個人ニュースサイト「Negitaku.org」(@negitaku)を運営するYossyさん(@YossyFPS)は、ゲーマーのお子さんを持つ父親でもあります。長年にわたりeスポーツ業界を見てきたYossyさんは、子どもとゲームの関係をどのように考えているのでしょうか?

子どもにどのようにゲームで遊ばせるのか、ゲームを通したコミュニケーションの不安など、親としての考えや心がけていることを聞きました。(インタビューは全3回です。#1#2はこちら)

子どもにはゲームを通じて多くを学んでほしい

――お子さんが最初にプレイしていたゲームタイトルって覚えていますか?

本人にも聞いてみたのですが、明確には覚えていないんですよね。子どもが幼稚園に通っていた頃は『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』や『モンスターストライク(モンスト)』『ぷよぷよクエスト』が流行ってて、おそらくスマートフォンのパズルゲームだと思います。

当時、子どもから「パズドラのガチャを回していい?」とメッセージが送られてきて、今の時代の子はスマートフォンやタブレットでゲームを遊んだりメッセージを送るのが当たり前なのかと、自分の子でありながら驚きました。

少し前までは『フォートナイト』にハマっていたのですが、最近は『Apex Legends(Apex)』ばかりプレイしているようです。最近「2000ハンマーバッジを取ったよ」と言っていたので、もう僕よりも上手いのかも(笑)。よく友人とボイスチャット(VC)で通話しながらプレイしたり、YouTubeで上手いプレイヤーの動画を視聴しているのを見かけますね。

――VCといえば、お子さんにゲームミングヘッドセットを購入されたという記事を読みました。ゲーム内で知らない人とVCなどでコミュニケーションをとることに不安はありませんでしたか?

基本的には学校の友達など知っている人とプレイしているので、不安はありません。しかし、スマートフォンを持つようになったので、これからは知らない人ともコミュニケーションをとる機会も増えていくと思います。僕の場合は親がインターネット上のコミュニケーションを教えてくれなかったんですよね。でも、コミュニケーションは失敗しながら学んでいくものだと思うので、自分の子どもには最低限のマナーだけ伝えて、あとは自分で学びながら上手く活用してほしいと思っています。心配しつつも期待している部分もありますね。

――前向きに捉えているんですね。ゲームのプレイを制限する親も多いと思いますが、Yossyさんはお子さんがゲームをプレイする時間を制限していますか?

特に制限していませんね。宿題などやるべきことさえ終わっていれば、あとは好きにしていいという方針です。僕らの世代は高橋名人の教えで「ゲームは1日1時間」と言われたりしましたが、実際のところ1時間では全然足りませんよね。

今の子ども達はゲームを通じてコミュニケーションをとっている点も大きいですね。僕らの世代はゲームといえば友達の家に集まったりしてプレイすることが多かったのですが、今は新型コロナウイルスの影響もありますし、オンラインで遊ぶ方が早いし安全です。時間を制限してしまうと、逆にコミュニケーションの機会が減ってしまうのではないかと懸念しています。

たとえば『Apex』であれば、チャンピオンを目指してプレイヤー同士で相談しながら連携をとるので、学校のグループ活動のように問題解決の勉強にもなると思っています。ゲームを通じていろいろなことを学んで欲しいですし、実際に役に立っていると感じることもあります。妻に「やめなさい」と言われることもありますけどね(笑)。

子どもは「YouTubeの世界」にいる

子どもにはゲームを通じていろいろなことを学んで欲しい

――電競元年ラジオにて、Yossyさんのお子さんが卒業制作で「将来の夢はプロゲーマー」と書いたエピソードを話されていました。実際に本気でプロゲーマーになりたいと言い出したら、どう思いますか?

本人がどのくらい本気で書いたのかは分かりませんが、もし本当にプロゲーマーになりたいのであれば、とりあえずチャレンジしてみるのがいいと思います。僕はゲームが得意ではないこともあって、チャレンジしてこなかったので。

チャレンジした結果、失敗してもいいと思います。だけど、失敗した時のために最低限の勉強はしてほしいかな。チャレンジすることはすばらしいことなので、本当にプロゲーマーになりたいのであれば協力します。自分のサイトで「実はこの選手、僕の子どもです」とか書けたら面白いですよね(笑)。プロゲーマーを目指すのであれば、それぐらい活躍してほしいです。

卒業制作を見たところ、プロゲーマーの世界について自分なりに調べており、どういった過程でプロゲーマーになるのか、どんな仕事なのかなど、きちんとまとまっていて感心しました。僕も野球をしていないのに「プロ野球選手になりたい」と書いた覚えがあるので、血は争えませんね。

――そんなお子さんに対して、FPSやTPSのプレイ面でアドバイスされたことはありますか?

僕からのアドバイスではありませんが、2018年にDeToNatorが開催した「DeToNator塾」という小中学生向けのゲーム教室に参加して、YamatoNさんやKillmeさんから『フォートナイト』のプレイや、ゲーム内コミュニケーションについて学んだことがあります。

実際のところ僕からアドバイスをしても、あまり言うことを聞かないんですよね(笑)。自分も子どもの頃はあまり親の言うことを聞かなかったので、子どもとはそういうものなのかなと。今は僕からアドバイスすることはなく、YouTubeで上手いプレイヤーの動画を見て、自分なりに学んでいるみたいです。

「DeToNator塾」フォートナイト編に参加した際の様子

――お子さんがYouTubeなどでゲームの配信や動画制作をしたいと言い出したら、どうしますか?

僕が子どもの可能性を潰してしまうのは嫌なので、本人がやりたいのであれば制限することはないですね。僕はゲームが好きでゲームから様々なことを学んだので、子どももやりたいことに挑戦して色々なことを学んでほしいと思っています。たとえば忍ism Gamingのほのかさんは小学生の頃からプロゲーマーとして配信していますし、更に若い子もYouTubeで活動している時代なので、意欲があればやってみてほしいですね。

今のところゲーム配信などをしたいと言われたことはありませんが、普段から実況プレイ動画をよく見ている影響なのか、自分がプレイしている時もずっと喋っていますね。たまに隣の部屋にも聞こえるくらいの叫び声をあげています。

――ゲーム配信に向いていそうですね。ちなみにお子さんが「Negitaku.org」を継ぐ可能性は?

手伝ってもらえたら嬉しいですけど、今のところ興味はなさそうですね(笑)。サイトの話をしたことはありますが、そもそもサイトが何なのかあまり理解できないかも。息子はYouTubeをよく利用していますが、Googleなどで検索する機会は少ないんですよ。検索してもゲームのポータルサイトが多く、メディア系はほとんど見ていません。

あと息子はNephriteさんが好きで、よく『フォートナイト』の動画を見ているのですが、僕が「お前の先生はYamatoNさんじゃん」と話をしたら、「今は『フォートナイト』をプレイしていないし、YouTubeで配信していないから……」と言われて。息子はTwitchも見ていないので、完全にYouTubeの世界で生きていますね。

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《取材を終えて》長年にわたりeスポーツシーンを見続けてきたYossyさんならではのエピソードや、eスポーツ市場に対する考え方を聞くことができました。子どものゲームプレイに制限をかけず、お子さんにはやりたいことに挑戦してほしいと考えているなど、ゲーマーにとって理想的な親のように感じました。Yossyさんが運営する「Negitaku.org」は2022年で20周年を迎えます。