みなさんこんにちは!

今回は特別企画。LJL優勝チームのDFMのKazu選手Steal選手Yutapon選手に特別インタビューしました! トップ選手がどんなことを考えてプレイをしているのかを根掘り葉掘り聞きました!  BAN&PICKの意図やメタの追い方や練習方法、そしてLoLの小ワザ……。ふだんは聞けない貴重なお話の連続でした。

LJLで見せたBAN&PICKの意図は?

LJL2021 Spring Split V3vsDFM ウディアとオラフが消えてるBAN&PICKのシーン

――私が高校生のチーム試合に出ているとき、敵がウディアかオラフのどちらかをBANしたら、私たちは残った片方(ウディアorオラフ)をBANして、強いJungle(JG)を両方(ウディアとオラフ)とも消す選択肢を取っていたんです。ですが、プレイオフ決勝1戦目でV3側はウディアとオラフをどちらもBANしてきました。
DFMは、もしウディアもしくはヘカリムの一方しかBANされなかったら、余った方はBANをする予定だったのですか? それとも片方のJGは普通に(例えばウディアがBANされていたら余ったへカリム)を渡して、ファーストPICKでナーを優先するつもりだったのでしょうか?

Kazu選手 どこまで話せるかわからないのですけど、練習の段階で相手にウディア、ヘカリムが「いる・いない・片方いる」の全てを想定して練習をしていたので、前日のRascal Jester(RJ)vsV3 Esports(V3)の試合を見て、ナーを優先してもいいのかなと考えていました。ですので、今回うちらは片方をBANする予定はなかったですね。もしBo5の3、4、5戦目になり、JGのTierが上がったり下がったりしたら、大友さんの言った通り相手(V3)がウディアをBANして、DFMもヘカリムをBANしてナーを取るなどの展開もあったかもしれないです。練習の段階では色々な想定をして練習していました。

【大友の視点】LJL中のパッチは、JGはほぼヘカリムとウディアの一強だったんですよ。そこから最初は弱いヘカリムに対して、序盤JGで勝てるオラフが出てきた、という感じだったんです。なのに、なぜDFMサイドはずっとその2体にBANを割かないんだろう、と疑問だったんですが、これから敵に来るであろうチームをちゃんと分析して、それにあったBAN&PICKをしたり、想定できるBAN&PICKは一通り実際に練習試合で試したり。徹底的に相手の考えを読んでいくところはさすが王者と思いました。

――うわめっちゃいいお話聞けました! 次は、王道のメタ以外のPICKをするのは難しいと思っているのですけど、なぜJG戦でノクターンをPICKしたのか。そして、その強みを教えてほしいです。

Steal選手 これもどこまでしゃべっていいのかわからないんですけど、MSIとはパッチが変わるのである程度話しますね。
ヘカリムとウディアのTierは世界的に見ても高かったのですが、僕たちの中では、別に空けてもノクターンでいけるじゃないかなと思っていて、チーム内でTierを設定していました。強みでいうと、Lv6からと、最初のファイトも結構強いし、後半のスケーリングも悪くないって感じで僕たちが使うチャンプにも合ったからノクターンのTierを上げました。

――ちゃんと自分たちのプールとの相性を考えながらチームでのメタを考えているんですね。次の質問です。DFM側はずっとガリオをBANしていましたが、ガリオをとられることによる不安要素を教えてほしいです!

Kazu選手 V3のAce選手がガリオ得意ということもあるのですけど、うちらが使いたいノクターンとか、単純にAria(Mid)が使うキヤナとかアカリがガリオに弱いっていうのがあって、アサシンしにくくなるかなと思いBANしていました。RJもガリオは固定BANしていたので、そこはもうRJが消すならうちらもBANしようということで、リスペクトして消していました。

マクロゲームで臨む頭脳戦

LJL2021 Spring Split V3vsDFM マクロゲームでLv差をつけているシーン

――なるほど! そのままKazu選手に質問ですが、DFM側はレルをずっとBANしてたんですけど、他に取り上げる選択肢はなかったのでしょうか?

Kazu選手 練習の段階では、取り上げる話でファーストPickのレルはめちゃくちゃ練習していたんです。けど、いざSengoku Gaming(SG)vsV3の試合をもう一度ちゃんと分析したり、RJvsV3を分析したら、Raina選手のレルが集団戦めちゃくちゃ強いことがわかりました。そして、うちらが使ったノクターンやライズは集団戦というよりは小競り合いやマクロ(知識)ゲームのサイドを押して、みたいなのが得意な中で、僕とYutaponがレルに捕まるのが怖いなってことでBANしようって話になりました。あとはレルのイニシエートはめちゃくちゃ早いのでそれも警戒してBANですね。

【大友の視点】ちょっと難しいお話が出ました。「マクロゲームのサイドを押して」というのは、簡単に言うと構成を生かして先にこちらがレーンをプッシュして人数差を作り、オブジェクトをこちらが獲得しやすいようにする、ということです。ただ、ドラゴンやバロンを取るタイミングでファイトを強い構成にしたのではなく、そもそもその前に敵がファイトしにくい状況をつくっちゃおう、という意図ですね。

例えばV3との決勝1試合目。DFM側には、キャッチが強く敵の視界を消せるノクターンというキャラがいます。なのでV3側は一人でレーンに出てしまうと簡単にキャッチされてそのまま人数差ができてしまいます。ですが、キャッチされるわけにはいかないのでプッシュされたレーンを数人で処理するか、最悪捨てるかの選択肢になります。

その選択を迫った結果、このように経験値の差が開くので、その差を生かしてオブジェクトファイトをして勝利に近づくというのが今回考えたDFMの作戦です。

トップ選手の練習方法は?

LJL2021 Spring Split V3vsDFM ヘラルド前にトリンケットを使っているシーン

――だからBANしなかったんですね。ところで、Kazu選手はコーチとして最近まで活動されていたと思います。そのときはどのようにメタを追っていましたか?

Kazu選手 ひたすら動画を見たり、他のデータがまとまっているサイトで、PICKのメタなどを追っていましたね。あとは、コーチの中ではソロQを回すほうだったので、日本サーバーや韓国サーバーのみんなが回しているのを実際に横目でみて、今こういうチャンプがはやっているんだな、とかこのアイテム強いなとか、そういうのを把握しながら、「じゃあこのアイテムが使えるこのチャンピオンが良いのでは」という感じで選手に言っていました。

――動画やサイトを見て研究したり、実際身近な人たちのプレイを見たりしてメタを追っていたんですね。次はそれぞれに聞きたいのですが、普段はどのように練習していますか?

Kazu選手 今シーズンはRANKのシステムが変わっていて、マスター以上はDuoができなくなったので、僕とYutaponはDuoができないことに気づき、どうしようかとコーチに相談しました。そしたら、サブにいるGaeng、ADCのチャンピオンを使えるStealとAriaで2vs2の練習をたくさんしようということになり、スクリムが始まる1時間前ぐらいに20~30分の練習をしたほか、終わってからも30分くらいYutaponとKazu対StealとGaengで2vs2の練習をひたすらやっていましたね。
Yutapon選手 わりとソロQの数は他のチームよりは多くはないんですよ。でも1週間に1日はスクリムがない日があるので、そこでソロQをやりますね。それ以外は基本練習試合です。練習試合の日は終わってからソロQというよりは、中国に行ったプレイヤーであるEDGのViperさんの配信などを見て、動きを勉強することが多いかなと思います。
Steal選手 僕が特にやっていることはないんですけど、他の地域の大会を結構見ます。LPL、LEC、LCKなどで動きを自分で見て、これをやってみよう、と考えながらやりますね。

【大友の視点】他のチームの方も言っていたのですけど、JGに関してはファームの仕方とかクリア速度を考えて練習している方が上位だと多いみたいです。例えば狩るのが難しいタリヤとかグブとかニダリーとか! 私も配信中にタリヤでJGを狩るのを練習していいました。JGを狩る知識がゼロの時は、赤バフ側のジャングルモンスターたちを狩りきるのに体力が2割しか残りませんでした。狩り方を知ってからは残りの体力8割で狩れたので、それくらい大事な練習だと思います。みなさんもプラクティスモードで練習してみてください!

――上手い人たちの話を聞いていると、RANKを回すより動画を見ている人の方が多い気がします。最後に、LoLの小技ってありますか?

Steal選手 ヘラルドの目を食べる前にレンズとかワードを全部使うぐらいかな。ヘラルドを出すタイミングでトリンケットのCDがリセットされるから、一応目を食べる前にレンズを使って、その後に目を使うと、レンズのCDはリセットされます。
Yutapon選手 有名なのがDeft対Viperで、レンジが同じなのに一方的に殴り続けるっていうのがあるんですけど、あれをやられると心が終わります。逆にこちらがそれをすると気分的に勝ちなので、ひたすら相手とのレンジの管理をレーニング中は意識し続けていて、それをやったら気持ち的に勝ったなと思っています。僕はやられると嫌なんで、相手をクリックしてオートアタックするまで放置しますね。そうしたら殴れるんで。ただの意地ですけど、一発でも多く殴られたらもうだめだね。

――ヘラルドの話は知りませんでした! めちゃめちゃタメになります! ありがとうございます!! お忙しい中色々答えていただきありがとうございました! MSI応援しています! 頑張ってください!

どうでしょうか? LoLの知識面で結構いいお話を書けたと思うんですけど(*'▽')。
最後の小ワザの話、Yutaponさんがオートアタックするまで放置するっていうの面白すぎてインタビュー中もこれをコラムに書いている最中も笑っちゃいました。ヘラルドの目を使うとトリンケットのCDが短縮されることも知らなかった……。

純粋に自分が気になっていたところもたくさん聞けたので本当に楽しいインタビューでした!MSIは5月6日から開催されます。ぜひ大会を見てくださいね!

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MSIは5月6日~23日に開かれます。詳しくはLJL公式ツイッター(@Official_LJL)へ。

【著者紹介】大友美有

おおとも・みゆう eスポーツプレイヤー・タレント。プロチームRascal Jester「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)部門」の練習生として、スターダストプロモーション デジタルメディア事業部に所属し、タレントとしても活動中。N高校在学時には、「KDG N1」の選手として「全国高校eスポーツ選手権」のLoL部門で連覇(第2回、第3回大会)を経験。高校対抗eスポーツ選手権「STAGE:0」でも、2020年のLoL部門で優勝を果たした。