アストラのアルティメットスキル「コズミックディバイド」を使いこなしているプレイヤーは多くはないでしょう。

Episode 2 ACT 2で追加された最新エージェントであるアストラは競技シーンでの活用方法が注目されていたものの、アルティメットの使い方は非常に難しく、「VALORANT」の攻略動画を投稿するSmashlogTVでは、Absolute JUPITERのLaz選手が全アビリティの中からワースト2に選出したほど。残念ながら、他の多くのプレイヤーからも「最弱アルティメット」として認識されています。

そんなアストラを競技シーンで巧みに操ったのが、プロチームNortheption所属のSugarZ3ro(@SugarZ3roVL)選手でした。

ライアットゲームズが主催する「2021 VALORANT Champions Tour(VCT)」の一環として行われた国内大会「Challengers JAPAN Stage 2」のPlayoffs(決勝大会)が29日から行われ、予選を勝ち抜いた8チームの中にNortheptionの姿も。結果としてStage 1で優勝を飾ったCrazy Raccoonが2連覇を成し遂げましたが、ほとんどの試合でアストラをピックしたSugarZ3ro選手に注目していたファンも多いはず。

今回は、Stage 2でSugarZ3ro選手が見せたコズミックディバイドによる「世界の分かち方」を紹介していきます。

「ヘイヴン」A攻めのコズミックディバイド

ヘイヴンA攻めにおけるコズミックディバイド

最初に紹介するのは、マップ「ヘイヴン」のA攻めにおけるコズミックディバイドの使い方。対Lag Gaming戦1マップ目の11ラウンドからピックアップしました。

ラウンド開始と同時にチーム全員でAサイトに向けて侵攻したNortheption。この時ほとんどの選手が足音を鳴らしていたため、Aサイトを1人で守っていたPhantom選手はラッシュと判断し、AサイトからAタワーへと退き、増援を待っていました。

Aサイトに侵攻する最中、SugarZ3ro選手はAタワーとディフェンス側スポーンでネビュラを発動。そのタイミングで他の選手はAサイト内とAショートのクリアリングを完了させます。SugarZ3ro選手はAタワーからの射線が通らない位置でスパイクを設置。そしてコズミックディバイドを発動しました。

SugarZ3ro選手はコズミックディバイドで、Aタワーとディフェンス側スポーンを分かちます。このコズミックディバイドの強みは、AタワーからAサイトの状況が分からないことと、ディフェンス側スポーンからコズミックディバイドを突破したとしても、見なければならない射線が多すぎることです。

ここで死角になってしまうのはディフェンス側スポーンとAタワー下ですが、ディフェンス側スポーンにはAstell選手のスパイカメラ、Aタワー下には直接SugarZ3ro選手が侵入したことで、スパイクを守る体制が整っていました。

また、Astell選手のスパイカメラがディフェンス側スポーンで2人の相手選手を確認した点も大きく、Nerufi選手のハンターズフューリーでディフェンス側スポーンにいる選手を牽制。続いてSeoldam選手がコズミックディバイド越しのガイディングライトを発動し、そのまま3キルするという強烈なシーンを生み出しました。

「バインド」B守りのコズミックディバイド

BガーデンとBウィンドウからの射線を封じたコズミックディバイド

続いて紹介するのは、マップ「バインド」のBサイトにおけるコズミックディバイドの使い方。対Crazy Raccoon戦3マップ目の23ラウンドからピックアップしました。

このラウンドでは、アタッカー側のCrazy RaccoonはBロングから侵攻します。オウルドローンでBガーデンまで敵がいないことを確認したCrazy Raccoonは、Bロングでロックダウンを発動。先頭のMunchkin選手がBサイトに侵攻したタイミングで、SugarZ3ro選手はコズミックディバイドを発動しました。

この時のコズミックディバイドは、BガーデンとBウィンドウからBサイトを分かつ使い方。しかしCrazy Raccoonの選手はBサイトに2人、Bエルボーに1人と既に侵攻していたため、発動するのが少し遅かったのではないかと思われました。

しかしNortheptionは、先に侵攻してきたCrazy RaccoonのMunchkin選手とZepher選手をキル。Bサイト内にいたrion選手によってMeiy選手がキルされますが、Bガーデンからneth選手とMedusa選手がカバーができない状況のため、rion選手はBガーデンへと退かざるを得ませんでした。

BガーデンからBサイトへのカバーができない

まさにコズミックディバイドを使った理想的な勝ち方と言えるでしょう。Crazy Raccoonはエコラウンドだったこともありますが、絶妙なタイミングで発動したことにより相手の選手たちを上手く分断し、Bガーデンからカバーしにくい状況を作り上げました。このラウンドを奪取したことで、Northeptionは王者Crazy Raccoonを相手にマッチポイントまで迫ることになります。

バインドではテレポーターに注意

コズミックディバイド越しにテレポートされてしまう

ここまで成功例を紹介してきましたが、コズミックディバイドは敵味方問わずに効果を発揮するため、使い方によっては発動した側が不利になってしまう可能性も考慮しなければなりません。改めてコズミックディバイドの使い方が難しいと感じさせたのは、対Lag Gaming戦2マップ目バインドの7ラウンドでした。

このラウンドでは、Lag GamingがAショートからのラッシュを試みます。なんとかラッシュを食い止めたNortheptionですが人数不利の状況に。AサイトにMeiy選手が残されている状況で、Bサイトを守っていたSugarZ3ro選手はディフェンス側スポーンまで寄り、コズミックディバイドを発動しました。

テレポーターを分断してしまったコズミックディバイド

しかし、このコズミックディバイドはテレポーターを分断してしまいます。発動直後にLag GamingのBazzi選手はスパイクを持ったままAテレポーターを使用しましたが、ミニマップ上ではコズミックディバイドのラインがちょうどテレポーターに覆いかぶさっているため、他の選手にはテレポーターを使用した音が聞こえなかった可能性があります。

結果として空けてしまったAサイトにスパイクを設置されてしまいますが、Meiy選手の2キルによってラウンド奪取に成功しました。どちらのチームにとってもテレポーターの音は非常に大きな情報となるので、バインドでコズミックディバイドを発動する場合は、味方のポジションを考慮しつつテレポーターを巻き込むかどうか判断が必要になりそうです。

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Lag Gaming戦の勝利者インタビューでSugarZ3ro選手は「コズミックディバイドの使い方やタイミングは相手による。攻めで使うと不利になる場面もあるので、難しい」とコメント。

まだまだ研究段階と言えるアストラとコズミックディバイド、今後の競技シーンで化ける可能性はあるのでしょうか。注目したいところです。