アーケードシーンからコミュニティーが生まれ、今も国内外で大きな盛り上がりを見せる格闘ゲーム。日々たくさんのプレーヤーが「俺より強い奴」と出会い、しのぎを削っています。今回はそんな格闘ゲームで活躍するプロゲーマーたちの名言を集めました。

モハメド・アリもトレーニングは嫌いだった

Joey Fury選手(EQNX)『ボクサーは何度も殴られるのを我慢しなければならない。テレビの前に数時間座っていればいいんだ。さあ始めよう』

引用元:Joey Fury talks keys to defeating Saint at FRXX, facing JDCR, and being a Jack specialist

格闘ゲームの多くは自分の技量が勝敗に直結する1対1の戦いです。「なんとなく勝てた」という試合は少なく、勝つためにはまず何度も負けないといけません。殴られ続ける自分のキャラクターを見ると、他のゲームにはない独特の悔しさが生まれます。画面の中の出来事だとしても、私たちは拳の痛みを感じているのかもしれません。

まるで格闘家のようですが、アメリカのプロゲーマーであるJoey Fury選手(@Joey_Fury)は格ゲーマーをボクサーと比較しています。アメリカの全国大会「Red Bull Conquest」において「鉄拳7」部門で準優勝を果たし、現在も精力的に活動を続けています。

この名言は「トレーニングモードがつまらない」というプレーヤーたちに向けたもの。ボクサーという言葉を使ったのは、彼がモハメド・アリの「トレーニングは大嫌いだったけど、いつも自分に『諦めるな。耐え抜けば、残りの人生をチャンピオンとして生きられる』と言い聞かせていた」との言葉に影響を受けたから。

Joey選手の言葉には厳しさも含まれていますが、格闘ゲーマーもボクサーと同じように「強くなるために耐えることも必要」と言われると、もう少し頑張ろうという気にもなります。トレモが辛くなった時や勝てない時にこの言葉を思い出せば、自分の心を奮い立たせられそうです。

遊び心を忘れずに

ウメハラ選手(Team Mildom Beast)『99%の現実と、その効率の中にもロマンがないとね』

引用元:10/11/2020 初心者講座第三弾 「地上戦とは何か」 パート3

言わずと知れた格闘ゲーム界のカリスマ、ウメハラ選手(@daigothebeastJP)の名言です。彼は15歳で全国大会を、17歳で世界大会を制したプロゲーマーのレジェンド。「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロゲーマー」としてギネス世界記録にも認定されています。

この名言の裏には「校長ザンギ」というプレーヤーの影響があります。校長ザンギは90年代に前代未聞の技だった「ガイルの中足に差し返し」を成功させた人物です。誰もができないと考えていたテクニックを研究した彼に、当時中学生だったウメハラ選手はロマンを感じたそう。プロゲーマーになった今でも、夢物語を探求するような遊び心を忘れたくないと語っています。

他ジャンルのゲームでもそうですが、格闘ゲームは時としてストイックさが求められます。ひたすらトレモに打ち込み、CPU戦を回し、ランクマッチに挑む。気がつけば心の余裕がなくなってしまう時も……。

だからこそ、挫折せずに格闘ゲームを楽しむためにはロマンが必要なのでしょう。最短で勝ちを目指す練習だけではなく、ただ純粋に心をわくわくさせるような目標が。ウメハラ選手が長年トッププレーヤーとして君臨する理由が分かった気がします。

弱キャラでも自分らしく

Xian選手(Team Razer)『過小評価されているキャラクターにこそ、大きな可能性を見出すことができると感じています』

引用元:Checking in with Team Razer's Xian on the growth of esports in Singapore

キャラクターを選ぶ基準は人それぞれです。見た目やプレースタイルとの相性など、強さ以外の理由でキャラクターを決める人も多いはず。気に入ったキャラクターがたまたま「弱キャラ」だった時は、何かと冷たい意見を言われることもあります。

しかし競技シーンの中にさえ、弱キャラを好んで使っていたプレーヤーたちがいます。そのうちの一人であるXian選手(@XianMSG)は、シンガポール出身のプロゲーマーです。「EVO 2013」の「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション Ver.2012」部門であまり強くないとされていた元でときど選手を倒し、優勝を果たしました。

当時、格闘ゲームの強豪国と言えば日本・韓国・アメリカ。シンガポールの選手が優勝するとは誰も予想していませんでした。そんな国から来た選手がさらにメタではないキャラを使いこなすことで、自身のユニークさを強烈にアピールしたのです。弱キャラであればあるほど対策されにくいので、研究すれば自分しか知らない強みを引き出せる可能性があります。

弱キャラにとことん向き合うことは、誇るべき自己表現なのかもしれません。

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今日も格ゲーの高みを目指すプロゲーマーたち。彼らの言葉には格ゲーをもっと楽しむためのヒントが詰まっていました。ぜひあなたの格ゲーライフの支えにしてみてください。