ラジオがきっかけの「微女」爆誕

「夜の時間のしゃべり相手はラジオだけだった」

前回のコラムでこう書いたが、この文面から分かるように私はもともとラジオっ子だ。2015年に芸能事務所へ入ってから、「自分のラジオ番組を持つこと」を一つの目標にしていたほどだ。

そんな私は日本テレビ「PON!」のお天気お姉さんや報道番組のリポーターなどを経験し、2017年から渋谷区のコミュニティラジオ「渋谷のラジオ」にて、自分の番組を持たせていただくことになった。

初めての自分のラジオ番組。しかも一時間の一人喋りラジオ。音声やBGMなども自分でミキサー機材を操作して調整しなくてはならない。初めてのことだらけで戸惑うことも多く、放送当初は番組の内容について放送作家の小原信治さんにアドバイスをいただきながら進めていた。

渋谷のラジオにてラジオ機材を操作する三浦優奈

私のことをお伝えしていくなかで、小原さんが「三浦さんって完璧な感じに見えるけど、ちょっと微妙なところも多いかも……?」と。そこで「微女」というキャッチーな肩書き(?)をつけてもらった。漢字の通り、「美女」ではなく、微妙な女と書いて「微女」である。当時の話を小原さんにお伺いしたところ、「大変失礼なキャッチフレーズを付けてしまった、ものすごく反省している」とおっしゃっていたのですが、私は、意外にも、その「微女」という言葉に救われたのだ。

「微妙な女って自分で言っているんだから、格好つけなくていいじゃん!」

私は八方美人になりがちだ。怖がりだからこそ、なのかもしれない。嫌われないように動こうとしすぎて、イイ子ちゃんぶってしまう自分自身に苦しめられていた。

だからこそ、ここで出会った「微女」は、私の八方美人のしがらみを解いてくれたのだ。これが三浦優奈という「微女爆誕」である。

ゲーム好きな優奈は嫌い?

「渋谷のラジオ」番組放送中の三浦優奈

そんな微女が放送するラジオ。「カッコいいことを言おう」「素敵なことを言おう」なんて考えず、もうなりふり構わず、好きなことを好きなように好きなだけ喋っちゃえ! となったわけである。

私の好きなことといえば、ゲーム! そう思い立ったのはちょうど、ゲームについて「ゲーム依存症」「ゲーム障害」などネガティブな部分ばかりがメディアで取り上げられていた時期だった。確かに私も、ゲームとはうまく付き合っていく必要があると思っている。だがしかし、私が好きなゲームの悪い面ばかりがメディアで報道されている現状が本当に悲しかったし、ものすごく悔しかった。

ここで一つ、私の中学時代のエピソードを聞いてほしい。

親友だった女の子に「優奈のことは好きだけど、ゲームをしている優奈は好きじゃない」と言われたことがある。アニメやゲームが好きな「オタク」たちに優しくなかった時代だ。私はその一言から、アニメオタクも、ゲームオタクも隠すようになった。八方美人全開である。

ただ現在では、アニメ・ゲームオタクであることに引け目を感じることは少なくなったのではないだろうか。オタクに優しい社会になったのか、世の中にオタクが多いことが分かったのか、「オタク=知識人」と言葉に対する認識が変わったのか。

テレビやラジオ、メディアで「アニメ好きです」「ゲーム好きです」とオタク宣言する芸能人が増えてきたことも大きな要因だろうと私は考える。

オタクに対する世の中の変化のように、私もゲームに対するイメージを変えていきたいと思った。そこで、私のラジオでは「ゲームをポジティブに」をモットーに放送しようと考えたのだ。

「#渋谷のeスポーツ改」

「渋谷のラジオ」にて「GAMEクロス」クラタ共同編集長(当時はSHIBUYA GAME編集長)との「渋谷のeスポーツ」放送風景

そこで、2019年からeスポーツメディア「SIBUYA GAME」さんにご協力いただき「音声しかないラジオというメディアで、どうゲームの面白さを伝えたらいいのか」と議論を重ねた。こんなに頭を悩ませたのは初めてだったかもしれない。

この打ち合わせで、言われて嬉しかった言葉がある。「ガチなんですね」というフレーズだ。私がMSIのゲーミングノートPC(重量2~3キロで、ファンが2個内蔵されたPC)を打ち合わせに持って行ったところ、ゲームメディアの方から言われたその言葉。

MSIのゲーミングノートPC

なんなら、打ち合わせの内容より覚えているくらい嬉しかった(笑)。「ゲームメディアの方にガチ認定もらった」って!

まぁそんなことはさておき(笑)。

私たちがたどり着いた「ラジオでゲームをどう伝えるか」の答え。結論は【人】にフォーカスすること。

たとえばプロのeスポーツ選手に注目し、大会に対する意気込みやコンディションについてインタビューしたり、大会の様子や結果などをドキュメンタリー調で紹介したりと、音声だけでも十分にゲームの魅力を伝えられる。

また、「eスポーツ大会や会場の熱気もラジオで伝えたい!」と思い、会場に来ている方にインタビューしてその音源をもとに喋ってみたりと、いろんな放送をしてきた。

ゲームに人生や情熱をかけている人がいる。ゲームの試合結果に一喜一憂し、涙を流す人がいる。それに感化されて観客も涙を流すのだ。そんなシーンがあることを、まずは一人でも多くの人に知ってほしいと思った。

現在は「GAMEクロス」のクラタ共同編集長と引き続き、「ゲームをポジティブに」をモットーに、およそ月に一回のペースで「渋谷のラジオ」にて「渋谷のeスポーツ改」を放送している。現在のeスポーツシーンや今ハマっているゲームについて、いろいろと試行錯誤しながら、ゲーマーである2人がただただゲームについて話す放送だ。

ゲーマーも、ゲーマーじゃない方も(実際リスナーさんの8割はゲーマーではない)、よかったら聴いてみてほしい。

「クラッシュ・ロワイヤル」でリスナーさんと対決

私の使っているクラロワデッキ

そして私の地元である名古屋のラジオ局「CBCラジオ」でも、一人喋りの番組「ゆるよる」を2020年11月~2021年3月まで、4カ月限定で担当させていただいた。この番組は一人喋りな上に、なんと二時間の生放送だった。

ゲームの話も盛りだくさんで放送していたが、ついに禁断の技を発動してしまった。リスナーさんと「生放送でゲーム対決」である。

対戦したゲームは、「クラッシュ・ロワイヤル(クラロワ)」。ちなみに私はクラロワ歴3年目、中堅プレイヤーと言ったところだ。クラロワではクラン(チームのようなもの)を作れるので、番組でクランを立ち上げ、リスナーさんとともに番組が終わった今でもクランとして活動している。

生放送でリスナーさんとの対戦が終わったあと、クランのメンバーがチャットで「お疲れさまでした」「gg(=good gameの略)でした!」などメッセージを送ってくれていた。それを見たラジオディレクターは「ゲームってあったかいですね」と言ってくれたのだ。

ラジオでゲームをプレイする。ラジオを聴いている人には「ここでペッカかよ~」「わぁ~負けるぅ~」などの音声だけが聞こえているわけだが、ラジオ放送にプラスして番組Twitterにて試合画面を同時配信したり、試合後にクランチャットを読み上げたりもしていた。ディレクターさんのように「あったかいコミュニティーだな」とリスナーさんが少しでも思ってくれたらいいな。そんな思いで放送した。

現在は「CBCラジオ」にて「ドラ魂キング」という番組の水曜日を担当させていただいている。プロ野球チーム「ドラゴンズ」に関連した番組である。私は野球のルールなどの知識こそあるものの、今のプロ野球界の知識が乏しかったため、Nintendo Switchソフト「eBASEBALLパワフルプロ野球2020(パワプロ)」でプロ野球の勉強をしている。フィジカルスポーツの現状を、ゲームから学ぼうとしているのだ。

パワプロは現在2021年バージョンのダウンロードもできるので、最新の情報が入っている。選手の名前や特徴を覚えながらプレイしつつ、ゲーム内のペナントレースの近況をラジオで定期的に報告している。

いろんな方法で「ラジオ×ゲーム」についてチャレンジしているが、いまだに答えは分からない。

ただ、敵は強ければ強いほど燃えるもの。攻略本のないボスと戦っている感覚だが、分からないことが少しずつ分かってきて、ギミックを少しずつだが避けられるようになってきた。この攻略をしていく過程も面白い。

私にできることは限られている。ただ、限られているなかでもゲームの楽しさや感動できるポイント、ゲームのポジティブな部分を一人でも多くの人に知ってもらえるよう活動していきたいと思う。

私は時間をかけて、この攻略を思う存分楽しんでいきたい!

【著者紹介】三浦優奈

みうら・ゆうな ラジオパーソナリティー/リポーター。ファイナルファンタジーXIVから本格的にゲーミング機器を集め出し、東京・名古屋の二重生活では3キロのゲーミングノートPCを持ち歩く。「ゲームをポジティブなイメージに」をモットーに、担当するラジオ番組では、ゲーム・アニメなどのサブカルチャーからeスポーツシーンについて取り上げている。スプラトゥーン2、クラッシュ・ロワイヤルなどもプレイ。最近ではApex LegendsにSwitch勢として参戦した。

■現在のレギュラー番組

  • 日本テレビ「ZIP!」特集リポーター
  • 中京テレビ「PUSH!」
  • CBCラジオ「ドラ魂キング(水)」
  • 渋谷のラジオ(87.6MHz)「渋谷のラジオの惑星」(担当:水曜21:00〜21:50)
    GAMEクロスの倉田健志・共同編集長とのコラボ放送「渋谷のeスポーツ改」を月1回放送中。

■アカウント

Twitter:@miurayuna
Instagram:@yuna_miura
LINEBLOG:三浦優奈オフィシャルブログ