こんにちは、「レインボーシックス シージ」(以下、R6S)のeスポーツ公式キャスターをしております、ともぞう(@tom85y)と申します。

いよいよ開幕が迫る世界大会「Six Invitational 2021(SI 2021)」。日本からもCYCLOPS athlete gaming(CAG)が出場します。11日午後6時ごろ(日本時間)からの開幕に向けて、R6S最高峰の祭典の見どころを紹介したいと思います。

『レインボーシックス シージ』Six Invitational 2021トレーラー

異例の開催となったSI 2021

Six Invitationalは例年、2月にカナダ・モントリオールで開催されていました。

R6Sの一年の締めくくりとして、その年の最強チームが世界から集い、最高の名誉をかけた戦いとなるはずでした。しかし今年2月、ギリギリまで開催は検討されたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりあえなく延期が決定しました。

5月の開催も危ぶまれていましたが、開発元であるユービーアイソフトの尽力もあり、本社のあるフランス・パリで開催されることになりました。

しかし、全てが順調というわけにはいきませんでした。全20チームによる史上最大規模で開催される予定だったSI 2021ですが、残念ながら2チームが不参加となったのです。

日本と同じAPACリージョンに属するオーストラリアのWildcard Gamingは新型コロナによる出国規定が厳しく、参加を断念。また、EUリージョンのロシアチームVirtus.proが参加直前の検査において、選手・関係者に新型コロナの陽性反応がでたことで、参加を見送ることとなりました。結果、18チームでの開催になってしまったことは、本当に残念でなりません。

そしてSI 2021が5月に延期されたことで、別の影響もあります。今年のレギュラーシーズンは既に開幕していることです。新シーズンの開幕にあたり、幾つかのチームは大きくメンバーを変更しました。

その中で最も衝撃的だったのが、G2 EsportsのPengu選手引退。過去の記事でも、真っ先に紹介したR6Sを代表する選手の引退は、R6Sコミュニティーに大きな衝撃を与えました。

しかし、悲観することはありません。

1年ぶりの世界大会の開催です。昨年は各エリアで各チームが切磋琢磨し、それぞれが独自の進化を遂げました。それらのチームがぶつかったとき、どういった化学反応が起こるのか。そして、Pengu選手に代わるニューヒーローは誕生するのか。

これまで以上に展開が予想できないSI 2021に、世界中のR6Sファンが開幕を心待ちしています。

CAG、Group Aで強豪たちと連戦

さて、それでは大会のレギュレーションを紹介しておきましょう。

今大会も例年と同様、グループリーグと決勝トーナメントに分かれています。ただ、グループリーグの仕組みが例年とは大きく異なります。

まず、20チームをグループA・Bに分けます。先程触れたとおり2チームが不参加となったため、グループAが10チーム、グループBが8チームとなりました。この分けられたグループでBo1(1マップ勝負)の総当たり戦を行います。

APACの厳しい予選を潜り抜け出場を決めた日本のチームであるCAGは、グループAに振り分けられました。

ユービーアイソフト公式ブログより引用(Virtus.proは組み合わせ発表後に参加を見送ると発表しました。以下同様)

BDS Esport

グループAに同居するチームで最も注目すべきは、EUリージョンであるフランスのBDS Esportです。

多くの関係者が、このチームの優勝を予想しているのではないでしょうか。世界最高のガンファイトスキルを持つShaiiko選手を要するEU最強のチームです。昨年のSix InvitationalでもEU勢で最高位(4位)まで勝ち上がりました。その後に行われたEUのレギュラーシーズンでも最も成功を収めたチームとなりました。

また、SI 2021がパリ開催であることは多少のホームアドバンテージもあると考えられます。このBDSに対してCAGがどこまで戦えるかで、現在の日本と世界との距離が分かると言ってもいいでしょう。

正直、私もCAGが勝利できる可能性は3割もないのでは、と見ています。しかしBo1形式は何が起きるかわからない。相手が見たこともない戦術を繰り出せば、12ラウンド内で対応することは難しいため、大番狂わせは十分起き得ると考えています。

Team Liquid

次に注目すべきはLATAMリージョンのブラジルチーム、Team Liquidです。

ブラジルでは2021年のレギュラーシーズンに向けて複数チームが関係するメンバー変更が起こりました。いわゆる玉突き人事。これによりブラジルリーグの競争力は大きく上がり、非常に熱いシーズンとなっています。そんな激戦のシーズンで王者として君臨しているのがLiquidです。

Liquidはシーズン開幕に際してのメンバー変更はなかったのですが、チームのクオリティは昨年よりも明らかに高く、ブラジル地域特有の激しいガンファイトだけではなく、ガジェットの使い方、チーム戦術など、様々なアプローチを駆使して勝利を狙ってきます。

相手によって柔軟に戦い方を変化させられるCAGが、この多彩なアプローチを持つLiquidとどういった戦い方をするのかは、今から楽しみで仕方ありません。

CAGが勝っておきたいチームはどこ?

そんな強豪たちを前にCAGのグループステージを勝ち抜けられるのかという点ですが、私としてはトーナメントステージへの進出は固いと考えています。

その理由の一つが、トーナメント進出枠の多さです。当初は次のステージへの進出は各グループ8チームでしたが、出場チームが少なくなったため、グループAからは9チーム、グループBは7チームと変更されました。つまり各グループリーグで敗退するのは1チーム。CAGが敗退する可能性は非常に低いと思われます。

では逆に、CAGが「勝っておきたい試合」はというと、ずばりCloud9、FURIA、Team Empireの3チームです。

まず韓国のチーム・Cloud9ですが、この3~4月に行われたAPAC NORTHのレギュラーシーズンでも優勝を争ったライバルです。その際CAGは破れて2位となりましたが、手の内を知る相手ということもあり対策が立てやすいと考えられます。

当然、相手も同じ立場なので相手の準備を上回る必要はありますが、未知のチームと対戦するよりは、随分やりやすいはずです。ここでレギュラーシーズンのリベンジをしつつ、グループリーグ突破につなげたいところです。

次にFURIAです。CAGと同じようにオープン予選を勝ち上がりSI 2021に出場を決めたブラジルのチーム。決して格下というわけではありませんが、昨シーズンのブラジルリーグで10位の最下位となり、入れ替え戦に回ったチームでもあります。今シーズンはメンバー変更などもありブラジルリーグで中位をキープはしましたが、グループAの他のチームに比べると、付け入る隙は大いにあると見ています。

そして、最後にEUリージョンのTeam Empireです。Six Invitationalに次ぐ世界会「Major」でも優勝経験があるロシアの強豪チームです。しかし、今シーズンは大不振に陥っています。レギュラーシーズンを見る限り、ゲームのアップデートによる環境変化に対してチームとしての方向性に迷いがあるように見えます。Joystick選手、Dan選手と世界トップクラスのプレイヤーがそろうチームですが、チームの現在の状況を見る限りCAGとしては勝機があるように見えます。

前述したとおりCAGは、まずは10チーム中9チームに残ることができれば、次のステージに進めます。ただし、上位4チームはUpper Bracket(一度負けてももう1度チャレンジできるグループ)へ、5位~9位Lower Bracket(1度負けると敗退するグループ)に進出することになります。

まずはグループ突破。早い段階で突破が決まれば、上位4チームに入ることは十分に考えられます。

Upper Bracketを目指すためにも、初日の試合で勢いをつけることが重要です。ちなみに、先程触れた「勝っておきたい試合」であるCloud9、FURIA戦は初日に予定されています。ここで2勝できれば、CAGのSI 2021における大躍進が見えてくるでしょう。

日本語配信も! 世界最高レベルの戦いを見逃すな

8チームとなりましたが、グループBも、もちろん見どころ満載です。昨年のSix Invitational優勝チーム・Space Station Gaming(以下、SSG)もいます。そしてSSGに敗れ、悔し涙を飲んだNinjas in Pyjamasもいます。

さらに、最も突破が難しいとされるEUオープン予選を突破したダークホース・Mkers、昨年のAPACで数多くのタイトルを獲得したGiants Gamingと、こちらのグループも見所十分です。

ユービーアイソフト公式ブログより引用
ユービーアイソフト公式ブログより引用

さて、SI 2021のグループリーグですが、11日午後6時ごろから開催される予定です。その後朝まで続く長時間の大会となるわけですが、我々日本のキャスターも出演させていただき、「レインボーシックス シージ ESPORTS」チャンネルで全日程配信予定です。

スケジュールは既に発表されていますが(上記スケジュールは、Virtus Proが不参加になる前のものなので、多少変更になるものと思われます)、見方に関してお伝えしたいポイントが2つあります。

例年Six Invitationalは、2つのライブ配信が同時に行われます。それぞれStream A、StreamBと分かれています。日本語配信ではどちらか(CAGの試合などをピックアップして)をお届けするため、全ての試合に対して日本語実況・解説がつくわけではありません。
そのため、もし仮に日本語実況で扱っていない試合が見たい場合は、英語実況となりますが、「Rainbow Six Esports」チャンネルでご視聴ください。

そしてもうひとつ、グループA・Bの試合は1日おきに行われる点です。スケジュールを見てもらうと分かるとおり、CAGの試合は5月11日、13日、15日と1日おきになっています。自分が応援するチームがどちらのグループにいるかで観戦日程も変わりますので、改めてスケジュールを確認して、時間の許す限りご視聴ください!

新スター誕生に期待

いよいよ始まるR6S、最高の祭典。一時は開催も危ぶまれましたが、既に選手たちは決戦の地・パリに集結し、開幕に向け準備を進めています。

そして何より、私を含めて世界中のR6Sファンも1年ぶりの世界大会の開幕にそわそわしています。

新しいスターが誕生するのか、そしてCAGはどこまでいけるのか。楽しみはつきません。この贅沢な2週間を堪能しつくしましょう!