「ぷよぷよeスポーツ」は色覚多様性に対応したアップデートが2020年に行われ、マイデータのおぷしょん内に「色ちょうせい」機能が追加されました。2月、この「色ちょうせい」機能を使った「色覚多様性に対応したぷよぷよ体験会」がオンラインで開催されました。色の見え方が少数派の人たちが参加し、「見やすくなった」という声が上がりました。

色だけなく、「ぷよ」のかたちも16種から選べる

色を感じる細胞の働きにより、色の見え方は人それぞれです。色の識別が難しく、色による「ぷよ」の区別が必要な「ぷよぷよ」を敬遠していた人にも楽しんでもらおうと、PS4版、Nintendo Switch版、Steam版の全てで「色ちょうせい」機能が追加されました。

この結果、「フィルター」をONにすると、デフォルト(通常の設定)のほかに色覚の特性に対応した色調整として、「1型2色覚」「2型2色覚」「3型2色覚」の各パターンが可能になりました。「色のつよさ」も設定できます。

また、「ぷよ」の落下中の点滅効果を削除したほか、色だけでなく形状での判別もしやすいように「ぷよ」の形状を16種類から選べるようになりました。「アクア」「クラシック」と呼ばれているお馴染みのデザインはもちろん、「ソニック」のシルエットや緑は「G」、赤は「R」といった文字の形をした「ぷよ」にすることもできます。

【ぷよぷよeスポーツ】色ちょうせい機能の紹介動画

なお、オンライン対戦をする場合には、自分が「色ちょうせい」機能を使っていても、対戦相手の画面には影響しないので、それぞれの見やすい画面で一緒にプレーすることができます。つまり、1型対2型、デフォルト対3型など、それぞれの色調に合わせたプレーが可能です。Switchの場合は、アドホック通信対戦もそれぞれに分けてプレー可能となります。

CUD友の会の参加者がオンラインで体験

「3型2色覚」に対応し、色と形を調整したぷよぷよの画面

この「色ちょうせい」機能は、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構「CUDO」が監修しました。CUDOは、色の見え方が少数派の人のほか、カラーユニバーサルデザイン(人間の色覚の多様性に対応し、より多くの人に利用しやすい配色を行った製品や施設・建築物、環境、サービス、情報を提供する考え方)に関心のある人たちによる「CUD友の会」を定期的に開催しています。

今回の体験会はセガが主催し、「CUD友の会」の参加者に初公開となる「ぷよぷよeスポーツ クラウド」を提供しました。製品を購入していない人も手元のパソコンでゲームを体験することができました。

友の会に参加した人からは「『色ちょうせい』機能は有効だと思います。子供の頃、何人か集まってプレーしていたときは苦手だからいいやと避けていたのですが、もしこの機能が昔にあったらもっと積極的に遊べたなと思いました」と評価の声が上がりました。また、「対応いただいたことで、見やすくなりました。『ぷよぷよ』に限らず、いろんなゲームソフトでも見にくいなと感じることはあったのですが『みんな、こんなものなのかな』と思い込んでいました。でも、実はそうではなかったことに最近気がついて。こういう動きが広まっていくといいなと思います」という意見もありました。

色覚多様性に対応していないゲームをなくしたい

色はデフォルトで、ぷよが文字の形になった画面

CUDOの伊賀公一副理事長によると、色の見え方が少数派で、かつて「色弱」とよばれた人は世界に3億人ほどいると推定されます。しかし、自身の色覚が周囲と異なっていることに気づかなかったり、本当は不便で困っているのに、自分の注意不足だと思い込んでいたりと、なかなかその不便さを周囲に訴えられない方も多いと言います。

そうした中、「色覚多様性に対応していないゲームをなくしていきたい」と伊賀さんは考えます。「みんなが知っている『ぷよぷよ』が色覚多様性に対応したことは、これまでゲームをできずに悲しい思いをしていた人や仲間に入れない人がいることに社会が気づくきっかけになったのだと思います。不便に感じていることを伝えれば、メーカーもそれに応え、世の中が変わっていく、という流れを増やしていくためにも、このような取組みをもっと多くの人に伝えていきたいです」と話しました。

講師の飛車ちゅう選手「様々なゲームで標準化を」

オンラインで参加する飛車ちゅう選手

体験会には、JeSU公認ぷよぷよプロプレーヤーである飛車ちゅう選手も講師として参加しました。「ぷよぷよ」を初めてプレーするという人も多くいましたが、飛車ちゅう選手が「ぷよぷよ」のルールや連鎖のコツを丁寧に解説。説明をしながら見事な大連鎖を決め、プロの技を披露しました。

飛車ちゅう選手は「色ちょうせい」機能の追加について、「『ぷよぷよ』は『つなげて』消すゲームであるため、『ぷよ』の種類の区別は、どうしても色に頼る必要があります。たくさんのプレーヤーに遊んでもらうために、このような色覚多様性への対応を行うことは良いことだと思います。『ぷよぷよ』に限らず、テレビゲーム、ボードゲーム、様々なゲームで色に頼るゲームの色覚多様性への対応が標準化されていくと良いなと思っております」とコメントしました。

また、ゲームメーカーがバリアフリー対応を進める中、プロプレーヤーとしては「当事者の人たちにゲームを紹介したり、指南したりすることで、ゲームを楽しめる環境作りに貢献できる」とも言及しました。

大会に参加する飛車ちゅう選手

eスポーツに興味を持った

「ぷよぷよ」は色の識別がゲームにとって重要な要素であることから、「これまでプレーを避けてきた」という人も多くいたと見られます。しかし、今回の体験会で初めてプレーしたことで、「今後、やってみたい」「eスポーツに興味を持った」といった感想を複数の人から聞きました。参加者にとって、新たな発見になる1日となったようです。