Okayama(@TDokayama)と申します。普段は「R6S」の大会企画などを行うトーナメントディレクターとして活動しながら、大会の実況・解説も担当しています。昨年、「レインボーシックス Japan Championship 2020」のBan/Pickや試合展開の予想について記事を書きました。

R6Sでは先日、Y5S4.3パッチノートが実装され、来るY6では新オペレーター「Flores」の追加や国境のリワークなどが発表されました。大きな変更が相次いでおり、競技シーンにもオペレーター構成や戦略の面で大きな影響が出そうです。

そこで、Y5S4.3~Y6におけるバランス調整をいくつかピックアップし、競技シーンの今後の展望を語ります。

ASH : ブリーチング弾の爆発ダメージ範囲の縮小(Y5S4.3)

【注目の調整内容】

以前のアップデートでサブガジェットがスタングレネードからクレイモアに変更になったASHでしたが、ランクでのPick率は相変わらず1位。競技シーンでもよくPickされていました。

ブリーチング弾に対して調整が入り、爆発ダメージ範囲が3.5mから2mに縮小しました。範囲が縮小したため、ブリーチング弾で突き上げをした際、天井などに貼られたガジェットを壊せなくなりました。

【競技シーンへの影響】

平面(自分と同じフロア)の展開型シールドや有刺鉄線などには直接ブリーチング弾を撃ち込むので、爆発範囲の縮小は特に影響は出ないでしょう。

しかし天井の突き上げ、床の突き下げの場合、ブリーチング弾だけでは奥側のガジェットを壊せません。

例えば、突き上げた先の部屋天井に「エレクトロクロウ」「ブラックアイ」などが設置されているとしましょう。

大会やランクマッチなどでマーベリックがBanされた際には、エレクトロクロウの破壊に少し時間がかかるようになりそうです。

天井までの高さは基本的に約3m。ブリーチング弾では、反対側の壁まで爆発が届かない

銃の強さ・平面での防衛ガジェットへの有用さなどを考えると今後もトップクラスのPick率を誇りそうですが、クラブハウスの監視室2枚補強やヴィラの記念室3枚補強などのエレクトロクロウを壊す際には、ASHではなくIQなどをPickし、下からガジェットを壊す戦略が増えるかもしれません。

BUCK : サブガジェットの変更(Y5S4.3)

【注目の調整内容】

スケルトンキー(ショットガン)の合計弾薬数が26発から31発に増加。また、サブガジェットからクレイモアが無くなり、ハードブリーチングチャージが追加されました。

【競技シーンへの影響】

サブガジェットの変更により、1人でソフトブリーチ、ハードブリーチができるオペレーターになりました。

実際、日本トップチームのひとつであるFAV gamingが「カフェ・ドストエフスキー」においてHIBanAなどのハードブリーチングオペレーターをPickせずに、BUCKで攻略した、というラウンドもありました。

フラッシュバンとハードブリーチングチャージは使い道が異なるので、防衛側からするとどのような攻め方をしてくるのか分かりづらいオペレーターになりました。

また、弾薬数が多くなったことにより初心者の方も使いやすくなったと思います。ある程度マップを覚え始めてきたけど、どこを突き上げ・突き下げしたらいいか分かっていない……という方も、色々試せるるようになりました。

範囲を広く空けようと斜めに突き下げすると、薄壁1枚余ってしまう
垂直に突き下げした場合。やはり薄壁が残ってしまう範囲が大きい

また、スケルトンキー1発では薄壁が残ってしまい、壁を完全に取り除くためには2発撃ち込む必要があります。弾薬数が増えたことでより突き上げ・突き下げがしやすくなったと言えます。

ECHO : YOKAIドローンの強化(Y5S4.3)

【注目の調整内容】

YOKAIドローンのジャンプのクールダウンが3秒から2秒に短縮。更にドローンが天井への貼り付きに失敗する所要時間が2秒から0.5秒に短縮され、ソニックバーストのクールダウンも20秒から16秒に短縮されました。

全体的にクールダウンタイムが短くなり、ガジェットが使いやすくなりました。

【競技シーンへの影響】

現状、ラウンド中にカメラを見る余裕があまり無いこと、そしてYOKAIドローンが視認できることが要因で、Pick率がかなり低いオペレーターです。

今回のアップデートでYOKAIドローンの使いやすさは改善されましたが、最盛期のように「どの防衛拠点でも使える」とまではいかないでしょう。

ただ展開型シールド持ちでもあるので、Pick率は多少上昇しそうです。

ELA、ZOFIA : コンカッション耐性の削除(Y5S4.3)

【注目の調整内容】

コンカッション耐性が削除されました。更にELAはダウン中に追加のGRZMOTマインを使えないようになりました。

【競技シーンへの影響】

「そもそもコンカッション耐性ってあったの?」と驚く方が多いのではと思うくらい、いつの間にか入っていたスキルでした。ということで、Pick率や戦略に大きく影響はなさそうですが、ZOFIAはもともとASHに次ぐPick率。ELAも展開型シールド持ちで最近評価されているオペレーターなので、両オペレーターともに今後もPick率は高いままかと思います。

KALI : 武器ダメージ調整(Y5S4.3)

【注目の調整内容】

CSRX 300の基本ダメージが122に上昇しました。距離減衰についても25mまでは100%ダメージ、以降は35m地点で80%(97.6)まで直線的に減少するよう設定されました。

【競技シーンへの影響】

KALI自体のPick率が変わるというより、KALI対策のために防衛側のPick率に影響が出ると考えられます。

デザイナーノートにてKALIの調整は下記のように定義されています。

● ボディショット1発でスピード3のオペレーターをキル
● ボディショット1発でスピード2のオペレーターをダウンさせる
● ボディショット1発でスピード1のオペレーターにダメージを与える

スピード3のオペレーターはキルされるリスクが高いのでPick率が減り、スピード2・1のオペレーターのPick率が高くなるのではないかと予想しています。

LESION、MIRA : 1.5xスコープ削除(Y5S4.3)

【注目の調整内容】

T-5、VECTOR .45 ACPから1.5xスコープが削除されました。

【競技シーンへの影響】

Twitterなどを見ていると、どちらの武器も1.5xスコープを使っている方が多いようです。この弱体化は競技シーンはもちろん、かなりのユーザーに影響を与えると思います。

ガジェットがもともと強力なので高いPick率を維持すると思いますが、LEISONとMIRAの代わりとなる他のオペレーター(GOYO、ORYX)Pick率が上昇する可能性は十分にあります。

LION : サブガジェットの変更(Y5S4.3)

【注目の調整内容】

ハードブリーチングチャージが削除され、クレイモアが追加されました。

【競技シーンへの影響】

LIONはガジェットの特性上、相手の動きを止めて倒す、という戦い方が定石です。全員が同じ方向を見て戦うことが多いので、裏取りをしに来る敵オペレーター対策に有効なクレイモアの追加は朗報です。ただし、もう1つのサブガジェットであるスタングレネードも重宝されているので、クレイモアの出番はまだまだ少ない気がします。

盾オペレーター: カメラペナルティの削除(Y5S4.3)

【注目の調整内容】

ガード崩しアニメーション中のカメラペナルティがなくなりました。

【競技シーンへの影響】

以前のアップデートでカメラペナルティが追加されてから、盾オペレーターのPick率は極端に減りました。しかし今回カメラペナルティがなくなり、Pickされた際の対処が難しくなりました。

今回のアップデートのターゲットがトップランク~プロプレーヤーなので、連携が取れているチームの対策になるオペレーターになり得ます。ただ、カジュアルマッチなどで脅威となりすぎる強化なのでは? とも思っています。

サブウェポン追加:GONNE-6(Y6)

【注目の調整内容】

一部の攻撃オペレーターがハンドガンなどの代わりに持てるサブウェポン「GONNE-6」が追加予定。防衛側のガジェットを破壊可能な弾を一発だけ撃てる武器です。これにより、ASHやZOFIAなどのフラググレネード持ちのオペレーターに頼らずとも防衛側のガジェットを破壊できるようになります。

【競技シーンへの影響】

「防衛ガジェットを遠距離で破壊できるオペレーターが増えた」という意味では、攻撃オペレーターの組み合わせの幅が広がったと言えます。防衛側の視点で見ると、GONNE-6によるガジェット破壊を阻止するためにWAMAIのPick率が上がるかもしれません。

MUTE:シグナルディスラプターの強化

【注目の調整内容】

シグナルディスラプターの範囲内にZEROのアーガスカメラやFUZEのクラスターチャージなど攻撃側のガジェットがあった場合、無効化したフィードバックが表示されるようになりました。また、NOMADのエアジャブランチャーやクレイモアも無効化できるようになりました。

【競技シーンへの影響】

今まではドローンを重要拠点に入れない目的で使うことが多かったシグナルディスラプターでしたが、エアジャブ/クレイモアを無効化して裏取りすることにも使えるようになりました。攻撃側はガジェットやドローンを置く場所・タイミングの見極めが難しくなったと言えるでしょう。

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以上が、今回僕が気になったアップデート内容と考えられる影響です。皆さんもプレーしてみてどのような影響があったか、今後このオペレーターにパッチが入りそう……など是非色々考察してみてください!

Okayama(おかやま)

JCGにてeスポーツ大会プロデューサー、ディレクターを務める。コメンテーターとして国内外の「レインボーシックス シージ」イベントに出演した経験も豊富で、コミュニティーにおいて存在感を発揮している。