League of Legends Japan League」(LJL)は「LJL 2021 Summer Split」のWeek4が終了し、折り返し地点を迎えています。春からの戦績やチームの成長度、LJLで現状評価の高いピックなどについて、簡単に振り返りたいと思います。7月24日に開催されるWeek5に向けて、見どころを解説します。

Week4までの戦績を振り返る

まずは、現時点での順位表をご覧ください。

LJL 2021 Summer Splitの順位(Week4まで)

今夏のLJLはWeek4終了時点で上位6チームによる大混戦、同率2位のチームがなんと4チームあります。1位と6位の差も2勝しかなく、どのチームが抜け出してきてもおかしくない状況です。それぞれのチームが自分たちの持ち味や強みを活かし、高いパフォーマンスを見せています。MSI参戦後の夏は苦戦を強いられるというLoLプロシーンのジンクスはDetonatioN FocusMeにも当てはまるかと思われましたが、開幕の三連敗を見事に修正し、5連勝という好成績でシーズン前半を終えました。一方で、同率7位のBurning CoreとSengoku Gamingは両チームとも6連敗と苦戦を強いられていますね。後半戦には巻き返しを期待したいところです。

Springとの「差」

個人的に、春と大きく差が出ているチームが2組います。それが、AXIZとSengoku Gamingです。

LJL 2021 Spring Splitの順位
春の王者 DetonatioN FocusMeを破ったAXIZ

AXIZは春の間、チームの安定性やコミュニケーションの面に不安があり、他の7チームと比較してもパフォーマンスの劣るチームという状態でした。しかし、今期のAXIZはチームとしてどのレーンを中心にプレイするのか、自分たちの勝ち筋がなんなのか、プレーからはっきりと伝わってきます。AXIZの選手間で意識の共有実況のeyes氏はAXIZのコミュニケーションを「うるさいくらい」と表現するしかないほど評価していました。ようやく努力が実を結んだことにより、彼らはますます勢いづいてくるでしょう。

AXIZミッド Megumiin選手

(△当初配信した画像に誤りがあり、修正しました)

AXIZサポート Nemoh選手

AXIZがここまで強力なチームになっているのは、ミッドのMegumiin選手、サポートのNemoh選手両名のパフォーマンスが飛躍的に向上していることが大きな要因として挙げられます。今年の1月にチームに加入した2名でしたが、この夏は伸び伸びとプレーしており、新参プレイヤーNemoh選手が古参プレイヤー達の十八番サポートチャンピオンである「スレッシュ」でチームを勝利に導く様子からは、LJLに新しい風が吹いていることを確かに感じられます。

難易度の高いフック系チャンピオン スレッシュ

その一方で苦戦を強いられているのが、Sengoku Gamingです。昨年の12月からサポートEnty選手以外の4人のプレイヤーを大幅に入れ替え、ベテラン陣を揃えたメンバーになりましたが、チームの歯車が最初から最後まで噛み合う試合は少ないのが現状です。現環境はピック出来るチャンピオンの幅も広く、フレックスピックとなるチャンピオンも多いためか、チーム全体でできること/やりたいことがまとまっておらず、「多数の戦術にチームが振り回されている」印象を受けました。多くの経験を持つベテラン陣が揃っているが故の苦難でしょうか。春も苦戦していた前半戦を超えてシーズン3位に落ち着く形になっていますし、この問題を修正する力を十分持つ選手が揃っているチームですので、後半戦の伸びに期待しています。

LJL 2021 Summerで評価されているチャンピオン

夏シーズン プロシーンで最も評価の高いキャリー ヴァルス

本シーズンで最も採用されているキャリーはヴァルスです。ドラゴンの優先度が高いチームは、レーン戦が強力なキャリーをボットレーンに採用する傾向があります。本シーズンの使用パッチの1つであるパッチ11.12にて、ヴァルスは弱体化されていますが未だにレーン性能がずば抜けて高いという評価になっています。

これは世界中のプロシーンを見ても同様の評価で、パッチ11.12、11.13で行われた約6割の試合でヴァルスがピック、もしくはバンされています。パッチ11.12ではエズリアルがアイテムとの親和性から圧倒的な評価を得ていたのですが、「ディバインサンダラー」を遠距離チャンピオンが使用した場合に対する弱体化がパッチ11.13にて行われたため、総合的にヴァルスが最も評価されたキャリーチャンピオンとなりました。

ポテンシャルの高さが圧倒的な何でも屋 ルブラン
集団戦のゾーンコントロール性能が強力な オリアナ

また、パッチ11.13では、マナミシックアイテムの購入金額が200ゴールド安くなったことで、メイジ達がミッドレーンに戻ってきています。特に評価が高いのは、AD近接チャンピオンに対して強く、総合的なポテンシャルの高いルブラン、集団戦が非常に強力でゾーンコントロール性能がずば抜けているオリアナ。どちらも、ソロランクではパッとしないが、競技シーンでは最上級の評価を受けているチャンピオン達です。

パッチ11.13“最凶”チャンピオン ノクターン

移動性能が弱体化され、スロウ効果とダメージが高くなったストライドブレイカーの変更は、最強フレックスピックチャンピオン「ノクターン」を生み出す結果になりました。パッチ11.13のLJLでは1度しかピックされておらず、残りの15試合全てにおいてバンされています。如何にプロシーンで高く評価されているのかが分かると思います。

シーズン前半戦で評価が飛びぬけて高かったノクターン、カルマ、ヴァルス、シンジャオ、アカリは次のパッチ11.14にて全て弱体化されているため、バン/ピック環境の変化が予想されます。

次週以降の予想

来たるWeek5に向けて、おそらく使用されるパッチ11.14の個人的な要注目のチャンピオンはヴィエゴ、イレリア、ドクター・ムンドです。

ルインドキングの王 ヴィエゴ

特にヴィエゴは前パッチから「ディバインサンダラー」と「ステラックの籠手」を積んで耐久力を高めるビルドが非常に強力で、トップ、ジャングル、ミッドのフレックスピックとして非常に高い評価を得ています。中盤以降であればシンジャオに殴り勝てるのも特徴で、バンしなければ初手でピックされるチャンピオンとなるでしょう。

操作難易度が最も高いチャンピオンの1体 イレリア

イレリアはパッチ11.14の調整で固有スキルの発動効果が4スタックになった点が最も大きく、Wのダメージ軽減率が上昇しました。また、魔法ダメージに対しても軽減するようになったため、使いやすさが倍増しており、主に北米地域で一気に評価が高くなったチャンピオンです。LJLではFukuoka SoftBank Hawks gamingのDasher選手、Crest Gaming ActのNaehyun選手などがピックする可能性があると思います。

直近でリワークされ、先日プロシーンで使用可能になったドクター・ムンド

ドクター・ムンドはレーン性能を弱体化されている代わりに体力回復効果とジャングル性能が強化されたため、評価が高くなっています。Week4までの時点で何度かピックされる機会もみられたので、Week5からはよりピックされていくと予想しています。

今回は少し変わった趣旨ではありますが、LJL夏の前半戦を春と比較して振り返ってみました。春のWeek4終了時点と比較してみるとより分かりやすいのですが、LJL全体の実力は間違いなく上がっており、特に下位に滞在していたAXIZ、Fukuoka SoftBank Hawks gaming、Crest Gaming Actはチーム全体から意思の統一が感じられます。

今年の夏のLJLはどのチームが勝ってくるのかほとんど予想がつかないハイレベルなシーズンとなっています。この先にどんなドラマが待っているのか、最も熱い夏の試合を見逃さないように注意しましょう。

LJL 2021 Summer Split Week5は7月24日午後1時より放送予定です。

【著者紹介】明形 知式

あけがた・ちしき 友人から「宇宙人」と言われるWebライター。LoLやストラテジーゲーム全般と読書が趣味です。好きな言葉は「愛するということは、おたがいに顔を見合うことではなくて、いっしょに同じ方向を見ることだ。(人間の土地/サン・テグジュペリ)」。