ベテラン選手を次々となぎ倒す若手選手たち

6月から行われていた「第3期 TOPANGA CHAMPIONSHIP」のオンライン予選を勝ち抜き、7月5~7日の決勝リーグへ駒を進めたのは下記7名の選手です。

決勝リーグに進出した7名の選手(Mildomより引用)

ひぐち選手、水派選手、カワノ選手と若手が多く残っているのが新鮮です。決勝は総当たり戦で、7本先取という長期戦のフォーマット。他のトーナメント大会と比べて対応力や集中力が問われるため経験値が物を言う戦いになりますが、今回は若手選手の目覚ましい活躍が印象的でした。

中でも、まず注目したいのは忍ism所属のひぐち選手です。彼は14歳の頃からももち選手の門下で修行している現役大学生プレイヤーで、近年着々と実力を付けている若手の注目株。使用キャラクターは強力な飛び道具を有し、今シーズン高い評価を得ているガイルです。

ひぐち選手(撮影:志田彩香)

決勝Day1では、ひぐち選手vsときど選手のカードが組まれました。ときど選手は言わずと知れた世界最強プレイヤーの1人で、予選でも圧倒的な実力を見せつけていました。もちろん、ひぐち選手にとって簡単な相手ではありません。

ときど選手(撮影:志田彩香)

試合前のインタビューでときど選手は「ガイル対策を徹底してやってきた」と公言。ひぐち選手との戦いに相当な自信を覗かせていましたが、いざ試合が始まると両者は互角の戦いを繰り広げます。ときど選手の圧倒的なプレッシャーに気圧されることなく、画面を上手く使った落ち着いた立ち回りを見せ、ひぐち選手はこの試合を7-4で勝利。最後にはときど選手の動きを完全に読み切ってクリティカルアーツを決めるなど、まだまだ余裕が垣間見える快勝でした。

通常投げ読みのソニックハリケーンが決まってひぐち選手の勝利に(Mildomより引用)

また決勝Day2ではベテランの板橋ザンギエフ(以下、板ザン)選手と相まみえます。最強の投げキャラ使いとして名高い板ザン選手は前回「TOPANGA CHAMPIONSHIP」の優勝者。プレイヤーの癖を読むことが得意な選手なので長期戦に強く、本大会でも優勝が有力視されています。

板ザン選手(撮影:志田彩香)

しかしそんな板ザン選手を相手にしても、ひぐち選手は一歩も引きません。若手とは思えない落ち着いた間合い管理と状況判断能力で板ザン選手を完封し、なんとこの試合は7-0のストレートでひぐち選手に軍配が上がります。

ひぐち選手が圧倒的な強さでストレート勝ちを見せた(Mildomより引用)

その後、様式美選手、ガチくん選手のベテラン2名を前にして延長戦の末に惜敗してしまう局面もありましたが、ひぐち選手は3勝2敗の好成績で最終戦を迎えます。

そして、そんなひぐち選手に負けじと活躍していたのがGood 8 Squad所属のカワノ選手です。カワノ選手も近年メキメキと実力を伸ばしている若手プレイヤーで、特に国内での評価が高い選手です。活発な配信活動からファンも多く、配信チャットにはカワノ選手を応援する声が多く見られました。

カワノ選手(撮影:志田彩香)

そんなファンの声援のおかげか、カワノ選手の戦績は上々。接近戦が強力なコーリンを使うカワノ選手は、Day1でガチくん選手と水派選手を相手に快勝し、7名中唯一無敗のまま初日を終えました。

特にガチくん選手はCAPCOM CUPの優勝経験もある強豪ですが、カワノ選手はベテラン選手相手にも全く怯みませんでした。卓越した間合い管理能力で、ガチくん選手操るラシードの強力な通常技や飛び道具に的確に対応していき、接戦を制して7-5のスコアで勝ち星を上げます。

ガチくん選手を追い詰めるカワノ選手(Mildomより引用)

その後Day2ではときど選手相手に惜敗するものの、負けはこの一戦のみ。どの試合でも持ち前の近距離戦の強さを生かし、安定して勝ち星をあげていきます。カワノ選手は全プレイヤー中1位の4勝1敗という好成績で最終戦を迎えます。

若手同士の決戦!勝者はどちらだ!

3日間にわたって開催された本大会が大詰めを迎えるDay3、優勝を決める最終戦のカードはひぐち選手vsカワノ選手となりました。ベテラン選手を次々と倒してきた若手2人による優勝争いに、コミュニティの注目度も高まります。

両者のキャラクター相性は、一般的に飛び道具が強力なガイルに分があると言われています。しかしカワノ選手はウメハラ選手との練習でガイル対策を練ってきているとのことで、ひぐち選手も気が抜けません。

ひぐち選手(左)カワノ選手(右) (Mildomより引用)

序盤戦、劣勢になるかと思われていたカワノ選手が勢いのままに3連勝を決めます。カワノ選手の強みは何と言っても読み合いの強さで、近距離での投げの攻防を強気な読みで制していくさまは圧巻でした。また、ひぐち選手が切り返しで使うサマーソルトキックがガードされていた場面も多く、カワノ選手に優位があるかのように見えました。

サマーソルトキックはガードされてしまうと手痛い反撃を喰らってしまう(Mildomより引用)

コーリンは飛び道具が苦手なキャラクターですが、カワノ選手はガイルのソニックブームを歩きガードで封じていました。歩きガードはラインを失わずに飛び道具に対処できる戦術ですが、高いガード精度がなければ被弾を増やしてしまう諸刃の剣です。しかしカワノ選手はレバーレスコントローラのHit Boxを生かして歩きガードの精度を極限まで高めており、ひぐち選手の飛び道具を機能させないように立ち回っていました。

その後もカワノ選手の優勢が続き、気づけばゲームカウントは6-2と、ひぐち選手は後がない状況に追い込まれます。しかしカワノ選手は、勝ちを目前にした第9ゲームで決まっていればあるいはそのまま優勝できたかもしれない、重要なコンボを落としてしまいます。ひぐち選手はこのミスを見逃さず冷静にカワノ選手をKOし、ここで試合の流れが変わります。

ひぐち選手がカワノ選手の優勝に待ったをかける(Mildomより引用)
両者はこの表情(Mildomより引用)

勢いづいたひぐち選手は前歩きと跳びを多用する積極的な姿勢を見せ、カワノ選手を圧倒していきます。カワノ選手は先ほどのミスによる動揺もあってか、この早い展開になかなか対応できず、すぐに画面端に追い詰められて体力を奪われていきます。ひぐち選手は勢いに乗って勝ちを重ねていき、ゲームカウントを6-5まで縮めます。

続く第12ゲーム、何としても同点に持ち込みたいひぐち選手は、またしてもカワノ選手を瀕死の状態に追い詰めます。普通なら心が折れてしまってもおかしくない状況ですが、ここでカワノ選手が底力を見せます。Vトリガーを上手く使って体力差を挽回していき、ひぐち選手の苦し紛れのソニックブームも見事にガード。そして最後にはしゃがみ強キックからのコンボを決め、残り体力わずかの状態からひぐち選手を逆転KOします。

優勝を決めたカワノ選手のコンボ(Mildomより引用)

この1勝によりカワノ選手が7勝に到達し、「第3期 TOPANGA CHAMPIONSHIP」はカワノ選手の優勝となりました。カワノ選手のような若手選手がこのような大きな大会で優勝するのは非常に稀であり、コミュニティはこの勝利を大きく祝福しました。

勝利して涙を浮かべるカワノ選手(撮影:志田彩香)

優勝インタビューでカワノ選手は「毎日配信や仕事の合間に練習していて、それが実ったことを非常に嬉しく思います。サポートしてくれた皆さんに感謝したいです」とした上で、「日本一では全然満足できないので、TOPANGAワールドチャンピオンシップスお願いします!」と強気に語りました。

優勝インタビューを受けるカワノ選手(Mildomより引用)
優勝賞金250万円を受け取るカワノ選手(撮影:志田彩香)

ベテラン選手が強い格闘ゲームのeスポーツシーンにおいて、カワノ選手やひぐち選手のような若手選手の活躍は非常に新鮮で、若手選手の努力がこうして結果に結びついたのは非常に喜ばしいことです。

新世代の若手選手たちがベテラン勢を圧倒する世代交代の日も、そう遠くはないのかもしれません。

「ストリートファイターV」について

「ストリートファイター」シリーズは、1987年に業務用ゲーム機として第1作目を発売後、1991年発売の『ストリートファイターII』において大ヒットを記録しました。革新的な対戦システムが話題を呼び、家庭用ゲームソフトでは全世界でシリーズ累計4,500万本(2020年6月末時点)の出荷を誇るなど、対戦格闘ゲームというジャンルを確立。。登場から 30年経た今なお世界中で人気を博しており、eSportsにおける格闘ゲーム分野を牽引するタイトルとなっています。「ストリートファイター」シリーズ史上初の「PlayStation®4」ユーザーと PC ユーザーが対戦できる「クロスプラットフォーム」プレイの導入を実現しております。 
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