プロeスポーツチーム「思考行結」の「VALORANT」部門に所属しているA1tmaN(@A1tmaN4REAL)です。

今回はFPSプレイヤーにとって永遠の課題といっても過言ではない「感度」について解説していきます。感度の決め方や「ハイセンシとローセンシって結局どっちがいいの?」といった疑問に対して、VALORANTを基準にした考えをお伝えできればと思います。

そもそも感度って? 人によって好みは変わる

FPS/TPSにおける感度とは、マウスやスティックを動かした際にカメラが動く距離のことです。英語で感度を意味するSensitivity(センシティビティ)を略して「センシ」と呼ぶことも多いです。PCゲームではマウス自体の感度(DPI=1インチ動かした際にポインターが動く距離)とゲーム内で設定できる感度を合わせて「センシいくつ?」と言ったりします。

簡単に言うと、感度が高い(ハイセンシ)だと視点移動が速くなり、感度が低い(ローセンシ)と視点移動が遅くなる、ということです。

「ハイセンシとローセンシ、どっちの方が強いの?」と思われるかもしれません。結論として「自分がやりやすい感度が一番」と曖昧な回答になってしまいますが、強いプレイヤーの中でもハイセンシ派/ローセンシ派が分かれていますし、日によってベストな感度が変わる人もいます。

要は「自分に合った感度をいかにして見つけるか」が大事になるわけです。

ローセンシとハイセンシの基準

まずは、センシの大まかな区分を説明します。正確な定義があるわけではありませんが、ゲーム内で180度振り向くためにマウスを動かす「振り向き」の距離に応じて、下記のように分類されます。

  • ~15cm:ハイセンシ
  • 15cm~20cm:ミドルセンシ
  • 20cm~:ローセンシ

こちらは、マウスのDPIとゲーム内の感度設定から振り向き距離を算出してくれるサービス「振り向き計算ツール」における基準です。より細かい「スーパーハイセンシ/ローセンシ」「ウルトラハイセンシ/ローセンシ」などの区分もありますが、この記事では割愛します。

同ツールを使って計算すると、VALORANTではDPI 400でゲーム内感度1.09だと腰撃ちでの振り向きが14.98cmなので、このあたりがミドルとハイセンシの境目になります。また、DPI 400でゲーム内感度0.82だと腰撃ちでの振り向きが19.91cmなので、ミドルとローセンシの境目はここらへん。

※DPIを800にする場合はゲーム内感度を2で割ります。

ハイセンシとローセンシのメリット・デメリット

区分が分かったところで、ハイセンシとローセンシのメリットとデメリットを見ていきましょう。それぞれの強みを整理するだけでも「自分の性格にはこっちの方が合っていそう」と当たりをつけられるかもしれません。

ハイセンシとローセンシの定義は後ほど説明します。ハイセンシになればなるほど、ローセンシになればなるほどメリット・デメリットを感じやすくなると認識していただければ大丈夫です。

上の表を簡単にまとめると、ハイセンシは視点移動が楽だが安定性に欠け、ローセンシは安定感があるもののマウスの移動量が多く疲れる、ということです。まさに一長一短といったところ。

細かな操作が得意で器用な人は高いセンシが合っているでしょうし、いくらマウス動かしても疲れないぜ! って体力に自信のある人は低い感度のメリットを引き出せるでしょう。

ですが世の中そんな極端な人ばっかりじゃありません。そんな人たちにオススメしたいのがミドルセンシです。

「ミドルセンシ」を目指そう

ミドルセンシはその名の通り、ハイセンシとローセンシの間くらいのセンシ。いわば、双方の良いとこどりができるセンシです。

VALORANTにおいて、センシは低過ぎても高過ぎてもやりづらいと感じてしまうものです。ただ正面の敵と撃ち合うだけならローセンシが有利でしょう。しかしVALORANTでは角に敵がいないか確認しながら進んだり、フラッシュを避けたりなど、素早い視点移動も求められるため、ローセンシだと煩わしく感じる場面が多いでしょう。

逆にハイセンシが視点移動こそ快適になりますが、正面の撃ち合い時に小さな動きのずれで負けてしまうこともあります。

その点ミドルセンシは正面の撃ち合いもそこそこ強くなれて、視点移動もそこそこ快適になります。ミドルセンシでもハイセンシ寄りにするかローセンシ寄りにするかで、快適性とエイムの安定性のどちらに重点を置くかを調整できるます。どの感度にしたらいいか悩んでいる人は、ミドルセンシを目安に設定すると良いでしょう。

感度の決め方

感度の決め方は人それぞれで、その日の気分で変えたり、感覚的に決める人もいたりします。それで自分に合った感度に合わせられるに越したことはないのですが、読者の中には「感度の決め方」が定まっていない方もいると思います。

そこで、簡単な「感度の決め方」を紹介します。僕も実際に使うこともあり、前回の公式世界大会で優勝したSentinels所属のTenZ選手も勧めている方法です。

まずは準備

まず、基準となる感度を決めます。ここは今自分が使っている感度でもいいですし、好きなプレイヤーの感度でも大丈夫です。とにかく軸となる感度をひとつ決めます。

この記事では例として、ミドルセンシの中間あたり(振り向き17.5cm)を基準にしましょう。先程のツールを使って計算すると、DPI 400でゲーム内の感度は0.93あたりです。基準となる感度が決まったら、次はその感度の1.5倍と1/2を計算します。以降は少数第三位を四捨五入しますが、例に沿って計算するとこんな感じです。

これで準備は完了です。次は射撃場へ行ってそれぞれの感度を試してみましょう。

射撃場で「高め」「低め」を試し撃ち

射撃場に入り、先程決めた決めた「高め 1」と「低め 1」をそれぞれ試してみましょう。どちらかの感度にすぐ決めるわけではないので、高めと低めどちら動かしやすいか意識する程度で大丈夫です。

射撃場では色々なエイムの動かし方を試してみましょう。左右だけでなく上下を使ったフリック、リコイルコントロールや180度振り向き、近距離/遠距離の的を狙うなどなど……。

色々な撃ち方を試した上で、「高め 1」と「低め 1」のどちらが手に馴染みやすかったか考えてみましょう。「比較的こっちの方がやりやすい」程度で構いません。どちらか決めたら、より自分に合った感度に絞り込んでいきます。

基準との中間点を計算する

次は、やりやすかった感度とミドルセンシの感度を足して2で割ります。例として「高め 1」がやりやすかったとすると、下記のような計算です。

(1.4+0.93)/2= 1.17

この数字を新たな基準とします。先程の表のように、新たな基準を真ん中にして、やりやすかった感度と旧基準値を新たに「高め」「低め」に割り当てます。例をそのまま使うと、下記の表のようになります(分かりやすいように数字を振ってみます)。

新たに3つの数字が決まったら射撃場に戻り、「高め 2」「低め 2」を試します。1回目と同じように、いろいろな方向へのエイムを試してどっちが自分に合っているか確認してください。

絞り込めるまで繰り返し!

あとはこの手順を繰り返すだけ。「低め 2」の方がやりやすかったな、となったらまた先程と同じ計算をします。

(0.93+1.17)/2= 1.05

こちらを「基準 3」として、また表を作ります。

最初よりも高めと低めの差が小さくなってきました。この先も射撃場で試して中間を計算して……を繰り返し、自分に合ったセンシを絞り込んでいきます。

なんとなく「この感度だ」と感じた時点でやめてもいいですし、細かく自分のやりやすい感度を探すために何度か続けても大丈夫です。大体3~4回ほど繰り返せば、自分のやりやすい感度が見つかるでしょう。

たまには感度の見直しを!

「これだ!」と思う感度を見つけたとしても、マウスやマウスパッドが変わると感覚が狂い、やりやすかったはずの感度でも調子が上がらなくなったりするものです。調子が悪いと感じたら、改めて感度の設定を見直してみるとよいでしょう。

ただ、その日の調子や湿度などでも感覚は変わります。調子が悪いからといって頻繁に感度を変えていては、慣れることもできません。おおよその目安として一週間くらいは同じ設定でプレイしてみて、それで一向に調子が良くならない場合は設定を見直す程度にしましょう。

新しい感度に設定した直後は慣れなくてスコアが前よりも落ち込んでしまうかもしれませんが、ずっと使って慣れてしまえば前よりも活躍できること間違いなしでしょう!!