競技シーンが盛り上がりを見せ、さまざまな大会が開催されている「Apex Legends(以下、Apex)」。2月にeスポーツ運営会社JCGが主催した「第2回 ~JCG Apex Legends~ Honor Of Tournaments(HOT)」では、白熱した試合が繰り広げられ、プロチーム「ORTHROS Fang」の優勝で幕を閉じました。

通常であれば、華麗な立ち回りやメンバー同士の連携でキル数を重ねる上位陣の攻防が注目されがちです。しかし筆者は決して上位入賞とは言えないチーム「Karune029」が気になりました。

アマチュアチームにもかかわらず、プロも含めた約80組が参加する予選を見事突破。決勝では20チーム中11位でしたが、第3試合では惜しくも2位まで残るなど見せ場を作ったチームです。

彼らはどのように予選を勝ち上がり、決勝を戦ったのでしょうか。

アマチュア「Karune029」がプロアマ混合大会の予選を勝ち抜けた理由

予選、決勝ともに4試合ずつ行われた本大会では、1キルごとに1ポイント加算されるキルポイントと、順位ポイントの合計で競う方式です。順位ポイントは1位:12ポイント、2位:9ポイント、3位:7ポイント……と毎試合の順位ごとに加算され、最後まで生き残るほど多くのポイントを稼ぐチャンスがあります。

キルポイントと順位ポイントのどちらを優先するかが戦略を大きく左右するルール。もちろん強豪がそろう大会ではキルも生き残ることも難しいですが、Karune029は生き残ることを最優先し見事予選を突破しました。大会公式サイトの予選結果ページを見れば、彼らがいかに生き残ることを優先したか、一目瞭然です。

決勝戦では生存力に長けたチームであることが紹介された

予選通過チームの平均キルポイント27.9ポイントに対し、Karune029はたったの2ポイント。一方で、4試合のうち2位を1回、3位を2回取ることで順位ポイントは予選通過チーム中6位タイの25ポイント。合計ポイントは予選通過チームの中で最下位ですが、キル数を稼がなくても予選通過が可能であることを示せたのは大きな功績でしょう。

決勝では20チーム中11位に終わったものの、第3試合では有利ポジションを取り続け2位に。生存力の高さを見せました。

HOT決勝戦の結果。Karune029は20チーム中11位

キルポイントより順位ポイントを狙いて生き残ることを優先するスタイルは、バトルロイヤルゲームであるApexならではの戦略と言えます。

「Karune029」は大会をどう戦ったのか 代表者インタビュー

第2回HOTの予選を通過し、決勝でも健闘したKarune029の代表者「Karune029」選手はどのような思いで大会に臨んだのでしょうか。話を伺いました。

※インタビューはDiscordのテキストチャット上で行いました。

――まず、メンバーはどのような方なのでしょうか。簡単なプロフィールを教えてください。

自分は「Karune029」です。他の2人は「peepeeFN」「Lew」として大会に出場していて、それぞれ従兄弟とリアルの友人です。ランクは全員ダイヤ帯で、基本的には無理せず勝利を重視するようなプレースタイルですね。

――HOTへ参加するきっかけは?

大会があると2人に伝えたら、ノリよく事が進みました。気づいたら参加する流れになっていましたね。

――大会では「レイス(peepeeFN)」「ジブラルタル(Lew)」「ブラッドハウンド(Karune029)」の編成でした。この組み合わせは、どのように決めたのでしょうか?

当時流行っていた編成を真似てみました。担当するレジェンドはチームメンバーのプレースタイルに合わせて決めましたね。

――大会当日までにどのくらい練習をしましたか? また、どのような練習を行ったのでしょうか?

実は3人が集まってプレーできたのは2日のみでした。合わせて5時間程度ランクマッチをプレーしただけです。

――本大会はプロ・アマ混合でかなりの強豪も参加しました。何か作戦は考えましたか?

自分たちは競技シーン未経験のため、予選ではとりあえず生存を最優先にして空気感を掴むことに専念しました。決勝も、予選で得た知見をもとに少し強気の動きをしつつ、基本的には生存を優先した動きをするようにしました。

――他チームの動きがわからないからこそ、様子見しつつ順位ポイントを重視したということですよね。とはいえ、プロチームがいるなかで生き残るのは難しいはず。生き残るためのコツは何でしょうか?

大会に参加する上で、他の大会のプレー映像を見ました。普段プレーしているランクマッチと違い、リング内にいるうちはどのチームも他チームが占領している場所を無理に取りに行こうとしないことがわかりました。

なので大会では、とにかくリング内のエリアがどこになるのか予想して、有利ポジションを取り続けられる場所を他のチームよりも早く占領することを意識していました。

Karune029が生き残るための嗅覚を見せつけた第3試合。混戦の結果、準優勝に

――なるほどですね。競技シーンと普段のプレーではやはりプレースタイルは異なりますか?

普段は漁夫(※)に行けそうなら行きます。しかし大会では有利ポジションの維持を優先しました。それがうまくいって予選を通過できたと思いますね。

※漁夫:2チーム以上が戦闘している最中、もしくは戦闘が終わった後に介入して「「漁夫の利」を狙うこと。

まとめ

FPSの華といえば撃ち合いで、大会でも戦闘が巻き起こった場面ばかりが焦点をあてられるのは当然でしょう。ただし、Apexのようなバトルロイヤルゲームは、生き残ることも重要なエッセンスです。その意味で、戦闘を避けながら最後まで生き残ることを優先したKarune029の姿に勇気をもらったプレーヤーは少なくないはず。

このような戦い方でも十分に通用すること自体がバトルロイヤルゲームの魅力ではないでしょうか。Karune029のおかげで、より多くの敵を倒すことだけが勝利への道ではないことを再確認できました。

(文 杉山大祐/ノオト)

大会情報

HOTを主催したJCGは現在、「Apex Legends」のコミュニティー大会「FACE」を開催中。

4月大会への参加は下記リンクから。

予選第1回(4月7日)→エントリーページ

予選第2回(4月14日)→エントリーページ