メガネでeスポーツに強くなれたら得な気がする

池袋にある「執事眼鏡eyemirror」はその名の通り、執事さんがていねいに応対してくれることが特徴のメガネショップ。アニメやマンガ、ゲームなどとコラボレーションしたメガネも多数手がけているので、そちらの方面でよく知ってる人類も多いかもしれないね。

執事眼鏡eyemirrorの店内。各種コラボメガネや多様なブランドのメガネがズラーッと並ぶ

また、世界中の有名ブランドのメガネも多数取り揃えてて、店員さんのメガネ専門知識も豊富。メガネ専門店として非常にハイクオリティなお店なんだぜ。
私もいま使ってるメガネは執持眼鏡さんで買ったものだし、縁あって社長の常田さんとは顔見知りなんだけども、先日お店を訪れたときに何の気なしに「そーいえばゲーミングメガネとかってあるんスか?」と聞いてみたんだよ。
テンプルが発光するとかそういうメガネがあったらウケるなみたいなくらいの気持ちでさ。すると常田さん、「あるんですよ!」と変わったメガネを勢いよく持ってきてくれた。こりゃあちゃんと取材していろいろ聞いてみたほうがいいな、ということで今回のインタビューとあいなったわけだ。

アスリートが良い道具を使うことは当たり前。じゃあeスポーツ選手も勝つためにいいメガネをあつらえることで戦力アップが可能なんじゃねーか? かなーりおもしろい話が聞けたので、みんなもこれを参考にメガネについて思いを馳せてみてほしいぜ。

常田瑛久さん(株式会社DUO RINGおよび株式会社t.n.t社長)に取材した

このたびお話を聞かせてもらったのは、「執事眼鏡eyemirror」の常田瑛久さん(株式会社DUO RINGおよび株式会社t.n.t社長)。常田さんの好きなゲームは「信長の野望」などのシミュレーションゲーム。eスポーツ的なものだと「MTGアリーナ」や「マリオカート8 デラックス」を嗜み、現在は「ウマ娘 プリティダービー」も遊んでいる。

上の写真でかけているメガネはマシーナリーとも子も愛用している「アイドルマスターシンデレラガールズ」コラボの池袋晶葉モデル。ゲーム中のイラストではテンプルが描かれてない池袋晶葉ちゃんのメガネをどう表現するかにあたって、彼女がプロデューサーのために改造してくれたとも取れるように歯車でテンプルを繋ぐなどメガネにアイマスの物語性を盛り込んでいるのが見事な逸品。
こうしたコラボメガネへのこだわりが執事眼鏡のすごいところなんだよね。みんなも4月の総選挙・ボイスオーディションでは池袋晶葉ちゃんに投票よろしくね。

本当にあった! ゲーミングメガネ

とも子:というわけで今日は「eスポーツとメガネについて」お聞きしたくてやって来ました。こないだかっこいいメガネを見せてもらったんだよね。

常田:「東方Project」とコラボレーションした「河城にとりモデル」(※)ですね。これはテンプルが変形することでヘッドフォンと干渉せず、耳が痛みづらくなる仕組みになってるんですよ。

(※)東方MEGANE Gaming 4月17日一般販売開始

こちらが「東方Project」コラボメガネ「河城にとりモデル」
テンプルに設けられたボタンを押し込むと……
バシャッ! と勢いよく展開。このギミックが小気味よくてオモチャ的楽しさもあるメガネだ
テンプルが展開することによってメガネが耳にかからなくなり、ヘッドフォンのイヤーパッドなどと干渉しない→耳が痛くなりづらくなるアイディアメガネだ

とも子:たしかにゲームしてるときにヘッドフォンを付けてるとイヤーパッドとかとメガネがダブルで耳にあたってだんだん痛くなってくるもんね。あとこれ、Bauhutteからも同型のメガネが出てるみたいだね。どこか大本のメーカーさんがあるんですか?

常田:ですね。これはもともとはカズプランニングさんという会社の「GODEYE」をOEMでコラボ商品にしたものです。

元の商品となる「GODEYE」。サイバーなデザインがかっこいい

とも子:これがオリジナルなのか。カラーリングは赤とかクリアーもあるんだ。なんか、デザインがガンダム感あってカッコいいよね。展開もバシャッと勢いがあってオモチャ的良さがあるし……。

常田:わかりますわかります。あと、このメガネはテンプルにギミックがついているだけではなくて、レンズにブルーライトや紫外線をカットする効果もあります。そこもeスポーツには有利だと思いますよ。

レンズでライバルに差をつけろ

とも子:それ! よく聞くけどブルーライトカットってなんなの? パソコン仕事とかするのにもつけるといいよって聞くけど、なんで目にいいのかよくわからん。見える色が変わるって話も聞いたことがあるし。

常田:その名の通り、青色をカットするレンズですね。人間の目は青をまぶしく感じやすくできてるんですが……。このブルーライトカットメガネと、普通のメガネを比べてみてください。

左がブルーライトカットレンズを使ったメガネ、右が通常のレンズのメガネ。左のほうが紙が茶色っぽく見えている!

とも子:あっ。ブルーライトカットレンズのほうが、紙が茶色っぽく写ってる? そーか、青がカットされてるから赤と緑が混ざって黄色っぽくなるのか。

常田:ですね。青色を抑えることで、まぶしさが軽減されて画面の視認性の向上が期待できます。普通のブルーライトカットレンズはこのようにブラウンが混じるんですが、ほかにも用途に応じていろんな色で補正するレンズもあります。
ただ、お子さんはブルーライトカットレンズの使用は避けた方が良いと思います。

※日本眼科学会など眼科関連6団体による「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見

とも子:なるほどねぇ。たまにイラストレーターの人なんかがブルーライトカットレンズは使わないほうがいいとか言ってるのも見るけど……直球で見える色が変わっちゃうからか。

常田:ですねえ。ほかにもフォトレタッチャーの方ですとか、微妙な色の機微を扱うお仕事だとブルーライトカットレンズを使うのは難しいと思います。でもゲームを遊ぶぶんには問題ない、メリットのほうが大きいと思いますよ。ちょっとこのレンズを実際にゲーム画面に向けてみてください。

ゲーミングノートも持ってないしお店のPCで遊ぶわけにもいかないので、YouTubeでテキトウに開いた「Apex Legends(以下、Apex)」のプレイ動画にブルーライトカットレンズを向けてみる。まぶしさがかなり抑えられてる! テルミットの炎もディヴォーションのマズルフラッシュもだいぶマイルドに。被弾時もチカチカ感が薄く感じられた。

とも子:オ……。たしかにまぶしさというかチカチカした感じが抑えられてるね。格ゲーとかはともかく、FPSだと被弾したりとか自分のマズルフラッシュで状況が把握しづらいときってあるから有効かもしれねえ。

常田:ブルーライトカットレンズのほかにもゲームに有効そうなレンズってあるんですよ。これはネッツペックコートというレンズなんですが……。傾けて光を反射させてみてください。蜂の巣状のコーティングがされてるのがわかりますか?

レンズの上に網目のような模様が見えるのがわかるかな? これがネッツペックコートだ

とも子:オッ、ほんとだ。なんか入っとる。これにはどんな効果があるの?

常田:光の透過を抑えた六角形の特殊金属が網目状に施されたネッツペックコートは、装着するだけで画面から放出される光をやわらかな光に変換し、ゲーム画面が突然明るくなるフラッシュ対策として有効です。また、この模様によってピンホール効果が発生して、コントラストも上がるんです。

とも子:ピンホール効果。聞いたことある気がする。

常田:小さな穴からものを覗くと、目の焦点が合いやすくなって物が見えやすくなるんです。視界がぼやけるなと思ったときに目を細めると見えやすくなる気がしますよね? あれも一種のピンホール効果です。ネッツペックコートメガネは、まぶしさの軽減とピンホール効果によって視界のコントラストを高める効果があります。より画面上のものが視認しやすくなると思いますね。

とも子:はぇ〜。単にメガネのレンズつってもいろいろ効果があるのね……。私さ、ゲームをやるときって……対戦格闘ゲームにしてもFPS/TPSのたぐいにしてもなんだけど、いつも「もっと動体視力がほしい!」って思うことが多いんだよね。

常田:はいはい。

とも子:格闘ゲームならヒット確認がしやすくなるし、FPSならより遠くの敵に気づきやすくなったり、エイムの助けになるじゃない。動体視力パワーが強ければね。でもこのメガネならコントラスト感度が上がってそういう効果もあるんじゃないかって……。

常田:とも子さん、実はですね……「動体視力を養うメガネ」っていうのがあるんですよ。

とも子:えっ!!! あるの!? 動体視力専用のやつ!?

常田:いまここに在庫は無いからお見せできないんですが……。仕組みとしてはレンズが液晶になってまして、高速で点滅するんですよ。それによって動いてるものに対する認識能力が上がるんです。ただし度は入れられないし、目が疲れるので長時間はかけられません。

とも子:高速でまばたきするみたいな状態になるってコト? そういえばスロットを目押しするときにはまばたきすると絵柄がゆっくりに見えるよって聞いたことあるな。

常田:ですです。それを自動で、高速でやってくれるメガネなんですね。これは常にかけておくものではなく、トレーニングするときに用いることで動体視力を「鍛える」ことが可能なんです。

とも子:そ、それって当然ゲーム用に作られたわけではないんでしょ? 誰が使ってるメガネなんすか。

常田:やっぱりアスリートに人気の商品ですね。例えばサッカーのゴールキーパーとか、野球のキャッチャーとか。「受ける」人に重宝されますね。

とも子:あ、あぁー。そうだよな。例えばゴールキーパーだったらボールが向かう先をしっかり見て、予測してどっちに飛び出すかを決めなきゃいけないもんな。

常田:なのでeスポーツ選手もこれを使ってトレーニングすれば……。

とも子:コンボやエイムの精度が上がってしまう!?

常田:可能性はあります。

とも子:すげえ、こんな世界もあったのか……。

常田:ただ当然値段は高くて。

とも子:はい。

常田:5万円くらいします。

とも子:えっ、でも6桁しないんだ。たしかに高いっちゃ高いけど、ゲームの世界で考えたらアーケードコントローラーとかキーボードだって万の世界だし、ビデオカードとか買うこと考えたらぜんぜん「アリ」なんじゃねえかって気もするね……。

eスポーツで勝つならコンタクトよりメガネだ!

とも子:ところでこれはメガネ屋さんに聞くのも野暮かもしれないんだけど……。eスポーツをするにあたって、メガネとコンタクトレンズとどちらが有利とかってあると思います?

常田:これはですね……私は断然メガネだと思います!

とも子:想像してた以上に断言してくれたなあ。その心は?

常田:メガネとコンタクトレンズのいちばんの違いはなんだと思いますか? それは「視界」です。メガネはレンズ内の範囲でしか視力を矯正できませんが、コンタクトレンズは黒目を全部覆うので、メガネより視界が広いんです。

とも子:視界が広いのならコンタクトレンズのほうが有利なんじゃないの?

常田:そうとも限りません。私はeスポーツに取り組むにあたってはコンタクトレンズは「見えすぎてしまう」ことがデメリットになると思います。例えばこれがリアルのスポーツだったら視界が広いほうが有利に働くと思いますし、メガネと違って落ちたりする危険性も低いのでコンタクトのほうが有利です。でもeスポーツは画面が見えれば問題はない。画面だけ見えればいいんですよ。なのでむしろ画面への集中力はメガネのほうが上だと思います。

とも子:たっ、たしかに……!? 

原稿をまとめながら改めて自分の机を見て思う。たしかにeスポーツするにあたって視界が広すぎるというのは不利に働くかもしれん、と……

常田:実際にプロゲーマーの方ってメガネかけてる人が多いですしね。さらにコンタクトレンズには目が乾きやすく、疲れやすいという弱点があります。眼球にフタをする形になりますからね。eスポーツはリアルのスポーツに比べて長時間プレイすることが多いですし、この点も不利に働きそうですね。ゲームを長時間プレイしているとまばたきする回数が減ってしまうのでなおさらです。さらに室内は外に比べて乾燥しやすいのも不利に働くと思います。

とも子:そうだねえ。コンタクトレンズだと目薬も頻繁にしなきゃだしねえ。

常田:もちろんコンタクトレンズにもメリットはたくさんあります。視界の広さは例えばサッカーとかだったら有利ですし、逆にメガネはコンタクトレンズに比べて激しい運動で破損しやすいというデメリットもあります。それにリアルなスポーツはeスポーツより試合時間も短いものが多いので目の乾燥とかも気になりづらいでしょうしね。

視力が低い→eスポーツで不利とは限らない

とも子:これはeスポーツがどう、というよりもっとそもそもの話になるんだけど、そもそも「目が悪くなる」ってどういうことなんだろ? よくゲームをやりすぎると目が悪くなるなんて言うけどさ。

常田:近視には、先天的に眼軸(※)が長い「軸性近視」と、後天的に近視になる「仮性近視」があります。「仮性近視」はゲームのしすぎなどで近くのものばかりを見ようとしていると、目のほうが適応して近くが見やすくなります。つまり、遠くばかり見たりトレーニングしたりして正常な状態に戻せるんです。

※眼球の角膜から網膜までの長さ

とも子:適応! つまり目がいい、悪いとは言うけれども、目が悪い=劣化ということではないということ…?

常田:仰るとおりです。

とも子:じゃあゲームのやりすぎで視力が落ちちゃった人類は、ゲームに適応して進化している……ってコト!?

視力が低い→デバフがかかっているというわけではない!?

常田:だいぶ極端な話ですが、そう言えなくもないです……! ようするに生活スタイルによって、目のピントが合う位置が変化していくということなんですね。

とも子:あー。モンゴルの遊牧民とかはすごく目がいいって言うけど、あれも遠くをよく見てるから遠くにピントがよく合う、ってことなのか。

常田:そういうことです。だから近視の人って、ずーっとゲームをやってたりスマホを見たりしていても目が疲れにくいんですよ。なぜかというと目が良い人に比べて近くで画面を見るときに目のピントが合いやすくなっている……。眼の筋肉が近視向けに適応して、もっとも楽になりやすいよう調整されているからなんです。だから逆にモンゴルの遊牧民の方がゲームをするとかなり目が疲れやすいはずです。

とも子:ふぅ~ん。人類って器用なところあるよな。そういえばちょっと話はズレるけど、VRとか……あるいは昔のゲームになるけど任天堂のバーチャルボーイとか、ヘッドマウントディスプレイのゲームってなんとなく目に悪そうなイメージがあるけど、逆にああいったゲームを遊ぶことで視力が上がったって話を聞いたことがあるんですよ。あれってどういうことなのかな。

常田:あれも「遠い位置でピントを合わせようとしている」からそういったことが起こるんですね。

とも子:絶対的な目と画面の距離は近い気がするけど……ピントを合わせようとする眼の動きは遠くを見るときと同じってことか。

常田:そうです。

とも子:でもそうしたVRのゲームを遊ぶことで良くなった視力はあくまでVRゲームに適応した視力なわけで……。

常田:ですねえ。VRゲームをたくさんプレイした結果、視力検査の結果が上がった人がApexで強くなれるかというと……なかなかそうはいかないと思います。

とも子:おもしろいなあ。じゃあホント、目が良くなる悪くなるってのはあくまでふだんの生活のうえでの話で不便かどうかって話でしかないのか。

メガネ専門店に行って強くなれ

とも子:じゃあ極端な話、「ふだんの生活をするためのメガネ」と「eスポーツをやっていくためのメガネ」の2種類を使い分けてもいいわけだ。

常田:ぜんぜんアリだと思いますね。ブルーライトカットやピンホール効果によるパフォーマンスの向上はもちろん、単純にゲーム画面にいちばん最適な距離でピントが合う調整をすることで目も疲れにくくなるわけですから。

とも子:例えば実際に執事眼鏡さんに行って「eスポーツ用のメガネを作ってくれ!」と相談してみたら、対応してもらえるんスか?

常田:もちろん可能です。過去にもそういったお客様はいましたね。プロの方というより趣味のゲーマーの方だと思いますが。

とも子:ほほ~ん。でもほんと、数万円程度で作れるとなればぜんぜん選択肢としてアリだよね。ゲーミングデバイスと比べても高くないしさ……。それにこれまでは執事眼鏡さんの店舗も池袋と秋葉原の2店舗しか無かったけど、このあいだ大阪店がオープンしたからね!

4月2日に執事眼鏡は関西進出! 大阪に新店舗ができました。近くのゲーマーはぜひ行ってみてね

常田:ですね! なので関西の方もぜひ……お気軽にご相談ください!

とも子:いやでも正直、マジでメガネ次第でゲームが強くなれるとは思ってなかったので大変おもしろかった。ありがとうございました。どうしても視力で倒してえヤツと戦うことになったら、そのときは助けを乞いに来ます。GAMEクロスの経費で……。

常田:ぜひ今度は動体視力メガネも試しに来てください! サンプルを借りることはできますんで。

とも子:そのときは私が試してもしょうがないからプロゲーマーの人に試してもらったりできるとおもしろいかもね。またぜひお願いしますわ。あと……。

常田:あと?

とも子:マシーナリーとも子コラボメガネも……商品化して……。

常田:……検討しておきます。

とも子:よろしくお願いします。

店舗情報

執事眼鏡eyemirror外観

執事眼鏡eyemirror
住所:東京都豊島区東池袋1丁目31-13
営業時間:11:30~19:30
定休日:毎週水曜日
(イベント出展時は臨時休業)

執事眼鏡eyemirror -OSAKA-
住所:大阪府大阪市浪速区日本橋西1丁目5-11
営業時間:11:30~19:30
定休日:毎週水曜日

アニメコラボメガネ専門店-Animegane-
住所:東京都千代田区外神田4丁目8-3 セゾン秋葉原ビル1階
営業時間:11:30~19:30
定休日:毎週木曜日(2021年4月1日より当面の間、木曜日定休)