるよう、ステージ1-3でレベルに先行投資しておく「プリレベル」というテクニックもあるのですが、ゴールドを使ったならできるだけ勝ってHPを維持したいですね。

ちなみに、僕は序盤戦がちょっと厳しいなと感じたらむしろ5連敗を狙いに行きます。これはHPを大幅に削られてしまうのでリスキーだし、あまりやっている人は少ない作戦かもいれませんが、実は勝ったり負けたりを繰り返すのがHPもゴールドも中途半端になってしまうので一番ダメなんです。最終的な総ゴールド量で上回るために「序盤は5連勝か5連敗」が僕の定石になっています。

連勝でも連敗でもボーナスで追加されるゴールドは変らないのがポイント。勝ったり負けたりするよりも、極端な戦績の方が後々有利になるんです

ステージ3~4くらいでは他のプレイヤーの盤面をチェックして「被らない構成」を目指すことが多いです。TFTでは1マッチ内で登場するコマの数に上限があるので、同じ狙いの人とは「コマの奪い合い」が起きるんです。欲しいコマが被ると本当に厳しくて、同じコマを狙いそうな相手がいたら一気にリロールしてコマを先取りしてしまう、というテクニックもあるくらいです。

できるだけ構成が被らないよう意識するのが重要ですし、そうすれば自然と取れる選択肢が絞れると思います。勝っているならお金を使って連勝を維持、負けているなら中盤も連敗でお金を貯めつつステージ4-1以降での巻き返しを狙う。これをひとつの目安と考えてみてください。

さぁ終盤戦です。最後は全員が、自分が持ちうる最強の盤面に向かいます。それに負けないように強い構成を作っていきましょう。上位のランクで勝つためには配置も重要なテクニックで、相手の盤面と対峙するのに適した並びにするだけでも一気に勝率が変わります。プレイヤーが減れば次の対戦相手がランダムながらも予測しやすくなるので、制限時間ギリギリまでコマを動かし続けてこちらの手を読まれないようにする駆け引きも生まれます。

配置に関しては「どの構成が強いか」を調べても意外と書かれていなくて、配信を見て勉強したり自分で研究したりしながら正解を見つけていくことになります。配置次第で大きく勝率が変わりますから、プレイヤーの総合力が問われます。とにかく全力で盤面を強化して配置を決めたら、あとはコマを応援することしかできません。自分たちのコマを信じましょう。

色々と紹介しましたが、TFTのプレイスタイルに正解はありません。8人がそれぞれのスタイルでプレイするので、時には全員がアグロ気味の戦法で早期決着となることもあるし、利子を溜め込む人が多いならスローペースで最終盤面の強さ勝負になることもあります。

最初からどんどんアイテムもゴールドも注ぎ込む先行タイプの人もいれば、最終的に強い盤面をめざして後方待機する追い切り型の人もいて、ちょっと競馬っぽいですね。

競馬に例えるなら、ずっと1位をキープしてHPもゴールドも余裕ある状態で「逃げ」を決めるのが理想です。僕は「まだ大丈夫でしょ」とHPにダメージを受けながら総ゴールドで有利を奪おうと「追い込み」を狙って、最高に気持ちいい逆転を決まることもあります。理論上はHPが1でも残っている状態で最強の盤面が完成すれば、そこから無敗で最後まで走り切れますからね。まぁ、逆転できずにズルズルと負けてしまうことも多々あるんですが。

この勝利画面が気持ち良いんです!

今のトレンドはとにかく来たコマに応じて強い構成を的確に組み上げる「フレックス」スタイルで、僕もこれを目指したいなと思っています。でも中にはひとつの構成しか狙わない「OTP(ワントリックポニーの略)」スタイルでチャレンジャー帯まで勝ち上がる人もいます。本当に多様性に富んだゲームですね。

現時点では「LoLが好きで、ついでに遊ぶゲーム」という印象もあるかもしれませんが、「LoLド素人」の僕がこれだけハマっているんだから、TFTには誰でも楽しめるポテンシャルが間違いなくあります。

実は先日世界大会の予選にも挑戦したのですが、決勝戦を目前に敗退してしまいました。やっぱり上には上がいますね。

でも、これからも大会に挑戦してみたいと考えているので、更にTFTが盛り上がると僕も嬉しいです。LoL好きもカードゲーマーも、そうでない人も、TFTで最高のウイニングランを味わってみてください。

リオウ プロeスポーツチーム「G×G」所属のストリーマー。2020年度はチームトップの大会出場数だった。チーム内で一番修羅場をくぐったが、 体調面での不幸もあり、本来の実力を出し切れず悔しい思いをした。今年は本人たっての希望で、拓海に代わってアドバイザーとして登録。 加えてストリーマーとして活動を活性化させ、Shadowverseを含むゲームの面白さを啓蒙する活動によりフォーカスしたい、と強く決意している。
Twitter:@Riowhey
Openrec.tv:https://www.openrec.tv/user/Riowh

(構成・ハル飯田)