7月23日から8月8日まで、「東京2020オリンピック」は史上最多の33競技339種目が実施されています。1年の延期を経て開かれた大会では、日本人選手のメダルラッシュが続いています。兄妹ともに金メダル獲得という偉業を成し遂げた阿部一二三選手・阿部詩選手、日本の卓球史に初の金メダルをもたらした水谷隼選手・伊藤美誠選手の混合ダブルス……。画面越しに世界を相手に奮戦する選手の活躍に胸を打たれた方も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介する「東京2020オリンピック The Official Video Game™」(東京2020オリンピック ジ オフィシャルビデオゲーム)は、東京2020オリンピックの興奮を自宅で気軽に味わえる公式ライセンスゲームです。”気軽”と言っても侮るなかれ、その再現度と駆け引きの熱さは本物。実際のオリンピックで行われる各競技を舞台に、金メダル獲得を目指して盛り上がることができます。(競泳、卓球の金メダリストのアバターでプレイした後編はこちら

20種目を収録した東京2020オリンピック公式ゲーム

本作は2019年7月24日にセガより発売されたスポーツゲーム。プレイヤーは自らの分身となるアバターを作成し、それぞれゲーム性の異なるオリンピック競技を自由に選択して遊べます。オフライン時のプレイ人数は1人~2人ですが、インターネット接続を介したオンライン時は最大8人でもプレイ可能です(競技によって変動)。

タイトル画面には東京2020オリンピック期間中のため、「オリンピック開催中!」のメッセージが並ぶ

本作に収録されているのは、「100m」(陸上)や「100m自由形」(競泳)といったお馴染みの競技をはじめ、「卓球」、「柔道」、そして今回から正式に採用された「スポーツクライミング」といった合計20種目。いずれも実際の公式ルールに基づいた作りとなっており、各種目ごとに特色ある操作方法が用意されています。

とは言え、基本的なゲームシステムはどれも分かりやすく、スポーツゲーム初心者でも覚えやすいのがポイント。それでいて、上級者のやり込みに耐えうる奥深さも両立させています。

陸上、競泳、球技などの種目によってプレイスタイルもさまざまに変化する

各種目に挑戦する選手は、アバター機能でプレイヤー自身が自由に作成できます。スタイル(性別)と体格はもちろん、顔パーツの大きさや位置も細かく調整可能。細部にいたるまで自由に変更できるため、「実在の選手とそっくりなアバターを作る」といった楽しみ方も大いにアリです。作成したアバターはコード入力によって他のプレイヤーへ共有できるので、「フレンド同士で手の込んだアバターを交換しあう」とさらに面白くなるかもしれません。

筆者の場合、柔道で金メダルを獲得(※)した「阿部一二三」「阿部詩」「高藤直寿」「大野将平」「永瀬貴規」の5選手を作成。重量制限と性別の垣根を越えたドリームチームを結成し、シングルプレイモードに挑みました。

今大会、兄妹で金メダルを獲得した阿部一二三選手のアバター

※メダル獲得状況は本稿執筆時点(7月27日)

アバターの阿部一二三選手(上段2列目)、阿部詩選手(上段3列目)、高藤直寿選手(上段4列目)、大野将平選手(上段5列目)、永瀬貴規選手(下段1列目)

駆け引きの妙をしっかり再現した「柔道」

日本発祥の柔道がオリンピックに正式採用されたのは、今から57年前の東京オリンピック。当初は男子部門のみでしたが、その28年後のバルセロナオリンピックで女子部門も晴れて仲間入りを果たしました。オリンピック史だけでも50年以上、その由来をたどると、実に140年近い歴史を誇る由緒正しい格闘技なのです。

また、「日本のお家芸」と言われていることもあり、東京2020オリンピックでは本稿執筆時点で5名の選手が金メダルを獲得。技をかける・かけられるの瀬戸際で繰り広げられる応酬に、きっと大勢の人々が胸を熱くたぎらせていることでしょう。

「東京2020オリンピック The Official Video Game™」は、柔道が持つ競技性を見事に対戦型ゲームとして昇華。4名1組のチームで戦い、先に3点を獲得したチームが勝利となります。

試合前の両チーム対面シーン。日本武道館の緊迫した空気感までも再現している

冒頭で述べた通り、柔道のゲームシステムはいたってシンプル。「つかんでから大技で一本」、もしくは「技ありを2本取って1点に繋げる」。対戦する選手に関わらず、試合中はこのどちらかを常に狙っていきます。

相手をつかんだ後はボタン連打へ移行。お互いの連打に応じて技の発生可否が決まり、勝敗の判定を踏まえて次の選手へバトンを渡す……という仕組みです。間口は広く、それでいて強さを求めだすと、上級テクニックの存在感が次第に増していく。カジュアルにもストイックにも楽しめるのが、この柔道の魅力と言って過言ではないでしょう。

試合時間は4分。時間切れまでに相手に技をかける必要がある

試合開始後、まずは技へ繋げるための「つかみ」を狙います。この時、「えりつかみ」(発生:速/リーチ:短)を使うか、それとも「そでつかみ」(発生:遅/リーチ:長)を使うかは状況次第。先に仕掛ける場合はえりつかみ、相手の空振りに合わせて反撃する場合はそでつかみ、と戦況に合わせて使い分けるのが攻略のコツです。

無事につかみがヒットした後は、ボタン連打パートへ移ります。こちらはボタン連打によってゲージ中央部の白いカーソルが移動。プレイヤーが相手をつかんだ場合、「技ありゾーン」(青色)か「一本ゾーン」(赤色)のエリア内にカーソルがとどまれば攻撃成功となります。逆に相手からつかまれた場合は、技ありや一本が成立しないよう、ボタン連打でカーソルの侵入を防がなければいけません。

つかみ時のボタン連打シーン。腕にたまった乳酸を物ともせず、必死に技ありと一本を狙う

「ボタン連打って単純過ぎない?」と思うなかれ、柔道にはボタンを押しまくるだけでは勝てない”奥深さ”が秘められています。と言うのも、各選手にはボタン連打に応じて減少する「スタミナ」ゲージが存在。このスタミナが中々にくせ者で、序盤から連打し過ぎるとスタミナを大量に消費してしまい、後半の攻防でカーソルの押し付け合いに勝てなくなります。さらにスタミナが尽きた状態で相手につかまれると、問答無用で一本を取られる大ピンチに繋がりかねません。

ゆえに大事なのは「ボタンの連打数」。序盤は連打数を抑えてスタミナを温存。逆に相手のスタミナが減ったタイミングでハードな連打勝負に持ち込む。こうすることで、スタミナの少ない相手の反撃をはねのけ、カーソルを各ゾーン内に突入させやすくなります。

一本が決まった瞬間。ドォォォン!という轟音が鳴り響く同時にカウントも点灯

大技がしっかり決まった際の爽快感は格別。相手を床に叩きつける轟音と共に、「一本」という表示が画面上に大きく映えます。

こうした大技のほか、チームゲージ(画面左下)を消費して勢いよく飛びつく「つかみ技」、つかまれた状態から瞬時に攻撃へ転じる「返し技」、つかんだ瞬間に一本へ繋げる「必殺つかみ」など、勝率アップに役立つ上級テクニックも搭載済み。パーティーゲーム感覚で大技を狙う遊び方に加え、各種テクニックをまんべんなく使った華麗な立ち回りを研究すると、さらにプレイの幅が広がりそうです。

相手に有無を言わさず一本で勝てた瞬間。爽快感も桁違い

トレーニングモードであの有名選手と戦える

トレーニングモードでは、CPUの強さを3段階(ふつう・つよい・もっとつよい)に分けて変更し、心ゆくまで好きな種目を練習できます。トレーニングモード中に達成した記録は、そのままベストスコアとしてゲーム内に保存もOKです。

さらに、期間によっては実在のトップアスリートにゲーム内で挑戦可能。本人さながらのパフォーマンスを発揮し、トレーニングに打ち込むプレイヤーの前に全力で立ちはだかります。ちなみに柔道では、2000年のシドニーオリンピックで金メダル(100㎏級)を獲得した井上康生さんや、準優勝(100kg超級)に輝いた篠原信一さん、全種目に「霊長類最強」としてレスリングで活躍した吉田沙保里さんが登場。対戦チームの一員に入り、豪快な攻めで一本を狙ってきます。

篠原さんの圧倒的な迫力を体現したアバター(右)。手強さはいわずもがな、つかんで投げるのも一苦労

実力が気になった筆者も篠原さんのアバターにチャレンジしてみましたが、健闘むなしくあと一歩のところで敗退。モニター越しに直接伝わるかのような力強い投げ技により、気づいた時には筆者のアバターが武道館の床に勢いよく叩きつけられていました。

試合後に「あなたも強かったですよ」(本人による新規ボイス)と篠原さんのアバターに声をかけてもらったことで幾らか心は安らぎましたが……やはり実力不足だったのは否めません。リベンジを心に掲げ、「トレーニングモードとシングルプレイモードで地道に努力しよう」と決意した瞬間でした。

試合後は記者会見風のリザルト画面が表示される。篠原さんの肉声を収めた特別メッセージは必聴

オリンピックの熱さを体験できる、公式ゲームならではの魅力

「東京2020オリンピック The Official Video Game™」の最大の魅力は、やはり「駆け引きの熱さが気軽に味わえる」こと。人を選ばない遊び方を基本としつつも、各競技の駆け引きをシステム上で上手く再現している。オーソドックスな作りに間違いありませんが、各競技それぞれが、アクセントを変えながらも”盛り上がるポイント”を丁寧に調整しているのです。

加えて、プレイヤーの自由な楽しみ方を促すアバター作成モード、まだ見ぬ猛者と真剣勝負に興じるオンライン対戦モード、スポーツ選手をゲーム内に登場させる仕掛け……と、単に競技の再現だけにとどまっていないのも、本作の立派な特徴ではないでしょうか。今回は柔道のみのご紹介となりましたが、機会があれば別の種目にもチャレンジしてみたいと思います。

五輪2連覇を果たした大野将平選手のアバター

東京2020オリンピック The Official Video Game™

対応機種 : PlayStation®4/Nintendo Switch™/PC(Steam)
ジャンル : オリンピック公式スポーツゲーム
プレイ人数 : 1~2人 ※オンライン時は最大8人
※Nintendo Switch™版 ローカル通信プレイ対応:2~4人
発売・販売 : 株式会社セガ
公式サイト : https://www.olympicvideogames.com/tokyo2020/jp/

筆者がプレイした金メダリストのアバターと入力用コード

阿部一二三選手のアバターと入力用コード
阿部詩選手のアバターと入力用コード
永瀬貴規選手のアバターと入力用コード
大野将平選手のアバターと入力用コード
高藤直寿選手のアバターと入力用コード