• クランの人間関係がしんどい

    クランの人と一緒にいつもゲームをプレーしているのですが、クラン内の人間関係にしんどさを感じるようになりました。

    一人でプレーしているときや、別のフレンドとゲームをしている時もクランメンバーから誘われ、「時間が合えば一緒にプレーするものだ」という雰囲気があります。メンバーに嫌われないように、お誘いを断る言い訳を考えてしまいます。いっそのことクランから抜けてしまおうかとも思うのですが、クランの一人ひとりは良い人たちなので荒波は立てたくありません。どうすれば穏便にクランを抜けられるのでしょうか?

    (30代女性)

    相談者
Aプロ作成 再利用可
臨床心理士の三浦ミシェルさん

人間関係の何がしんどい? まずは悩みを分解すべし

どうすれば穏便にクランを抜けられるか。

この部分だけに答えるとすると、「適当な理由を作ること」です。「勉強・仕事が忙しい」など、ゲーム以外にやるべきことがあるように見せれば、クランの人も「仕方ない」と思ってくれるでしょう。

でもちょっと待って。そもそも、人間関係しんどさって一体何なのでしょうか?

こちらのご相談、実は悩みは一つではないんですよね。細かく見ていくと、下記のように悩みが三層構造になっています。

  1. クランを抜けたい。
  2. 好きなように自分の時間を使えず、強制されている感じがする。
  3. クランメンバーから嫌われたくなくて、自分の意見を正直に言えない。

①はより表面的な問題、つまり、環境調整で解決できることです。ここだけに注目すると、クランを抜ければOK、ということになりますね。しかしそれでは本質的な解決にはなりません。「それで本当にしんどさから解放されるのか?」と、もう少し分析してみましょう。

②、③となるにつれて、悩みの原因は自分自身の内面的なことに近づいていきます。他のゲームをしたっていいし、「今日は時間がないからパスするね」と言えば済むところですが、一生懸命言い訳を考えることに時間を費やしてしまっている。

ここに、しんどさの原因を探るヒントが詰まっていると思います。

コミュニケーションには人それぞれ癖がある

どんな人にも、コミュニケーションの「癖」みたいなものがあります。気づかないうちに癖のように、様々な場面で似たようなパターンが繰り返されているものです。

例えば私も、こんな人に出会ったことがありました。クランメンバーに意見されると、いくら正論とわかっていてもムキになって言い返してしまい後から後悔する、と。

これはどうしてなのでしょう。

よくよく話を聞いてみると、この人はゲームに限らず色々な場面で「人からバカにされている」と感じやすいことがわかりました。相手からではなく、自分で自分を卑下してしまっていたんですね。「癖」に気づいてから、その人は「クランメンバーは自分のことを思って親切に説明してくれているのかもしれない」と一歩引いた視点で考えられるようになり、コミュニケーションの仕方が変わったのです。

今回の相談者さんの場合は、おそらく普段から周りの目を気にするあまり、自分の言いたいことを我慢してしまうタイプなのでしょう。クランを抜けることではなく、もしかすると勇気を出して自分の思いを伝えることが本質的な解決につながるのかもしれません。

顔の見えない相手とのやりとりは、通常の何倍も気をつかう

少し話がそれますが、LINEやDiscordなどのチャットツール、TwitterなどのSNSにおける顔が見えない状態でのコミュニケーションは、対面でのコミュニケーションに比べて一方的になりがちです。

怒っているのか励ましてくれているのか、文字だけのやり取りだと相手のニュアンスをくみ取りづらいと思った経験は誰しもあるでしょう。

お互いに相手の反応がわかりにくくなるので、思い込みで話してしまったり、少し言い過ぎてしまったり、すれ違っていたりと、文字通り「目の前に相手がいない」コミュニケーションになりやすいのです。つまり、いつもよりも丁寧なコミュニケーションが必要になってきます。ここで言う「丁寧」というのは、自分の言いたいことを伝えられる言葉をじっくりと選ぶこと、相手がどう受け取るのかをよく想像すること、そして何より、勢いに任せないことです。

きちんと伝えないと、伝わらない

相談者さんに話を戻しましょう。相談者さんが困っていることは、はっきりと伝えない限り他のメンバーが察することは難しいでしょう。そして、相談者さんの思いに対してメンバーの皆さんがどんな風に考える人かもわかりません。丁寧に伝えなければ、お互いにわからないことばかりです。

これまでのことを全て踏まえると、私からの提案はこうです。

もし心のどこかにクランに残りたい気持ちがあるのなら、まずはきちんと気持ちを伝えてみてください。「誘ってくれてありがとう。でも今日は他にやりたいことがあるので時間が取れないんです、ごめんなさい。また一緒にできたら嬉しいです」とか、「このクランは好きなのですが、毎回参加するのはちょっと疲れてしまいました。できる時だけ参加させてもらってもいいでしょうか」というように。

丁寧かつ誠実に伝えて、それでも何かを押し付けてきたり、文句や否定的な言葉をぶつけてきたりするようなら、そんなクランはさっさと抜けてしまいましょう!