ライアットゲームズが主催する「2021 VALORANT Champions Tour(VCT)」。3月13日からスタートした大会「Masters」では、地域大会「Challengers」を勝ち抜いた8組の国内チームが初代王者をかけて熱い戦いを繰り広げました。

第1回となるStage 1「Masters」で優勝したのは、Crazy Raccoon(@crazyraccoon406)。グランドファイナルでは、絶対王者Absolute JUPITERに3-0で完封勝利し、「Masters」初代王者として賞金300万円を獲得しました。

圧倒的な勝利で優勝を飾ったCrazy Raccoon

「Masters」の舞台でCrazy RaccoonとAbsolute JUPITERが対戦したのは、1戦だけではありません。1回目の対戦は3日目のRound 3でした。この対戦でCrazy Raccoonは0-2で敗北。1マップ目は13-8、2マップ目は13-10と粘りを見せるも、1マップも取れずに完封負けを喫してしまいます。

Absolute JUPITERに敗北したCrazy Raccoonは翌日、Lower BracketでREJECTと対戦。接戦の末に2-1で勝利し、グランドファイナルでAbsolute JUPITERと再戦することに。「Masters」最終日の連戦となったため、中には選手たちの疲労を懸念するファンも見られました。そんな心配をよそに、Crazy Raccoonは前日の完敗が嘘のような快進撃を見せ、ストレート勝ちで見事リベンジを果たしました。

1マップ目でチームに勢いをもたらしたneth選手

1マップ目のバインドでチームMVPを獲得したneth選手

グランドファイナルで多くの観戦者の印象に残ったのは、neth選手のプレーではないでしょうか。特に1マップ目のバインドでの活躍は目まぐるしく、確実にチームに勢いをもたらしたと言えるでしょう。

試合の流れが変わったのは、第7ラウンド。ラウンド開始早々にAショートへと侵攻し、オペレーターでbarce選手のブリムストーンをキル。1-5とラウンドを取られている状況でありながらも、強気なプレーでAbsolute JUPITERの出鼻をくじきました。続く第8ラウンドではrion選手、第9ラウンドでは再びneth選手がファーストブラッドを獲得。それまでの劣勢をはね返すように、チームに勢いを与えていきます。

その後は1ラウンドも落とすことなく、5-5のイーブンで迎えた第11ラウンド。neth選手のスーパープレーが炸裂します。neth選手が1人で防衛するAサイトに、Absolute JUPITERの4人がセットプレーで侵攻。neth選手はAショートに向けてショーストッパーを放ち、時間を稼ぎます。

直後、neth選手のいる位置にオービタルストライク射出。しかし、neth選手はスコープを覗いたままで粘りの姿勢を見せます。オービタルストライクが着弾する直前、Aショートから侵攻してきたtakej選手のスカイをキル。すぐさま移動し、ノーダメージでオービタルストライクを避けました。そして、neth選手は驚くことにオペレーターを構えたままオービタルストライクの中へ。ダメージを負いながらもLaz選手のヴァイパー、スパイク設置中だったbarce選手のブリムストーンを立て続けにキルします。

オービタルストライクのダメージを受けつつもキルを狙うneth選手

最後は人数差有利の状況で、落ち着いてソーヴァのReita選手をキル。1人でサイトを防衛するという厳しい状況から、流れるような4キルで見事にラウンド取得に成功しました(Twitchクリップ)。

サイド交代後もスピーディーな展開でAbsolute JUPITERを翻弄し、ラウンド16には4キル、ラウンド23ではショーストッパーで相打ち最終キルをとるなど、ラウンド奪取に貢献するだけでなく、ファンを沸かせるプレーを連発。第1マップのバインドは26キル12デス3アシストで、チームMVPに輝きました。

勝利者インタビューでは、neth選手の涙が溢れ言葉に詰まってしまう場面も。「CS:GO」をプレーしている頃から越えたかった「Absolute JUPITER」という壁。これまでの苦労を知る解説のyukishiroさんからは、「今までこの会場(GGC=GALLERIA GLOBAL CHALLENGE)でneth負けてたんだもん。ようやく勝ったんだよ」と、激励の言葉がかけられていました。

第2回となるStage 2「Masters」出場をかけた地域大会「Challengers」予選は、4月3日よりスタート。新エージェント「アストラ」が解禁されたことで、各チームどのような戦略をみせてくれるのか。期待が高まります。