「GUILTY GEAR -STRIVE-(以下、GGST)」は人気格闘ゲーム「ギルティギア」シリーズの最新作で、魅力的なキャラクターたちとスタイリッシュなビジュアルなどに、発売前から多くの注目が集まっています。

ファンが6月11日の正式リリースを心待ちにする中、2月19日~23日にオープンベータテストが開催され、プレーヤーたちは一足早くゲームを体験することができました。本稿ではCYCLOPS athlete gaming所属のプロゲーマーどぐら選手(@maneater_dgr)を招き、ベータ版の感想や製品版への期待について語ってもらいました。

最新作でも「ギルティらしさ」は健在!

今では様々な格ゲータイトルで活躍するどぐら選手ですが、「出身ゲームはギルティ」と語る正真正銘のギルティ勢です。シリーズで一番思い入れのあるタイトルは「GUILTY GEAR XX Λ CORE」で、同タイトルの全国大会で優勝したことが格ゲーにのめり込むきっかけになったと語っています。

最新作の「GGST」は、前作までのタイトルからシステム面で大きく毛色が変わりました。様々な変更から「『GGST』はギルティ足り得るのか?」との声も上がっていましたが、どぐら選手はこういった心配は杞憂であると言います。

「GGST」タイトル画面

「『ギルティらしいゲーム性』は、ハイスピードな展開の中で、常に相手よりも早く判断を下さなくてはいけないところだと思っています。今回のベータ版をプレーするかぎり、そのギルティらしさは健在だと感じました」

システム面では刷新された部分も多く、昔からのギルティ勢の中には変化に不満を持つプレーヤーもいるかもしれません。しかしどぐら選手は「変化があった分新規プレーヤーが参入しやすくなると思います」とポジティブに捉えています。

「いちファンとしてより多くの人にギルティを楽しんでもらいたいと思っていますし、上級者ならいくら仕様が変更されようとも、適応できる技術があるはずですから」

新システムはベータ期間では研究しきれないほどの奥深さ!

「GGST」で特に注目されているのが、「空中ダッシュ」「通常投げ」「ロマンキャンセル」における仕様変更です。

シリーズの特徴である「空中ダッシュ」は前作までと比べて始動が遅くなり、空中の機動性に制限がかかりました。「通常投げ」は入力ボタンが変わり、また相手との距離が離れていた場合、空振りモーションが追加されました。また、直前までの行動を中断できる「ロマンキャンセル」は衝撃波をヒットさせることによって相手を鈍化させる行動に変わり、先行入力によって任意方向へスライドできるようになりました。

「仕様変更によって相手の防御を崩しづらくなるのではと言われていましたが、今のところ心配無さそうです。青ロマンキャンセルで相手の動きを遅くしたり、通常投げや発生が早くなったダストアタックを活用したりすれば、どのキャラクターも崩しに困ることはないと思います」

全キャラ共有の中段攻撃、ダストアタック

「投げボタンの変更と空振りモーションの追加は長年ギルティをプレーしてきた身としては慣れるのに時間がかかりそうですが」と前置きした上で、どぐら選手はこれも「良い変更だ」と言います。

「以前は投げが空振りになる距離ではハイスラッシュ攻撃が投げの代わりに出る仕様で、ハイスラッシュ攻撃の性能がキャラクターの近距離戦の強さに直結していました。投げ空振りモーションが加わることで、キャラクター間の格差が縮まると思います」

投げを空振りするアクセル

ロマンキャンセルについては、どぐら選手もまだ研究しきれていそう。かなり奥深い、やり込み甲斐のあるシステムと評価していて「リリース後、コンボや崩しにおけるロマンキャンセルの活用法がどんどん開発されると思う」と語ります。

相手の時間を遅くするロマンキャンセル

海外勢とのスムーズな対戦がついに実現!?

「GGST」で注目されているポイントのひとつが、新たなオンライン通信方式の導入です。従来の「ギルティギア」のオンライン対戦には他の多くの格闘ゲーム同様、ディレイベースネットコードが採用されていました。この方式ではプレーヤー間の距離が遠くなればなるほど入力遅延が大きくなり、どぐら選手は「以前は台湾や韓国のプレーヤーとの対戦が関の山だった」と話します。

今回新たに導入されたのはロールバック方式のネットコード。詳しい説明は省きますが、ロールバック方式が採用されたことで従来では試合にならなかったような距離間でのオンライン対戦も快適にプレーできるとのこと。実際にどぐら選手はベータ版で海外のプレーヤーたちと対戦し、その感触が良好だったと語っています。

「本当に革新的なことで、海外勢とも自由に対戦できるようになるのは夢があるどころじゃないくらい嬉しい話です。僕はアメリカのジャスティン・ウォン選手とも対戦しましたが、問題なくプレーできました。配信コメントで言われるまで、海外のプレーヤーであることにすら気づかないくらいでしたからね」

インタビューに答えるどぐら選手(左)

オンライン環境の変化が、競技シーンにも影響を与えるとどぐら選手は予想します。

「今までのギルティシーンは日本勢が圧倒的に強くて、海外からはなかなか強いプレーヤーが出てきづらい環境でした。というのも、日本の強豪プレーヤーたちはゲームセンターなどのオフライン環境で攻略情報共有をしていて、海外勢に比べてアドバンテージがあったんです」
「オンラインでもオフラインとほぼ変わらない環境でプレーできるようになれば、海外勢も最新情報を仕入れられることになるので、競技シーンのレベルが一気に上がると思います。今後の大会が楽しみですね」

他ゲー勢はどのキャラを選べばよいのか?

「GGST」の大きな魅力は、個性的なキャラクター達にもあります。そんな中でもどぐら選手は「ザトー=ONE」の新デザインが特に気に入ったと話し、ベータ版ではザトーを中心に練習していたそうです。ザトーは以前から操作難易度が高い代わりに高い攻撃力を持つキャラクターで、新作でもその性能は健在とのこと。

影を操って戦うザトー=ONE

また、どぐら選手は、ベータ期間中に触ったキャラクターの中では「ミリア=レイジ」や「ポチョムキン」などが強そうだと感じています。「特にミリアはセットプレーの開発が進めば進むほど強力になっていくキャラクターなので、製品版が出てからの伸びしろも十分に感じられた」と語ります。

他の格闘ゲーム勢が初めて「GGST」をプレーする時にどのキャラがおすすめかと聞くと、2D格ゲー勢には「カイ=キスク」を、3D格ゲー勢には「名残雪」をすすめたいと答えてくれました。

「カイは飛び道具、無敵技をはじめ、飛び込みや対空など、必要な技がなんでも揃っているオールラウンダーなので、『ストリートファイター』など2D格ゲーをプレーしてきた人ならすぐに使いこなせるキャラクターですね」

オールラウンドなカイ=キスク

一方、「鉄拳」などの3D格ゲーをプレーしてきた方に向けては「間合い管理に長けているプレーヤーが多いと思うので、リーチの長い『名残雪』がオススメです」とアドバイスします。

ヴァンパイア侍の名残雪

どぐら選手は総評として「『GGST』はギルティらしいゲームでありながらシステム面が大きく見直され、とても新鮮味のあるゲームになっています。古参プレーヤーには適応が求められるタイトルなので、新規のプレーヤーもやり込めば往年のギルティ勢たちと互角に渡り合えると思います」と締めくくりました。