あの「MELTY BLOOD(通称メルブラ)」シリーズの新作「MELTY BLOOD: TYPE LUMINA」の発売が突然発表された!

正直めちゃくちゃ驚いた。前作の「MELTY BLOOD Actress Again Current Code」が稼働してから10年以上も経っていて、もう出ることは無いだろうと考えていたゲームだったからだ。

メルブラシリーズは、「Fate」シリーズで有名なノーツ(TYPE-MOON)が制作した伝説的なビジュアルノベルゲーム「月姫」が元になった格闘ゲーム。制作は現在「UNDER NIGHT IN-BIRTH」シリーズを展開している「フランスパン」だ。

オトコノコだったら誰しもが思う、「あのバトルマンガ/アニメの格ゲーが遊べたらめちゃくちゃ嬉しいだろうな」を実現した作品だ。

おれの周りには不思議とメルブラ出身者が多い。とある友人は青春時代に月姫とメルブラにかなり影響されたようで、長年沈黙していた原作月姫のリメイク版が再始動したときも、「よし、次はメルブラだな!」と冗談交じりに話していた。

しかし、いざメルブラの新作が決定したとき「本当に発表する奴があるか!」と悲喜こもごも、様々な感情がない交ぜになっていて、めちゃくちゃになっていたのを見た。

そんな友人の懸念点は、「自分の愛したメルブラはもう帰ってこない」ということだろう。ビジュアル面もそうだろうけど、格ゲー部分は特に。

昔の格闘ゲーム特有の「おおらかさ」

おれの場合、メルブラが流行っていた頃はときたま触る程度しかプレーしていなかったんだけど、ブームが過ぎた頃にメルブラ出身者の友達から布教されてからはよく遊んでいた。

遊んでみるとわかったが、カプコンの「硬派な格ゲー」とは様々な点で対照的だったのが印象深かった。

アニメ調のキャラに、どんどん長くなっていくコンボ、複雑な共通システム、地上戦よりも強い空中戦、自由度の高い操作性、ちょっとやんちゃなゲームバランス……。俗に言う「コンボゲー」に属するのがメルブラで、当時のコンボゲーは「とにかく自分と自キャラの強みを相手に押し付ける」のが強さの肝だった。

「攻めが強いやつが勝つ」。とてもシンプルではあるが、他ゲーとは少しベクトルが異なっており、正直理不尽さやハードルの高さを感じた。

この偏ったゲームバランスはメルブラに限った話ではなく、メルブラが出てきた頃の格闘ゲームはだいたい「おおらか」だった。ハメやガー不なんて日常茶飯事。キャラの強さも極端だったり、明らかな調整不足もあったりと、平等性のない「勝てばよかろうなのだ」を地で行くゲームが多く存在した。

おれはもともとギルティギアプレーヤーだったので、やんちゃなゲームにも多少耐性があったつもりだったが、メルブラのやんちゃさにはびっくりした(今思えば、どっちもどっちだと思う)。聖典シエルの確反のない昇龍拳からコンボに行かれて、そのまま何もできずに起き攻めでハメられたときは、あまりにも理不尽すぎて思わず「このゲームが廃れた理由がわかったわ!!」と声を荒げてしまった。

とある友人はおれのような浅瀬プレーヤーにとって無法な環境を「スラム街」と呼んでいた。どんな手段を使っても勝った奴が正義で、負けた奴は「こんなゲームにマジになるやつなんて」と悪態をつきながらも必死に練習をする。そうしてメルブラにのめり込んでいったんだろう。

スラム街と呼びつつもメルブラにハマったのは、爽快過ぎる操作感と、やり込み甲斐のあるコンボがあまりにも面白すぎたから。
荒んだスラム街は夜中寝転んでみると、夜空の星がものすごく綺麗だったんだ。

「UNDER NIGHT IN-BIRTH」を通じて生まれた「分かり手」フランスパンへの信頼

おれは新作「MELTY BLOOD: TYPE LUMINA」をかなり楽しみにしている。先述した友人たちのような複雑な感情は特に無く、eスポーツ展開のある格ゲーとして復活するであろうという嬉しさが大きい。なんせ、開発はあの「フランスパン」だ。おれはフランスパンをかなり信頼している。

信頼の源は、フランスパンが手がける格ゲー「UNDER NIGHT IN-BIRTH(通称UNI)」シリーズにある。これはメルブラのテイストを継承した完全オリジナルの2D格ゲーなのだが、メルブラで感じた爽快感も引き継ぎつつ、カプコンゲーで慣れ親しんだ地上戦や読み合いもエッセンスとしてある、完成度の高いゲームだ。UNIのトレモをやり込んでいて、なんて良く出来たゲームなんだと膝を打つ思いだった。

格ゲーへのこだわりがたくさん詰まってはいたが、オリジナルIPであることやゲーセン展開がメインだったこともあってかハードルが高く、あまり初心者プレーヤーが根付かなかった。それでも作りの良さは知る人ぞ知るゲームだったので海外人気も高く、「EVO 2019」では「UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[st] 」がメインタイトルに据えられるほどだった。

でも今回はひと味違う。あのメルブラが奈須きのこシナリオと共に帰ってくるんだ。原作である「月姫リメイク」の盛り上がりと一緒にメルブラが展開できるんだ。これ以上ない話題性の中でフランスパンがどういった調整で格ゲーを出してくるのか、本当に楽しみだ。

制作・販売のディライトワークスさん、本当にお願いします。信じてます。

おまけ:メルブラの思い出無法技

メルブラの思い出を書いていたら語りたい技がいくつも出てきたので、最後に少しだけ紹介させてくれ。

C完全武装シエル(通称聖典シエル)の昇龍拳「シャフトドライブ」。上の判定が強く空中ガード不可で、スカっても派生技で降りてくる。スキがないくせにここからコンボしたり起き攻めしたりできる。ゲームで滅多に怒らないおれをキレさせた技です。

Cロアの竜巻コマンドで出る設置技「数秘紋・蛇の巣」。空中・地上どちらにも設置でき、設置後にもう一度竜巻コマンドを入れると雷が出ます。「飛び道具空中ガード不可」という仕様のせいで文句なしの無法技だ。空中版は相手のいる向きが変わったら自動で自分の向きも変わってくれるお茶目な一面もある。

F真祖アルクェイド(通称姫アルク)の波動技「なみ」。当たったらコンボに行ける下段の飛び道具(空中ガード不可)という無法な性能をしている。友人に勝てなさすぎてめちゃくちゃ悔しかったおれが、はじめて「トップtierだから」という理由だけで練習したキャラが姫アルクだ。