7月3日、4日、eスポーツやお笑い、最先端のテクノロジーなどを体験できるイベント「ちょっと先のおもしろい未来」(略称:「ちょもろー」) が東京都港区の「東京ポートシティ竹芝」、「ウォーターズ竹芝」で開かれました。

東京湾に面し、羽田空港へのアクセスも良い竹芝エリアでは、「ポップ&テック」をテーマに、コンテンツを核とした国際ビジネスが集積する特区が形成されています。新しい文化や産業の発信地となろうと、官・民・学が連携して「デジタル×コンテンツ」を切り口に様々な取り組みを行っており、今回の「ちょもろー」もその一つです。

会場では、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科が実施するKMDフォーラム、デジタルサイネージアワード表彰式、吉本興業によるお笑いライブなどがありました。eスポーツに関するコンテンツとしては、トークショーや「ニンジャラ」体験会 、「パズドラ」の大会などが開催されました。

eスポーツ界のキーマンが集結

UUUM・後藤大輔さん、東京eスポーツゲート・原康雄さん、吉村崇さん、NASEF JAPAN・内藤裕志さん、イード・森元行さん

7月4日に開催されたトークショー「ちょっとさきの面白いゲームの世界」は、「ゲーム業界を盛り上げるキーマンたちによるトーク」として開催されました。自ら大会を主催するほど「PUBGモバイル」に力を入れるお笑い芸人の平成ノブシコブシ・吉村崇さんをスペシャルゲストに、「ちょっと先」を見据えたゲームやeスポーツの未来を語り合いました。

ファシリテーターは株式会社イードでメディア事業本部副本部長を務める森元行さん。ゲストとしては吉村さんの他に、UUUM株式会社執行役員の後藤大輔さん、東京eスポーツゲート株式会社代表取締役の原康雄さん、NASEF(北米教育eスポーツ連盟)の日本本部であるNASEF JAPANの内藤裕志さんが参加しました。

コロナ禍でもゲーム需要は拡大

UUUM・後藤大輔さん(YouTube配信より)

トークショーではまず、UUUMの後藤大輔さんが「コロナ禍でのゲーム需要」について説明しました。UUUMは、ゲーム実況を含む様々な動画クリエイターの活動をサポートしている企業です。後藤さんは今回のトークショーでも、「ゲーム実況」という切り口で話を展開します。

コロナ禍においても日本のeスポーツ市場は規模を拡大しているポジティブな市場であると、後藤さんは説明。「2021年から2024年にかけてeスポーツ市場は約2.5倍に伸びるという見込みもあります。eスポーツ市場の拡大と、2020年4月以降のコロナ禍での自粛生活を背景に、ゲーム実況動画の視聴者数自体もかなりの割合で増えています。特に昨年は『フォートナイト』や『Apex Legends』といったタイトルが伸びていて、競技性があるゲームの裾野がライト層にも含めて広がっている実感があります」とゲームとYouTubeに親和性があることを解説しました。

また、後藤さん自身は、夜に仕事をする際にラジオ代わりにゲーム実況を聞いているといい、「ゲームのプレイを見るというよりは、会話を聞くのを楽しむ方も増えてきたんじゃないかと思います。生配信自体も楽しみ方が多様化しているというのは感じます」と体験を踏まえて語りました。

誰もeeスポーツを認知する世界に

トークショーに参加した東京eスポーツゲート・原康雄さん(左)と吉村崇さん(YouTube配信より)

東京eスポーツゲート株式会社の原康雄さんは、「ちょっと先のゲームの未来」について語りました。

同社は、東京タワーの真下、約5,500㎡の敷地にeスポーツやゲームのテーマパークを開業予定です。ライブエンタテイメントやコスプレ、ファッションショーとeスポーツをかけ合わせ、子供から大人までライトにゲームを体験できる施設となることを目指し、12月末のプレオープン、来年4月のグランドオープンに向けて現在準備が進められています。

原さんはまず、「eスポーツをやっている方が多いという体感値はあるのですが、ふと、引いて見たときに『eスポーツって何?』という人もたくさんいます。JリーグやBリーグにはヒーローがいるのに、eスポーツの選手は全くわからない」と現状の課題を話します。

そして、「ちょっと先のゲームの未来」のために、「eスポーツのヒーローが生まれ、『eスポーツってこうだよね』と、道端を歩いている方に聞いてもわかる世界を作るのが、僕たちがやるべきことかなと思います」と強調。これには、吉村さんも「スーパースターが出た業界は広がりますね!」と同意しました。

さらに、「ゲーム内コミュニケーションの変化」についても問われた原さんは、ゲームを通じてリアルの場で会うことが、今後スタンダードにもなってくると予想します。そして、その待ち合わせ場所について「東京タワーで出会ってほしい」と期待しました。また、ゲームでのコミュニケーションが世代を超えることにも注目し、「おじいちゃんと子供が触れあう一つの手段としてのゲームがあってもいい」と話しました。

ゲームが「生き抜く力」を伸ばす

トークショーに参加したNASEF JAPAN・内藤裕志さん(左から)と吉村崇さん(YouTube配信より)

NASEF JAPANの内藤裕志さんとのトークテーマは「ゲームのメリット」です。

NASEF JAPANは、eスポーツをツールとして使い、次世代の育成を行っている組織です。北米に拠点を持ち、教育者や生徒、学校関係者、保護者に対して活動。学校同士をつなぐ情報共有を促進するためのコミュニティーづくりやeスポーツ大会運営を通じた教育プログラムの開発、クラブ活動の支援なども行っています。

「ゲームのメリット」において、内藤さんは「コミュニケーションが重要」と強調しました。友達とオンラインでゲームをすることで、相対的にコミュニケーションの量が増え、それが子どもたちの情操教育やコミュニケーションスキル、判断力の育成に繋がるということがアメリカで研究されており、それを日本でもやろうとしている、と説明。「ソフトスキル」と呼ばれる、「生き抜く力」の育成にゲームが活きるということです。

さらに、ゲームを通じて多言語でのコミュニケーションも進んでいることにも触れ、「ゲームが子どもたちが学んだりチャレンジするためのきっかけになっている」と、内藤さんは考えています。

100年200年と続く伝統に

トークショーに参加した吉村崇さん(YouTube配信より)

ゲストたちの話を踏まえて吉村さんは「(僕ら世代は)出来たものにしか参加できなかったんですよね。スポーツも、ルールが決まって既に何十年と経っています。これから作れるということの経験がなかったので、すごい楽しみですよね。完成したら次の世代たちがどんどん参加して伝統になっていく。この『ゼロイチ』は大きいですよね」と語りました。そして、「今後、100年200年続く祭りの第1回目を作りませんか? 楽しみで仕方ありません」と今後のeスポーツの発展に期待を込めました。

その一方、吉村さんは「来年大きなフェスが出来たときには、絶対私は呼ばれていませんのでびっくりしないでください。私を使っていたら失敗だと思ってください。そこは超一流の人を呼ぶべきなので!」と笑いも誘っていました。

親子で楽しむニンジャラ体験会

柳田さん撮影、再利用可
「ニンジャラ体験会」の様子

また、「東京ポートシティ竹芝」の会場ではアクションゲーム「ニンジャラ体験会」も2日にわたり行われ、子どもたちに大人気のイベントとなりました。

最大8名同時プレイのチャンバラバトルには、ゲームをやったことのない子どもたちも多く参加していましたが、プロゲーマーのにしざわ学園選手(@kong_2438gakuen)をはじめとした講師が丁寧に指導。楽しみすぎて、コントローラーをなかなか離さない子どももいたほか、保護者も一緒に夢中になり楽しんでいた様子でした。参加者には、「ニンジャラグッズ」もプレゼントされていました。

吉本興業チャンネル「ちょっと先のおもしろいゲームの世界」